【Alb(アルブミン)】検査データと看護のポイント

検査データと看護のポイント

検査の基本情報

検査名と略称

正式名称: Albumin(アルブミン) 略称: Alb、ALB 別名: 血清アルブミン

基準値

成人の基準値: 3.8〜5.3 g/dL(または4.0〜5.0 g/dL)

※施設により基準値が異なる場合があるため、各施設の基準値を確認すること ※年齢による変動があります

  • 高齢者: 3.5〜5.0 g/dL(やや低めの傾向)
  • 新生児・乳児: 2.5〜4.5 g/dL

栄養状態の評価基準

  • 正常: 3.5 g/dL以上
  • 軽度低栄養: 3.0〜3.5 g/dL
  • 中等度低栄養: 2.5〜3.0 g/dL
  • 高度低栄養: 2.5 g/dL未満

検査の目的

  • 栄養状態の評価(最も重要)
  • 肝機能の評価(肝臓での合成能)
  • 腎機能の評価(蛋白喪失の有無)
  • 浮腫や腹水の原因検索
  • 手術前後のリスク評価
  • 予後の予測因子

検査値が意味すること

この検査で何がわかるのか

アルブミンは肝臓でのみ合成される蛋白質で、血液中の蛋白質の約60%を占める最も重要な成分です。体内で様々な役割を担っており、栄養状態や肝機能を反映する代表的な指標です。

アルブミンの主な働きは以下の通りです。

  1. 膠質浸透圧の維持: 血管内に水分を保持し、浮腫を防ぐ
  2. 物質の運搬: ホルモン、ビリルビン、脂肪酸、薬剤などを運ぶ
  3. 栄養素の貯蔵: アミノ酸のプールとして機能
  4. 抗酸化作用: フリーラジカルを除去

アルブミンの半減期は約21日と長いため、急性期の栄養状態よりも、過去3〜4週間の慢性的な栄養状態を反映します。この特徴から、短期的な栄養改善の効果判定には向きませんが、長期的な栄養状態の評価には非常に有用です。

検査値の変動要因

低下させる要因

  • 蛋白質摂取不足
  • 肝機能障害(合成低下)
  • 腎臓からの喪失(ネフローゼ症候群)
  • 消化管からの喪失(蛋白漏出性胃腸症)
  • 炎症性疾患(サイトカインによる合成抑制)
  • 過度の輸液(希釈)
  • 悪性腫瘍
  • 甲状腺機能亢進症

上昇させる要因

  • 脱水(相対的な濃縮)
  • ごく稀に多発性骨髄腫の一部

影響を受けにくい要因

  • 食事(空腹時でなくても測定可能)
  • 日内変動はほとんどない

異常値とその意味

高値を示す場合

考えられる疾患・状態

高値(5.3 g/dL以上)

  • 脱水症(下痢、嘔吐、発汗過多)
  • 高度脱水

アルブミンが病的に高値を示すことはほとんどありません。高値の場合、ほぼ100%が脱水による相対的な濃縮です。

身体で起きていること

体内の水分が減少することで、血液が濃縮され、アルブミンの濃度が相対的に上昇した状態です。実際のアルブミン量は変わっていませんが、水分量が減ることで濃度が上がっているだけです。

出現しやすい症状

脱水の症状

  • 口渇、口腔内乾燥
  • 皮膚の乾燥、ツルゴールの低下
  • 尿量減少、尿の濃縮(濃い黄色)
  • 立ちくらみ、めまい
  • 頻脈、血圧低下(重度の場合)
  • 意識レベルの低下(高度脱水)

低値を示す場合

考えられる疾患・状態

軽度低値(3.0〜3.8 g/dL)

  • 軽度の低栄養
  • 慢性炎症性疾患
  • 慢性肝疾患(代償期)
  • 妊娠
  • 高齢者

中等度低値(2.5〜3.0 g/dL)

  • 中等度の低栄養
  • 肝硬変
  • ネフローゼ症候群
  • 悪性腫瘍
  • 慢性感染症

高度低値(2.5 g/dL未満)

  • 高度の低栄養
  • 肝不全
  • 重症ネフローゼ症候群
  • 蛋白漏出性胃腸症
  • 広範囲熱傷
  • 敗血症

身体で起きていること

アルブミンが低下する原因は大きく4つに分類されます。

1. 合成の低下(肝臓の問題) 肝臓は1日に約12gのアルブミンを合成しています。肝硬変や肝不全では、肝細胞の障害によりアルブミンを作る工場が機能しなくなります。また、栄養不良では材料(アミノ酸)が不足し、十分なアルブミンを作れません。

