本記事では、看護師の思考プロセスを詳しく解説します。
実際の臨床では患者さんごとに状況が異なりますが、「わたしならどう考えるか」を具体的に示すことで、あなた自身の考える力を育てることを目指します。
この記事を参考に思考プロセスを学び、看護過程が得意になってもらえたら嬉しいです。
それでは、見ていきましょう。
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免責事項
本記事は教育・学習目的の情報提供です。事例は完全なフィクションであり、個別の診断・治療の根拠ではありません。実際の看護実践は患者の個別性を考慮し、指導者の指導のもと行ってください。本記事をそのまま課題として提出しないでください。内容の完全性・正確性は保証できず、本記事の利用により生じた損害について一切の責任を負いません。
今回の情報
基本情報
A氏、87歳、男性、身長158cm、体重52kg。家族構成は長男夫婦と孫2人の4人家族で、キーパーソンは長男である。職業は元会社員で定年退職後は自宅で趣味の園芸を楽しんでいた。性格は温厚で几帳面、人との関わりを大切にする。感染症はなし、アレルギーはなし。認知力はMMSE 24点でやや低下がみられるが、日常会話は可能で自分の意思を伝えることができる。時折、日付や曜日の見当識障害がみられる。
病名
慢性心不全(NYHA分類Ⅲ度)、陳旧性心筋梗塞、高血圧症、慢性腎臓病(ステージ3b)
既往歴と治療状況
65歳時に急性心筋梗塞を発症し経皮的冠動脈形成術を施行、その後は内服治療を継続していた。75歳時に慢性心不全の診断を受け、利尿薬や降圧薬による薬物療法を開始した。80歳時に慢性腎臓病と診断され、食事療法と薬物療法を継続している。今年9月中旬に自宅で呼吸困難と下腿浮腫が出現し、心不全の増悪により2週間入院加療を受けた。退院後は在宅での療養を試みたが、独居生活が困難となり家族と相談の上、10月15日に介護老人保健施設へ入所となった。
入院から現在までの情報
入所時は労作時の息切れが強く、ベッド上で過ごすことが多かった。SpO2は室内気で88~90%と低値であったため、入所当日から鼻カニューレで酸素1L/分の投与を開始した。入所3日目から理学療法士によるリハビリテーションを開始し、徐々に離床時間を延ばしている。入所1週間後からは食堂での食事摂取が可能となり、他の入所者との交流も見られるようになった。現在は酸素療法を継続しながら日中は車椅子で過ごし、食堂での食事や簡単なレクリエーション活動に参加している。夜間は時折、呼吸困難感を訴えることがあり、ベッドアップで対応している。下腿浮腫は入所時より軽減しているが、足背に軽度の圧痕性浮腫が残存している。
バイタルサイン
入所時のバイタルサインは、体温36.2℃、血圧148/88mmHg、脈拍92回/分・不整、呼吸数24回/分、SpO2 88%(室内気)であった。現在のバイタルサインは、体温36.5℃、血圧132/76mmHg、脈拍78回/分・不整、呼吸数18回/分、SpO2 94%(酸素1L/分)である。脈拍は心房細動による不整脈が継続している。
食事と嚥下状態
入所前の自宅では通常食を摂取していたが、食欲不振により摂取量は少なかった。現在は心不全に配慮した塩分制限食(1日6g未満)とタンパク質調整食(1日50g程度)を提供しており、1日1600kcalの食事を7割程度摂取している。嚥下機能は保たれており、むせ込みや誤嚥のエピソードはない。水分は1日1000ml程度に制限している。食事形態は常食で、ゆっくりとしたペースで摂取できている。喫煙歴は40年間1日20本あったが15年前に禁煙、飲酒は機会飲酒程度で現在はなし。
排泄
入所前は自宅のトイレで排泄していたが、夜間はポータブルトイレを使用していた。現在は日中はトイレ歩行介助で排泄、夜間はポータブルトイレを使用している。排便は2~3日に1回で、やや硬めの便である。下剤は酸化マグネシウムを定期内服しており、必要時にセンノシドを追加している。排尿は1日5~6回程度で、夜間は2~3回起きる。尿量は利尿薬の効果により1日1200ml程度である。残尿感や排尿困難はない。
