検査の基本情報
検査名と略称
正式名称: Blood Urea Nitrogen(血中尿素窒素) 略称: BUN 別名: UN(尿素窒素)、血清尿素窒素
基準値
成人の基準値: 8〜20 mg/dL
※施設により基準値が異なる場合があるため、各施設の基準値を確認すること ※年齢・性別による違い
- 高齢者: やや高めの傾向(上限25 mg/dL程度まで許容されることも)
- 女性: 男性よりやや低め
- 乳幼児: 5〜15 mg/dL
パニック値(緊急報告値)
- BUN 100 mg/dL以上(透析導入を検討するレベル)
検査の目的
- 腎機能の評価(糸球体濾過能)
- 脱水の評価
- 消化管出血のスクリーニング
- 蛋白質代謝の評価
- 栄養状態の評価
- 透析導入・離脱の判断
検査値が意味すること
この検査で何がわかるのか
BUNは蛋白質が分解された時に生じる老廃物です。私たちが食事で摂取した蛋白質や、体内の蛋白質が分解されると、アンモニアが発生します。アンモニアは毒性が強いため、肝臓で無毒な尿素に変換され、最終的に腎臓から尿中に排泄されます。
BUNの値は、この尿素が血液中にどれだけ溜まっているかを示しています。つまり、BUNが上昇しているということは、尿素の産生が増えているか、腎臓からの排泄が減っているか、あるいはその両方を意味します。
BUNは腎機能の指標として広く使われていますが、腎機能以外の要因(脱水、蛋白摂取量、消化管出血など)でも変動しやすいという特徴があります。そのため、必ずクレアチニン(Cre)と併せて評価することが重要です。
検査値の変動要因
上昇させる要因
- 腎機能低下(最も重要)
- 脱水(血液濃縮)
- 高蛋白食、蛋白異化亢進
- 消化管出血(上部消化管出血)
- 発熱、感染症
- ステロイド薬の使用
- 心不全(腎血流量低下)
低下させる要因
- 低蛋白食
- 肝不全(尿素合成低下)
- 妊娠
- 過度の輸液(希釈)
- 低栄養状態
その他の影響因子
- 採血時の溶血: 見かけ上高値になることがある
- 採血前の激しい運動: 蛋白異化亢進で上昇
- 脱水の程度: 血液濃縮で上昇
異常値とその意味
高値を示す場合
考えられる疾患・状態
軽度高値(20〜40 mg/dL)
- 軽度の脱水
- 高蛋白食
- 軽度の腎機能低下
- 発熱、感染症
- 心不全(軽度)
中等度高値(40〜80 mg/dL)
- 中等度〜高度の脱水
- 慢性腎不全(中等度)
- 急性腎障害
- 消化管出血
- 心不全(中等度)
高度高値(80 mg/dL以上)
- 高度の腎不全
- 重症脱水
- ショック
- 尿路閉塞
- 透析が必要なレベル
身体で起きていること
BUNが上昇する原因は、大きく3つに分類されます。
1. 腎前性(腎臓に届く血液量が減少) 脱水、出血、心不全などで腎臓への血流が減少すると、尿素の排泄が減り、BUNが上昇します。この場合、水分を補給すれば速やかに改善することが特徴です。
2. 腎性(腎臓自体の障害) 糸球体腎炎、腎不全などで腎臓の濾過機能が低下すると、尿素が排泄されずに血液中に蓄積します。これが真の腎機能低下による上昇です。
3. 腎後性(尿路の閉塞) 尿管結石、前立腺肥大などで尿路が閉塞すると、尿が排泄されず、尿素が血液中に逆流して蓄積します。
消化管出血による上昇のメカニズム 上部消化管(胃・十二指腸)からの出血では、血液中の蛋白質(ヘモグロビン)が腸管内で分解・吸収され、大量のアンモニアが発生します。これが肝臓で尿素に変換され、BUNが急上昇します。
出現しやすい症状
軽度上昇(20〜40 mg/dL)
- 特に自覚症状がないことが多い
- 軽度の倦怠感
- 食欲不振
中等度〜高度上昇(40 mg/dL以上)
- 尿毒症症状の出現
- 悪心・嘔吐(最も多い症状)
- 全身倦怠感
- 食欲不振
- 皮膚掻痒感
- 浮腫
高度上昇(80 mg/dL以上)