2. 喪失の増加(腎臓・消化管の問題) ネフローゼ症候群では、腎臓の糸球体が障害され、本来なら通さないはずのアルブミンが尿中に大量に漏れ出します。蛋白漏出性胃腸症では、腸管粘膜からアルブミンが漏れ出し、便中に失われます。

3. 分布の異常 炎症や手術侵襲により、血管透過性が亢進すると、アルブミンが血管内から血管外(組織)に移動します。これを第三スペースへの移行と言います。

4. 異化の亢進 炎症性サイトカイン(IL-6など)は、アルブミンの合成を抑制し、分解を促進します。敗血症や重症感染症では、アルブミンが急速に消費されます

出現しやすい症状

低アルブミン血症に共通の症状

  • 浮腫(下肢、顔面、陰嚢、手背)
  • 腹水
  • 胸水(呼吸困難)
  • 全身倦怠感
  • 体重減少、筋肉量減少(サルコペニア)
  • 皮膚の乾燥、光沢
  • 創傷治癒遅延
  • 易感染性

重度の低アルブミン血症(2.0 g/dL未満)

  • 全身性の高度浮腫(全身が腫れぼったい)
  • 腹水による腹部膨満
  • 胸水による呼吸困難
  • 体重増加(浮腫による)

看護アセスメントのポイント

検査前の看護

患者への説明

「栄養状態や肝臓・腎臓の働きを調べる血液検査です。採血だけで済み、5分程度で終わります。食事の影響はほとんど受けないため、食後でも検査できます」

検査前の準備・確認事項

  • 特別な準備は不要(絶食不要)
  • 採血部位の確認(浮腫が強い部位は避ける)
  • 輸液中の場合は輸液の影響を考慮

患者の状態確認

  • 浮腫の有無と程度(下腿、顔面、手背、陰嚢)
  • 体重の推移(急激な増減、1週間の変化)
  • 食事摂取量(過去1週間〜1ヶ月の摂取状況)
  • 皮膚の状態(乾燥、光沢、ツルゴール)
  • 腹囲(腹水の有無)
  • 尿量と尿の性状(泡沫尿の有無)

検査中の看護

観察項目

  • 採血時の顔色、表情
  • 気分不快の有無
  • 低アルブミン血症では血管がもろく穿刺しづらいことがある

安全管理

  • 浮腫が強い場合は穿刺部位を慎重に選択
  • 採血後の十分な圧迫止血
  • 感染予防(低栄養では易感染性)

検査後の看護

結果の解釈

栄養評価としてのアルブミン

  • 3.5 g/dL以上: 栄養状態良好
  • 3.0〜3.5 g/dL: 軽度低栄養(栄養介入を検討)
  • 2.5〜3.0 g/dL: 中等度低栄養(積極的な栄養介入が必要)
  • 2.5 g/dL未満: 高度低栄養(緊急の栄養介入が必要)

他の検査との組み合わせ

  • Alb低値+TP低値: 低栄養、ネフローゼ、肝不全
  • Alb低値+TP正常: 肝硬変(グロブリン増加で補われている)
  • Alb低値+CRP高値: 炎症による消費亢進
  • Alb低値+尿蛋白(+++): ネフローゼ症候群

急性期の変化に注意 手術や外傷、感染症などの急性期には、炎症反応によりアルブミンが急激に低下します。これは必ずしも栄養不良を意味しないため、慢性期の値と区別して評価します。

観察すべき症状・バイタルサイン

Alb低値の場合に特に注意すべき観察項目

浮腫の評価

  • 下腿の浮腫: 圧痕の有無(5秒以上残るか)、周径測定
  • 顔面の浮腫: 特に眼瞼、朝起きた時の顔の腫れ
  • 全身の浮腫: 手背、陰嚢、腹水、胸水

栄養状態の評価

  • 体重測定: 毎日同じ時間、同じ条件で測定
  • 食事摂取量: 摂取カロリー、蛋白質量
  • 筋肉量: 上腕周囲長、下腿周囲長
  • 皮下脂肪: 上腕三頭筋皮下脂肪厚

合併症の観察

  • 創部の治癒状態: 術後の場合、創傷治癒遅延の有無
  • 感染徴候: 発熱、CRP上昇、WBC上昇
  • 褥瘡の有無: 特に仙骨部、踵部
  • 呼吸状態: 胸水による呼吸困難、SpO₂低下

バイタルサイン

  • 血圧(循環血液量減少で低下)
  • 脈拍(頻脈)
  • 体温(易感染性)
  • 呼吸数(胸水による呼吸困難)