睡眠
入所前は自宅で22時頃就寝し6時頃起床していたが、夜間の呼吸困難により目が覚めることが週に2~3回あった。現在は21時頃就寝し6時頃起床しているが、夜間排尿で2~3回覚醒する。呼吸困難による覚醒は週に1回程度に減少している。睡眠の質については「以前よりは眠れるようになった」と話している。眠剤は使用していない。日中は昼食後に1時間程度の午睡をとっている。
視力・聴力・知覚・コミュニケーション・信仰
視力は加齢による低下があり、老眼鏡を使用して新聞を読むことができる。聴力は軽度低下しているが、通常の会話は可能である。知覚は正常で、しびれや痛みの訴えはない。コミュニケーションは良好で、ゆっくりとした口調で自分の思いを伝えることができる。時折、日付や曜日があいまいになることがあるが、見当識訓練により改善傾向にある。信仰は仏教で、月に1回程度家族が面会時に仏壇の写真を持参することを楽しみにしている。
動作状況
歩行は酸素カニューレを装着した状態で歩行器を使用し、10m程度の短距離歩行が可能である。長距離移動や外出時は車椅子を使用している。移乗はベッドから車椅子への移乗が見守りで可能、トイレへの移乗も手すりを使用して見守りで可能である。排尿と排泄は上記の通り、日中はトイレ歩行介助、夜間はポータブルトイレを使用している。入浴は週2回の機械浴で全介助、酸素療法を継続しながら実施している。衣類の着脱は上衣は自立、下衣は見守りで可能である。転倒歴は入所後はないが、入所前の自宅で1回転倒したことがある。
内服中の薬
- フロセミド錠40mg:1日1回朝食後(利尿薬)
- スピロノラクトン錠25mg:1日1回朝食後(抗アルドステロン薬)
- エナラプリルマレイン酸塩錠5mg:1日1回朝食後(ACE阻害薬)
- ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg:1日1回朝食後(β遮断薬)
- アムロジピンベシル酸塩錠5mg:1日1回朝食後(カルシウム拮抗薬)
- ワルファリンカリウム錠2mg:1日1回夕食後(抗凝固薬)
- 酸化マグネシウム錠330mg:1日3回毎食後(緩下剤)
- レバミピド錠100mg:1日3回毎食後(胃粘膜保護薬)
検査データ
| 項目 | 入所時 | 現在(11月8日) | 基準値 |
|---|---|---|---|
| WBC | 6800 /μL | 6200 /μL | 3300-8600 |
| RBC | 398 万/μL | 412 万/μL | 435-555 |
| Hb | 10.2 g/dL | 10.8 g/dL | 13.7-16.8 |
| Ht | 32.1 % | 33.5 % | 40.7-50.1 |
| Plt | 18.2 万/μL | 19.5 万/μL | 15.8-34.8 |
| TP | 6.5 g/dL | 6.8 g/dL | 6.6-8.1 |
| Alb | 3.2 g/dL | 3.5 g/dL | 4.1-5.1 |
| BUN | 28.5 mg/dL | 25.2 mg/dL | 8-20 |
| Cr | 1.8 mg/dL | 1.7 mg/dL | 0.65-1.07 |
| eGFR | 28 mL/分/1.73m² | 30 mL/分/1.73m² | 60以上 |
| Na | 138 mEq/L | 140 mEq/L | 138-145 |
| K | 4.2 mEq/L | 4.0 mEq/L | 3.6-4.8 |
| Cl | 102 mEq/L | 103 mEq/L | 101-108 |
| BNP | 580 pg/mL | 420 pg/mL | 18.4以下 |
| PT-INR | 2.1 | 2.0 | 0.9-1.1 |
服薬は看護師が管理し、毎食後に看護師が配薬し内服確認を行っている。
今後の治療方針と医師の指示