- 意識障害(尿毒症性脳症)
- けいれん
- 呼吸困難(肺水腫)
- 不整脈(高カリウム血症を伴う場合)
- 心嚢炎(胸痛)
低値を示す場合
考えられる疾患・状態
低値(8 mg/dL未満)
- 肝不全、肝硬変(重症)
- 低蛋白食
- 重度の低栄養
- 妊娠
- 過度の輸液
身体で起きていること
肝不全の場合 肝臓でのアンモニアから尿素への変換が障害され、BUNが低下します。この場合、アンモニアが血液中に蓄積し、肝性脳症のリスクが高まります。
低栄養の場合 蛋白質摂取が極端に少ないと、尿素の産生自体が減少し、BUNが低下します。
過度の輸液の場合 大量輸液により血液が希釈され、見かけ上BUNが低下します。
出現しやすい症状
BUNの低値自体による症状は通常ありませんが、原因疾患の症状が出現します。
肝不全の場合
- 黄疸
- 腹水
- 意識障害(肝性脳症)
- 出血傾向
低栄養の場合
- 体重減少、筋肉量減少
- 浮腫
- 易感染性
看護アセスメントのポイント
検査前の看護
患者への説明
「腎臓の働きや体の水分状態を調べる血液検査です。採血だけで済み、5分程度で終わります。食事の影響を受けるため、できれば朝食前の空腹時に採血します」
検査前の準備・確認事項
- 空腹時採血が望ましい(食後は高値になりやすい)
- 前日の食事内容を確認(高蛋白食の摂取有無)
- 水分摂取状況、脱水症状の有無
- 採血前の激しい運動は避ける
患者の状態確認
- バイタルサイン(特に血圧、脈拍)
- 尿量(24時間尿量、乏尿の有無)
- 浮腫の有無と程度
- 脱水症状(皮膚ツルゴール、口腔内乾燥)
- 消化器症状(悪心、嘔吐、下血、黒色便)
- 体重の推移
検査中の看護
観察項目
- 採血時の顔色、表情
- 気分不快の有無
- 穿刺部位の止血状態
安全管理
- 腎不全患者では出血傾向があることがある
- 採血後の十分な圧迫止血
- シャント肢からの採血は避ける(透析患者)
検査後の看護
結果の解釈
必ずクレアチニン(Cre)と併せて評価 BUNは腎機能以外の要因で変動しやすいため、Creと一緒に見ることが絶対に必要です。
BUN/Cre比の活用 BUN/Cre比 = BUN(mg/dL) ÷ Cre(mg/dL) 正常値: 10〜20
- BUN/Cre比 20以上: 腎前性(脱水、消化管出血、心不全)
- BUN/Cre比 10〜20: 腎性(真の腎機能低下)
- BUN/Cre比 10未満: 低栄養、肝不全
脱水と腎不全の鑑別
- 脱水: BUN↑、Cre↑(軽度)、BUN/Cre比↑、尿比重↑
- 腎不全: BUN↑、Cre↑(顕著)、BUN/Cre比正常、尿比重低下
消化管出血の早期発見 下血や黒色便がなくても、BUNだけが急上昇している場合は消化管出血を疑います。特にBUN/Cre比が20以上で、貧血の進行があれば要注意です。
観察すべき症状・バイタルサイン
BUN高値の場合
尿量のモニタリング
- 24時間尿量の測定(正常: 1000〜1500 mL/日)
- 乏尿(400 mL/日未満)の有無
- 無尿(100 mL/日未満)の有無
- 尿の性状、色調
バイタルサイン
- 血圧(高血圧または低血圧)
- 脈拍(不整脈の有無)
- 体温(発熱の有無)
- 呼吸状態(肺水腫による呼吸困難)
- SpO₂(低酸素血症)
尿毒症症状の観察
- 消化器症状: 悪心、嘔吐、食欲不振、口臭(アンモニア臭)
- 神経症状: 意識レベル、傾眠、けいれん、ミオクローヌス
- 皮膚症状: 掻痒感、尿毒症性霜(皮膚に白い粉が付着)
- 循環器症状: 浮腫、胸痛(心嚢炎)
電解質異常の徴候
- 高カリウム血症: 筋力低下、不整脈
- アシドーシス: 呼吸促迫(クスマウル呼吸)
体重・浮腫の評価
- 毎日同じ時間、同じ条件で体重測定
- 浮腫の部位と程度(下腿、顔面)
日常生活への影響
BUN 40〜60 mg/dLの場合
- 悪心・嘔吐により食事摂取が困難