日常生活への影響

Alb 2.5〜3.0 g/dLの場合

  • 軽度の浮腫による不快感
  • 倦怠感により活動量が低下
  • 食欲不振
  • 創傷治癒がやや遅延

Alb 2.5 g/dL未満の場合

  • 高度の浮腫による日常生活の制限(靴が履けない、服がきつい)
  • 著明な倦怠感でADLが低下
  • 腹水による食欲不振、腹部膨満感
  • 胸水による呼吸困難、息切れ
  • 皮膚トラブル(浮腫部位のびらん、感染)
  • 褥瘡のリスク上昇

看護として支援すべきこと

  • 栄養管理: 高蛋白食の提供(腎不全がなければ)、栄養補助食品、経腸・静脈栄養
  • 浮腫対策: 下肢挙上、弾性ストッキング、利尿薬管理
  • 皮膚ケア: 清潔保持、保湿、圧迫回避
  • 褥瘡予防: 体位変換、エアマット、栄養改善
  • 感染予防: 手洗い、清潔ケア、早期発見

報告基準

緊急報告が必要な状況

  • Alb 2.0 g/dL未満の高度低値
  • 急激な低下(前回値より0.5 g/dL以上の低下)
  • 全身性の高度浮腫、腹水、胸水の出現
  • 呼吸困難(SpO₂ 90%未満)
  • 尿量著明減少(400 mL/日未満)
  • 創傷治癒遅延、感染徴候
  • 意識レベルの低下

定時報告でよい状況

  • 軽度の低値(3.0〜3.5 g/dL)で症状が安定
  • 慢性疾患で予測される範囲内の値
  • 改善傾向を示している

関連する検査データ

一緒に評価すべき検査項目

総蛋白(TP)との組み合わせ TPとAlbを一緒に評価することで、蛋白質全体の状態とアルブミンの割合が分かります。

  • TP低下、Alb低下: 低栄養、ネフローゼ、肝不全
  • TP正常、Alb低下: 肝硬変(グロブリン増加)
  • TP上昇、Alb正常〜上昇: 脱水

A/G比(アルブミン/グロブリン比)の計算 A/G比 = Alb ÷ (TP – Alb) 正常値: 1.2〜2.0

  • A/G比 1.0未満: 肝硬変、ネフローゼ、多発性骨髄腫
  • A/G比 2.0以上: 免疫不全

プレアルブミン(トランスサイレチン)との違い プレアルブミンは半減期が2〜3日と短いため、急性期の栄養状態や短期的な栄養改善の効果判定に有用です。Albは長期的な栄養評価に、プレアルブミンは短期的な評価に使い分けます。

CRP(炎症マーカー)との関連 炎症があるとCRPが上昇し、Albは低下します。

  • CRP↑、Alb↓: 炎症による消費亢進、合成抑制
  • CRP正常、Alb↓: 慢性的な低栄養、肝不全、ネフローゼ

BUN、クレアチニン(Cre)との関連

  • Alb↓、BUN↑、Cre↑、尿蛋白(+++): ネフローゼ症候群
  • Alb↓、BUN↑、Cre↑: 慢性腎不全

肝機能(AST、ALT、ビリルビン)との関連

  • Alb↓、肝酵素↑、ビリルビン↑: 肝機能障害

トランスフェリン、コリンエステラーゼ(ChE) これらも肝臓で合成されるため、肝機能や栄養状態の指標として併せて評価されることがあります。


実習でよくある場面

場面1: 術前患者のAlb低値と手術リスク

72歳男性、大腸がん手術予定、術前検査でAlb 2.8 g/dL、体重減少あり

アセスメントのポイント

  • Alb 3.0 g/dL未満は術後合併症のリスクファクター
  • 創傷治癒遅延、縫合不全、感染症のリスクが高い
  • 術前に栄養改善が必要か医師と相談
  • 手術を延期して栄養状態を改善するか、アルブミン製剤投与を検討

看護の視点 術前の栄養状態は、術後の回復を大きく左右します。「手術まで時間がないから仕方ない」ではなく、可能な限り栄養改善を図ります。経口摂取が困難な場合は、経腸栄養や静脈栄養も検討します。術後は創部の観察を強化し、感染徴候を早期発見します。

場面2: ネフローゼ症候群患者の全身浮腫

55歳女性、ネフローゼ症候群、Alb 1.8 g/dL、全身浮腫(+++)、体重5kg増加

アセスメントのポイント

  • Alb 2.0 g/dL未満は重度の低アルブミン血症
  • 膠質浸透圧が著しく低下し、水分が血管外に漏出
  • 尿検査で蛋白(+++)を確認
  • 体重増加は浮腫による水分貯留(実際の体重ではない)