酸素療法を継続しながら心不全の状態を安定させることを目標とし、利尿薬による体液管理と塩分・水分制限を継続する。定期的にBNP値と腎機能をモニタリングし、心不全の増悪徴候に注意する。リハビリテーションは理学療法士と連携し、過度な負荷をかけないよう配慮しながら徐々に活動範囲を拡大していく。酸素流量は状態に応じて調整し、SpO2 92%以上を維持することを目標とする。感染予防のため、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種を検討する。栄養状態の改善のため、管理栄養士と連携し食事摂取量の増加を図る。
本人と家族の想いと言動
A氏は「息苦しさは以前よりましになったが、酸素のチューブが邪魔で動きにくい」「もう少し元気になったら、施設の庭を散歩してみたい」と話している。また「家族には迷惑をかけて申し訳ない。でもここの職員さんは優しくしてくれるから安心している」と施設での生活に前向きな発言がみられる。長男は週1回面会に訪れ、「父は一人暮らしが難しくなり施設に入ることになったが、ここで穏やかに過ごせているようで安心している」「できるだけ長く元気でいてほしい。私たちも面会に来るので、父が楽しく過ごせるようサポートしてほしい」と話している。長男の妻は「お義父さんは真面目な性格なので、リハビリも頑張りすぎないか心配している。無理のない範囲で活動してほしい」と気遣う言葉がみられる。
ゴードン11項目アセスメント解説
1. 健康知覚-健康管理パターンのポイント
健康知覚-健康管理パターンでは、患者が自身の健康状態をどのように認識し、どのような健康管理行動をとってきたか、また疾患や治療に対する理解と受け止め方を評価します。特に慢性疾患を持つ高齢者の場合、長年の疾患管理経験と現在の療養環境への適応、家族のサポート体制を含めて総合的に捉えることが重要です。
どんなことを書けばよいか
健康知覚-健康管理パターンでは、以下のような視点からアセスメントを行います。
- 疾患についての本人・家族の理解度(病態、治療、予後など)
- 疾患や治療に対する受け止め方、受容の程度
- 現在の健康状態や症状の認識
- これまでの健康管理行動(受診行動、服薬管理、生活習慣など)
- 疾患が日常生活に与えている影響の認識
- 健康リスク因子(喫煙、飲酒、アレルギー、既往歴など)
長期にわたる疾患管理の経験
A氏は65歳時に急性心筋梗塞を発症し経皮的冠動脈形成術を受けてから22年間、75歳時に慢性心不全と診断されてから12年間、継続的に内服治療を続けてきた経緯があります。この長い疾患管理の期間は、A氏が医療者の指示に従い治療を継続してきたことを示しており、疾患管理への意識や服薬アドヒアランスを評価する上で重要な情報となります。また80歳時の慢性腎臓病診断後も食事療法と薬物療法を継続している点を踏まえて、複数の慢性疾患を抱えながらも治療を中断せずに管理してきた姿勢を評価するとよいでしょう。
症状の認識と施設療養への適応
A氏は「息苦しさは以前よりましになった」と自身の症状改善を認識しており、これは心不全症状に対する自覚があることを示しています。一方で「酸素のチューブが邪魔で動きにくい」という発言からは、酸素療法の必要性は理解しながらも日常生活動作における不便さを感じている様子が読み取れます。また「もう少し元気になったら、施設の庭を散歩してみたい」という前向きな発言は、回復への期待と活動意欲を持っていることを示しており、療養に対する積極的な姿勢として捉えることができます。これらの発言を踏まえて、A氏が自身の健康状態をどのように認識し、今後の療養生活にどのような期待を持っているかをアセスメントするとよいでしょう。
家族の関わりと健康管理に対する認識
「家族には迷惑をかけて申し訳ない」というA氏の言葉は、独居生活が困難となり施設入所に至った経緯を家族への負担として認識していることを示しています。同時に「ここの職員さんは優しくしてくれるから安心している」という発言からは、施設での療養環境を受け入れ、医療者への信頼を持っていることが読み取れます。長男が週1回面会に訪れ「父が楽しく過ごせるようサポートしてほしい」と話している点、長男の妻が「リハビリも頑張りすぎないか心配」と気遣う言葉を述べている点を踏まえて、家族がA氏の健康管理に関心を持ち、適切な療養を望んでいることをアセスメントに含めるとよいでしょう。