- 倦怠感により活動量が低下
- 不眠、集中力低下
BUN 60 mg/dL以上の場合
- 高度の悪心・嘔吐により経口摂取ほぼ不可
- 著明な倦怠感でADLが低下
- 意識レベル低下
- 透析導入の検討が必要
看護として支援すべきこと
- 食事療法: 蛋白制限食、塩分制限、カリウム制限
- 水分管理: 水分制限(尿量+500 mL/日程度)
- 悪心・嘔吐対策: 制吐薬投与、少量頻回の食事
- 皮膚掻痒感の緩和: 保湿、抗ヒスタミン薬
- 透析看護: シャント管理、透析中の観察
報告基準
緊急報告が必要な状況
- BUN 80 mg/dL以上(透析適応レベル)
- 急激な上昇(前回値より20 mg/dL以上の上昇)
- 尿量著明減少(400 mL/日未満)
- 無尿(100 mL/日未満)
- 意識レベルの低下
- けいれん発作
- 呼吸困難(肺水腫)
- 不整脈(高K血症)
- 消化管出血の徴候(下血、黒色便、貧血進行)
定時報告でよい状況
- 軽度の上昇(20〜30 mg/dL)で症状が安定
- 慢性腎不全で予測される範囲内の値
- 改善傾向を示している
関連する検査データ
一緒に評価すべき検査項目
クレアチニン(Cre)との組み合わせ BUNとCreを併せて評価することで、腎機能低下の原因を鑑別できます。
- BUN↑、Cre↑(BUN/Cre比>20): 腎前性(脱水、消化管出血)
- BUN↑、Cre↑(BUN/Cre比10〜20): 腎性(真の腎機能低下)
- BUN↑、Cre正常: 高蛋白食、消化管出血、脱水初期
eGFR(推算糸球体濾過量)の評価 eGFRは、Creの値から計算されるより正確な腎機能の指標です。
- 正常: 90 mL/分/1.73m²以上
- CKDステージ3: 30〜60 mL/分/1.73m²
- CKDステージ4: 15〜30 mL/分/1.73m²(保存的腎不全)
- CKDステージ5: 15 mL/分/1.73m²未満(透析導入検討)
電解質との関連 腎不全では、電解質異常を伴うことが多いです。
- カリウム(K): 高K血症(不整脈のリスク)
- ナトリウム(Na): 低Na血症または高Na血症
- カルシウム(Ca): 低Ca血症
- リン(P): 高P血症
酸塩基平衡
- pH、HCO₃⁻: 代謝性アシドーシス
貧血の評価 慢性腎不全では、エリスロポエチン産生低下により貧血を伴います。
- ヘモグロビン(Hb): 低下
- ヘマトクリット(Ht): 低下
尿検査との関連
- 尿蛋白: 腎疾患の有無
- 尿潜血: 糸球体疾患の有無
- 尿比重: 腎濃縮能の評価
実習でよくある場面
場面1: 脱水患者のBUN上昇
78歳女性、下痢・嘔吐で入院、BUN 45 mg/dL、Cre 1.2 mg/dL、BUN/Cre比 37.5
アセスメントのポイント
- BUN/Cre比が20以上で腎前性(脱水)を強く疑う
- Creは軽度上昇のみで、BUNが顕著に上昇
- 脱水症状(皮膚ツルゴール低下、尿量減少)を確認
- 輸液により速やかに改善することが期待される
看護の視点 脱水の補正が最優先です。輸液管理(速度、量)、水分出納バランス、バイタルサイン、尿量をモニタリングします。高齢者では脱水に気づきにくいため、日頃からの観察が重要です。輸液開始後、BUNとCreを再検査し、改善を確認します。
場面2: 消化管出血によるBUN急上昇
65歳男性、胃潰瘍の既往、BUN 60 mg/dL(前日25 mg/dL)、Cre 1.0 mg/dL、黒色便あり
アセスメントのポイント
- BUNのみが急激に上昇(Creはほぼ正常)
- BUN/Cre比が60と著明に上昇
- 黒色便は上部消化管出血の徴候
- 血液中の蛋白質が腸管で分解・吸収され、BUNが上昇