看護の視点 浮腫による皮膚トラブルが最大の問題です。浮腫部位は皮膚が薄く伸展し、わずかな圧迫や摩擦で容易に損傷します。除圧マット、体位変換、皮膚の清潔保持が重要です。アルブミン製剤投与や利尿薬投与後は、体重測定、浮腫の程度、尿量をモニタリングし、効果を評価します。

場面3: 肝硬変患者のTP正常、Alb低値

68歳男性、肝硬変、TP 6.5 g/dL(正常)、Alb 2.3 g/dL(低値)、腹水あり

アセスメントのポイント

  • TPが正常でもAlbが低いことに注目
  • A/G比を計算: 2.3 ÷ (6.5 – 2.3) = 0.55(正常1.2〜2.0)
  • グロブリンが増加してTPを補っている(見かけ上正常)
  • 「TPが正常だから大丈夫」という判断は誤り

看護の視点 肝硬変患者では、必ずAlbとA/G比を確認します。腹水、浮腫、黄疸、出血傾向、肝性脳症などの症状を総合的に観察します。栄養管理では、病期に応じて蛋白制限が必要な場合と高蛋白食が必要な場合があるため、医師・栄養士と連携します。

場面4: 高齢者の低栄養とサルコペニア

88歳女性、食事摂取量3割、Alb 2.6 g/dL、体重減少、筋肉量減少

アセスメントのポイント

  • 高齢者の低栄養は見逃されやすい重要な問題
  • サルコペニア(筋肉量減少)により、転倒・骨折リスクが上昇
  • 免疫機能低下により、肺炎などの感染症リスクも上昇
  • 褥瘡発生リスクが高い

看護の視点 高齢者の食欲不振には様々な原因があります。味覚の変化、嚥下機能低下、義歯の不具合、抑うつ、便秘など、原因を探り対処します。食事形態の工夫(きざみ食、ミキサー食)、嗜好に合わせた食事提供、栄養補助食品の活用を検討します。栄養サポートチーム(NST)との連携も重要です。

場面5: アルブミン製剤投与時の看護

60歳男性、敗血症、Alb 2.0 g/dL、アルブミン製剤25% 50mL投与指示

アセスメントのポイント

  • アルブミン製剤は血漿増量剤としても使用される
  • 投与により循環血液量が増加し、心負荷がかかる
  • 急速投与により心不全、肺水腫のリスクがある
  • 投与速度の厳守が重要(通常5mL/分以下)

看護の視点 投与前後のバイタルサイン測定、特に呼吸状態(呼吸数、SpO₂、呼吸音)の観察が重要です。投与中は頻脈、血圧上昇、呼吸困難、湿性咳嗽などの心不全徴候に注意します。投与後は体重測定、浮腫の程度、尿量を評価し、効果を確認します。


よくある疑問・Q&A

Q1: アルブミンが低いとなぜ浮腫が出るのですか?

A: アルブミンは血管内の水分を保持する働き(膠質浸透圧) を担っています。アルブミンが低下すると、この浸透圧が低下し、血管内の水分が血管外(組織)に漏れ出してしまいます。その結果、組織に水分が溜まり浮腫となります。特にAlb 2.5 g/dL以下になると、浮腫が顕著になります。

Q2: 高蛋白食を食べればすぐにアルブミンは上がりますか?

A: いいえ、すぐには上がりません。アルブミンの半減期は約21日と長いため、栄養改善の効果が現れるまで数週間かかります。短期的な栄養改善の効果を見たい場合は、プレアルブミン(半減期2〜3日)やトランスフェリン(半減期7〜10日)を評価します。アルブミンは長期的な栄養状態の指標として使用します。

Q3: 炎症があるとアルブミンが下がるのはなぜですか?

A: 炎症性サイトカイン(IL-6など)が、肝臓でのアルブミン合成を抑制し、分解を促進するためです。また、血管透過性が亢進し、アルブミンが血管外に漏出します。そのため、感染症や術後などの急性期はアルブミンが低下します。これは必ずしも栄養不良を意味せず、炎症が治まれば回復します。

Q4: アルブミンとプレアルブミン、どちらを見ればよいですか?

A: 目的によって使い分けます

  • 長期的な栄養評価: アルブミン(半減期21日)
  • 短期的な栄養評価、栄養介入の効果判定: プレアルブミン(半減期2〜3日)

例えば、入院中の栄養管理の効果を1週間ごとに評価したい場合は、プレアルブミンの方が適しています。一方、外来での長期的な栄養状態のフォローには、アルブミンが適しています。

Q5: アルブミン製剤を投与すると栄養状態は改善しますか?