健康リスク因子と生活習慣の変化
喫煙歴は40年間1日20本という長期にわたるものでしたが、15年前に禁煙しており、健康リスクを認識して行動変容を図った経験があることを示しています。飲酒は機会飲酒程度で現在はなしという点も、健康管理への意識を反映していると考えられます。これらの生活習慣の改善経験は、今後の療養生活における指導や支援を計画する際の強みとして捉えることができます。一方で、入所前の自宅での食欲不振や摂取量の少なさ、9月中旬の心不全増悪による入院という経緯を踏まえて、在宅での健康管理にどのような課題があったのかを考察するとよいでしょう。
アセスメントの視点
A氏の健康知覚-健康管理パターンを評価する際は、長年の疾患管理経験と現在の施設療養への適応状況を統合的に捉えることが重要です。22年間にわたる心疾患の管理経験は、疾患や治療に対する一定の理解があることを示唆していますが、一方で9月の心不全増悪に至った経緯から、在宅での自己管理には課題があった可能性も考慮する必要があります。MMSE24点という軽度認知機能低下と時折みられる見当識障害が、疾患管理や服薬管理にどの程度影響しているかも重要な評価ポイントとなります。また、家族の関わりや施設職員への信頼が療養環境への適応を支えている点を踏まえて、A氏の健康管理を支える要因と課題を明確にすることが大切です。
ケアの方向性
A氏の健康知覚-健康管理を支援するためには、まず本人が疾患や治療についてどの程度理解しているかを確認し、必要に応じて繰り返し説明を行うことが重要です。特に認知機能の軽度低下がある点を考慮し、理解しやすい言葉で短時間に分けて説明する工夫が求められます。また「もう少し元気になったら散歩したい」という前向きな気持ちを活かし、段階的な活動拡大の目標を共有することで、療養への意欲を維持することができます。家族との連携も重要であり、週1回の面会時に本人の状態や今後の方針を共有し、家族の心配事にも対応することで、本人・家族双方が安心して療養生活を送れるよう支援する必要があります。
2. 栄養-代謝パターンのポイント
栄養-代謝パターンでは、食事と水分の摂取状況、栄養状態を示す身体計測値や検査データ、嚥下機能や皮膚の状態などを総合的に評価します。特に心不全や腎機能障害を持つ患者の場合、塩分・水分・タンパク質の制限が必要となるため、これらの管理状況と栄養状態のバランスを注意深く観察することが重要です。
どんなことを書けばよいか
栄養-代謝パターンでは、以下のような視点からアセスメントを行います。
- 食事と水分の摂取量と摂取方法
- 食欲、嗜好、食事に関するアレルギー
- 身長・体重・BMI・必要栄養量・身体活動レベル
- 嚥下機能・口腔内の状態
- 嘔吐・吐気の有無
- 皮膚の状態、褥瘡の有無
- 栄養状態を示す血液データ(Alb、TP、RBC、Ht、Hb、Na、K、TG、TC、HbA1c、BSなど)
食事摂取状況と疾患に応じた食事療法
A氏は現在、心不全と慢性腎臓病に配慮した塩分制限食(1日6g未満)とタンパク質調整食(1日50g程度)を提供されており、1日1600kcalの食事を7割程度摂取しています。入所前の自宅では食欲不振により摂取量が少なかったという情報を踏まえて、現在の7割摂取が改善傾向にあるのか、あるいは依然として不十分なのかを評価することが重要です。また水分は1日1000ml程度に制限されており、心不全の体液管理として適切に実施されている点に着目するとよいでしょう。嚥下機能は保たれており、むせ込みや誤嚥のエピソードがないこと、食事形態は常食でゆっくりとしたペースで摂取できていることから、嚥下機能に関しては現時点で大きな問題がないことを確認しておくとよいでしょう。
身体計測値と栄養必要量