看護の視点 消化管出血の評価が緊急です。バイタルサイン(血圧低下、頻脈)、Hb・Htの推移、便の性状(黒色便、血便)を観察します。緊急内視鏡検査の準備、輸血の準備を行います。BUNの急上昇は出血の早期発見の手がかりになります。
場面3: 慢性腎不全患者の透析導入検討
58歳男性、糖尿病性腎症、BUN 85 mg/dL、Cre 8.5 mg/dL、eGFR 6 mL/分/1.73m²
アセスメントのポイント
- BUN 80 mg/dL以上、eGFR 10未満で透析導入を検討
- 尿毒症症状(悪心、嘔吐、掻痒感、意識障害)の有無を評価
- 高K血症、肺水腫、心嚢炎などの合併症チェック
- 透析導入のタイミングは症状と検査値を総合的に判断
看護の視点 透析導入の準備と患者・家族への説明が重要です。シャント造設の準備、透析方法(血液透析または腹膜透析)の選択支援、生活指導(食事・水分制限)を行います。精神的サポートも欠かせません。
場面4: 心不全による腎機能悪化
72歳女性、心不全、BUN 38 mg/dL、Cre 1.8 mg/dL、浮腫(+++)、尿量500 mL/日
アセスメントのポイント
- 心不全により腎血流量が低下し、BUN・Creが上昇(心腎症候群)
- 浮腫があるのに尿量が少ない(体液貯留)
- BUN/Cre比は約21とやや高め(腎前性要素あり)
- 利尿薬の効果が不十分
看護の視点 心不全の管理と腎機能の保護が両立できるようにします。水分制限、塩分制限、体重測定、水分出納バランス、利尿薬の効果判定を行います。過度の利尿は腎機能をさらに悪化させるため、慎重な管理が必要です。
場面5: 高蛋白食摂取後のBUN上昇
45歳男性、健診でBUN 28 mg/dL、Cre 0.9 mg/dL、前日焼肉を大量摂取
アセスメントのポイント
- Creは正常で、BUNのみ軽度上昇
- BUN/Cre比は31とやや高値
- 高蛋白食(焼肉)により一時的にBUNが上昇
- 病的な上昇ではなく、生理的な変動
看護の視点 「BUNが高い=腎臓が悪い」と即断せず、食事の影響を考慮します。患者に不安を与えないよう、「食事の影響で一時的に上がることがある」と説明します。念のため、空腹時に再検査することを勧めます。
よくある疑問・Q&A
Q1: BUNとクレアチニン、どちらが腎機能を正確に反映しますか?
A: クレアチニン(Cre)の方が腎機能を正確に反映します。BUNは食事、脱水、消化管出血など、腎機能以外の要因で変動しやすいためです。一方、Creは筋肉量の影響は受けますが、食事や脱水の影響をほとんど受けません。そのため、腎機能の評価にはCreやeGFRを重視し、BUNは補助的な指標として使用します。
Q2: BUN/Cre比はどのように活用すればよいですか?
A: BUN/Cre比は腎機能低下の原因を鑑別するのに非常に有用です。
- 比が20以上: 腎前性(脱水、消化管出血、心不全)を疑う → 原因を治療すれば改善
- 比が10〜20: 腎性(真の腎機能低下)を疑う → 腎臓自体の治療が必要
- 比が10未満: 低栄養、肝不全を疑う
この比を見ることで、「輸液で改善するのか」「腎臓の治療が必要なのか」を判断する手がかりになります。
Q3: 透析患者のBUNはどれくらいが目標ですか?
A: 透析患者では、透析前BUN 60〜80 mg/dL程度、透析後BUN 20〜30 mg/dL程度を目標にすることが多いです。透析前のBUNが高すぎる(100 mg/dL以上)場合は、透析の回数や時間を増やすことを検討します。逆に低すぎる場合は、栄養状態が悪い可能性があります。
Q4: BUNが高いとなぜ悪心・嘔吐が起こるのですか?
A: BUNが高いということは、尿素だけでなく様々な老廃物(尿毒症物質)が体内に蓄積している状態です。これらの物質が消化管粘膜を刺激し、また中枢神経にも作用して、悪心・嘔吐を引き起こします。BUNが60 mg/dL以上になると、多くの患者で消化器症状が出現します。
Q5: 食事制限はどの程度すればよいですか?