A: いいえ、根本的な栄養改善にはなりません。アルブミン製剤は、浮腫や低血圧の改善、循環血液量の維持のために使用されますが、あくまで一時的な対症療法です。栄養状態を根本的に改善するには、経口摂取、経腸栄養、静脈栄養による栄養投与が必要です。アルブミン製剤の効果は一時的(数日〜1週間程度)であることを理解しておきましょう。


疾患別の特徴的なパターン

ネフローゼ症候群

典型的なパターン

  • Alb: 2.5 g/dL以下(著明な低下)
  • TP: 4.0〜5.5 g/dL(著明な低下)
  • 尿蛋白: 3.5 g/日以上
  • 浮腫: 全身性、高度
  • 脂質異常症(総コレステロール↑、LDL↑)

看護のポイント 浮腫管理が最優先です。体重測定(毎日)、水分出納バランス、利尿薬の効果判定を行います。皮膚トラブル予防、感染予防、血栓予防も重要です。

肝硬変

典型的なパターン

  • Alb: 2.5〜3.5 g/dL(低下)
  • TP: 正常〜やや低値
  • A/G比: 1.0未満(著明な低下)
  • 腹水、黄疸、出血傾向
  • ChE(コリンエステラーゼ)低下

看護のポイント 肝機能の総合的評価が必要です。腹水コントロール、出血予防、肝性脳症の予防、感染予防が重要です。栄養管理は病期に応じて調整します。

低栄養(PEM: Protein-Energy Malnutrition)

典型的なパターン

  • Alb: 2.5〜3.5 g/dL(低下)
  • TP: 5.0〜6.5 g/dL(低下)
  • 体重減少、筋肉量減少
  • リンパ球減少
  • CRP正常(炎症がない場合)

看護のポイント 栄養改善が最優先です。食事摂取量のモニタリング、栄養補助食品の活用、経腸・静脈栄養の検討を行います。褥瘡予防、感染予防も重要です。

敗血症・重症感染症

典型的なパターン

  • Alb: 2.0〜3.0 g/dL(急激な低下)
  • CRP: 著明な高値(10 mg/dL以上)
  • WBC: 著明な上昇または減少
  • プロカルシトニン: 著明な高値
  • 発熱、頻脈、血圧低下

看護のポイント 全身状態の悪化に注意が必要です。バイタルサイン(特に血圧、SpO₂)、意識レベル、尿量を厳重に観察します。感染源の除去、抗菌薬投与、栄養管理が重要です。

蛋白漏出性胃腸症

典型的なパターン

  • Alb: 2.0〜3.0 g/dL(低下)
  • TP: 4.0〜5.5 g/dL(低下)
  • 下痢、腹部膨満
  • 浮腫
  • α1-アンチトリプシンクリアランス上昇

看護のポイント 消化器症状の観察が重要です。下痢の回数・性状、腹痛の有無、栄養吸収状態を評価します。水分電解質バランス、栄養管理に注意します。


まとめ

アルブミンは栄養状態を評価する最も重要な指標であり、肝機能、腎機能、炎症状態も反映する総合的なマーカーです。看護実践において、アルブミン値は患者の予後を左右する重要な情報となります。

看護アセスメントで押さえるべきポイントは以下の通りです。

  • Alb 3.5 g/dL未満は栄養介入が必要な状態
  • 浮腫の有無と程度を丁寧に観察する(Alb 2.5 g/dL以下で顕著)
  • TPやA/G比と併せて評価する(単独では判断しない)
  • 炎症の有無を確認する(急性期の低下は栄養不良とは限らない)
  • 術前・術後の管理に重要(合併症リスクの予測因子)
  • 長期的な指標であることを理解する(短期的な変化はプレアルブミンで評価)

実習では、アルブミン値と患者の全身状態を照らし合わせることが大切です。数値だけを見るのではなく、なぜ低いのか、どこで失われているのか、どう補うべきかという視点でアセスメントしましょう。

低アルブミン血症は、浮腫、創傷治癒遅延、感染リスク上昇、褥瘡など、様々な看護問題の原因となります。アルブミン値を正しく評価し、適切な栄養管理と合併症予防のケアを提供することで、患者さんの回復を支援していきましょう。


免責事項

本記事は看護学生向けの教育・学習目的の情報提供です。一般的な医学知識の解説であり、個別の患者への診断・治療の根拠ではありません。実際の看護実践は、患者の個別性を考慮し、指導者の指導のもと行ってください。記事の情報は公開時点のものであり、最新の医学的知見と異なる場合があります。本記事を課題としてそのまま提出しないでください。正確な情報提供に努めていますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。検査値の解釈や対応については、必ず医師の判断を仰いでください。

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