A氏の身長は158cm、体重は52kgで、BMIを計算すると約20.8となります。この値は標準的な範囲内ですが、87歳という高齢者であることを考慮すると、筋肉量の減少やサルコペニアのリスクも念頭に置く必要があります。1日1600kcalの食事設定が、A氏の身体活動レベルと必要栄養量に見合っているかを評価する際は、現在の活動量(日中は車椅子で過ごし、歩行器で10m程度の歩行が可能、リハビリテーションを実施中)を踏まえて考えるとよいでしょう。また入所時から体重の変動があるかどうかも、栄養状態の推移を評価する重要な指標となります。
栄養状態を示す検査データの評価
入所時から現在までの検査データの推移を見ると、TPは6.5→6.8g/dL、Albは3.2→3.5g/dLと改善傾向にありますが、依然として基準値(Alb4.1-5.1g/dL、TP6.6-8.1g/dL)を下回っており、低栄養状態が持続していることを示しています。貧血に関するデータも、RBC398→412万/μL、Hb10.2→10.8g/dL、Ht32.1→33.5%と改善傾向にあるものの、依然として基準値を下回っています。これらの改善傾向は入所後の食事摂取量の増加や適切な栄養管理の効果と考えられますが、まだ十分な改善には至っていない点を踏まえて、今後も継続的な栄養管理が必要であることをアセスメントに含めるとよいでしょう。電解質データではNa、K、Clは基準範囲内で安定しており、水分・塩分管理が適切に行われていることを示しています。
心不全管理における栄養代謝の意義
BNPは入所時580→現在420pg/mLと改善傾向にありますが、依然として基準値(18.4以下)を大きく上回っており、心不全状態が継続していることを示しています。この心負荷の軽減には、塩分・水分制限による体液管理が重要な役割を果たしています。下腿浮腫が入所時より軽減しているものの足背に軽度の圧痕性浮腫が残存している点を踏まえて、体液貯留がまだ完全には改善していないことを認識しておくとよいでしょう。利尿薬の効果により尿量は1日1200ml程度あり、水分制限1000mlとのバランスから体液量の管理が図られている状況を評価することが大切です。
皮膚の状態と褥瘡リスク
事例には皮膚の状態や褥瘡の有無についての具体的な記載はありませんが、入浴は週2回の機械浴で全介助という情報から、皮膚の観察機会が定期的に確保されていることが読み取れます。また低栄養状態(Alb3.5g/dL)と浮腫の残存は褥瘡発生のリスク因子となるため、圧迫を受けやすい部位の皮膚状態を継続的に観察する必要性を意識しておくとよいでしょう。日中は車椅子で過ごしているという活動状況も、同一体位による圧迫のリスクを評価する際の重要な情報となります。
アセスメントの視点
A氏の栄養-代謝パターンを評価する際は、心不全と慢性腎臓病という2つの疾患に対する食事療法の必要性と、低栄養状態の改善という相反する課題のバランスをどう取るかが重要なポイントとなります。塩分・水分・タンパク質の制限は心不全と腎機能の管理に必要ですが、一方で87歳という高齢者の栄養状態を維持・改善するためには十分なエネルギーとタンパク質の摂取も必要です。入所後の検査データが改善傾向にあることは、現在の栄養管理が一定の効果を上げていることを示していますが、依然として低栄養・貧血状態が持続している点を踏まえて、さらなる改善の余地があることを認識しておくとよいでしょう。食事摂取量が7割程度という点についても、残りの3割が摂取できない理由を探り、食欲や嗜好に配慮した工夫の可能性を検討することが大切です。
ケアの方向性
A氏の栄養-代謝状態を改善するためには、管理栄養士と連携し、疾患管理と栄養改善の両立を図る必要があります。食事摂取量を8割以上に増やすことを目標としながら、A氏の嗜好や食べやすい形態を把握し、個別性に配慮した食事提供を検討することが重要です。また食堂での食事や他の入所者との交流が食欲を促進する可能性があるため、これらの環境的要因を活用することも有効でしょう。検査データは改善傾向にありますが、今後も定期的にモニタリングを継続し、栄養状態の推移を評価していく必要があります。特にAlbの上昇とBNPの低下という2つの指標のバランスを見ながら、最適な栄養管理方針を調整していくことが求められます。
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