A: 腎機能の程度によって異なります。
- 軽度腎機能低下(eGFR 45〜60): 蛋白制限は不要、塩分制限のみ
- 中等度腎機能低下(eGFR 30〜45): 蛋白質 0.8〜1.0 g/kg/日
- 高度腎機能低下(eGFR <30): 蛋白質 0.6〜0.8 g/kg/日
- 透析患者: 蛋白質制限は不要、むしろ積極的な摂取が必要
過度な蛋白制限は低栄養を招くため、管理栄養士と連携した適切な食事療法が重要です。
疾患別の特徴的なパターン
急性腎障害(AKI)
典型的なパターン
- BUN: 急激に上昇(1日で10〜20 mg/dL上昇)
- Cre: 急激に上昇(基準値の1.5倍以上)
- 尿量: 著明に減少(乏尿または無尿)
- BUN/Cre比: 原因により異なる
- K: 上昇(高K血症)
看護のポイント 原因の特定と除去が最優先です。腎前性(脱水、ショック)なら輸液、腎後性(尿路閉塞)なら閉塞解除を行います。尿量、水分出納バランス、電解質を厳重にモニタリングします。
慢性腎臓病(CKD)
典型的なパターン
- BUN: 徐々に上昇(数ヶ月〜数年かけて)
- Cre: 徐々に上昇
- eGFR: 徐々に低下
- 貧血: Hb低下
- 高血圧
看護のポイント 進行を遅らせることが目標です。血圧管理、血糖管理(糖尿病の場合)、食事療法(蛋白・塩分制限)、禁煙、定期的な検査を行います。透析導入の時期を見極めることも重要です。
ネフローゼ症候群
典型的なパターン
- BUN: 正常〜やや上昇
- Cre: 正常〜やや上昇
- Alb: 著明な低下(2.5 g/dL以下)
- 尿蛋白: 著明(3.5 g/日以上)
- 浮腫: 全身性、高度
看護のポイント 浮腫管理と感染予防が中心です。利尿薬の効果判定、皮膚トラブル予防、血栓予防、蛋白制限食の提供を行います。
脱水症
典型的なパターン
- BUN: 上昇(20〜50 mg/dL)
- Cre: 軽度上昇
- BUN/Cre比: 20以上(高値)
- Ht: 上昇(血液濃縮)
- 尿比重: 上昇
看護のポイント 脱水の補正が最優先です。輸液管理、水分出納バランス、バイタルサイン、尿量をモニタリングします。輸液開始後、BUNとCreを再検査し、改善を確認します。
上部消化管出血
典型的なパターン
- BUN: 急激に上昇(40〜80 mg/dL)
- Cre: 正常〜軽度上昇
- BUN/Cre比: 著明に上昇(30〜50以上)
- Hb、Ht: 低下(貧血)
- 黒色便、吐血
看護のポイント バイタルサインの監視(ショックの早期発見)、輸血の準備、内視鏡検査の準備を行います。便の性状観察、Hb・Htの推移をモニタリングします。
肝不全
典型的なパターン
- BUN: 低下(5〜10 mg/dL)
- Alb: 著明な低下
- アンモニア: 上昇
- ビリルビン: 上昇
- 意識障害(肝性脳症)
看護のポイント 肝性脳症の予防と早期発見が重要です。意識レベルの観察、アンモニア産生を抑える治療(ラクツロース投与など)、蛋白制限食の提供を行います。
まとめ
BUNは腎機能を評価する基本的な検査ですが、腎機能以外の要因(脱水、蛋白摂取、消化管出血など)でも変動しやすいという特徴があります。そのため、必ずクレアチニン(Cre)と併せて評価し、BUN/Cre比を活用することが重要です。
看護アセスメントで押さえるべきポイントは以下の通りです。
- 必ずCreと一緒に評価する(BUN単独では判断しない)
- BUN/Cre比で原因を鑑別する(腎前性、腎性、腎後性)
- 尿量のモニタリングを徹底する(腎機能の最も重要な指標)
- 尿毒症症状の観察を行う(悪心・嘔吐、意識障害、掻痒感)
- 脱水と腎不全を鑑別する(輸液で改善するかを見極める)
- 消化管出血の早期発見に役立てる(BUNの急上昇に注目)
- 透析導入のタイミングを見極める(BUN 80 mg/dL以上が一つの目安)
実習では、「BUNが高い=腎臓が悪い」と単純に考えず、なぜ高いのか、他の検査データとの整合性はあるか、症状との関連はどうかという視点でアセスメントすることが大切です。
腎不全患者では、BUNの上昇により悪心・嘔吐、食欲不振、掻痒感など、様々な苦痛症状が出現します。検査データを正しく評価し、適切な食事療法、水分管理、症状緩和のケアを提供することで、患者さんのQOL向上を支援していきましょう。
また、BUNは脱水の早期発見、消化管出血の早期発見にも役立つ重要な指標です。日々の観察と検査データを組み合わせることで、患者さんの状態変化を見逃さず、適切なケアを提供していきましょう。
免責事項
本記事は看護学生向けの教育・学習目的の情報提供です。一般的な医学知識の解説であり、個別の患者への診断・治療の根拠ではありません。実際の看護実践は、患者の個別性を考慮し、指導者の指導のもと行ってください。記事の情報は公開時点のものであり、最新の医学的知見と異なる場合があります。本記事を課題としてそのまま提出しないでください。正確な情報提供に努めていますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。検査値の解釈や対応については、必ず医師の判断を仰いでください。


コメント