【ゴードン】白血病 化学療法の治療中(0037)

ゴードン

事例の要約

急性骨髄性白血病と診断され、化学療法による治療を受けているA氏。骨髄抑制により免疫力が著しく低下しており、感染予防対策の徹底と副作用のマネジメントが必要な事例。介入日は5月15日である。

基本情報

A氏、43歳、男性。身長172cm、体重63kg。妻と高校生の息子、中学生の娘の4人家族で暮らしており、キーパーソンは妻である。大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていた。几帳面で責任感が強く、家族思いな性格である。感染症の既往はなく、花粉症のアレルギーがある。認知機能に問題はなく、意思疎通は良好である。

病名

病名は急性骨髄性白血病(AML)M2型である。

既往歴と治療状況

既往歴として35歳時に虫垂炎で手術を受けた以外は特記すべき疾患はなかった。

入院から現在までの情報

入院から現在までの情報として、A氏は2週間前に持続する倦怠感と発熱、皮下出血を主訴に当院を受診した。血液検査で白血球数の異常と芽球の出現を認め、骨髄検査の結果、急性骨髄性白血病と診断された。寛解導入療法としてキロサイド(シタラビン)とダウノルビシンによる化学療法が開始され、現在は治療後10日目である。骨髄抑制期に入っており、白血球数は著しく低下している。

バイタルサイン

来院時のバイタルサインは、体温38.2℃、脈拍96回/分、血圧118/72mmHg、呼吸数20回/分、SpO2 97%(室内気)であった。

現在のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍84回/分、血圧110/65mmHg、呼吸数18回/分、SpO2 98%(室内気)である。化学療法の影響で口内炎が出現しており、軽度の疼痛を訴えている。

食事と嚥下状態

入院前の食事は1日3食規則正しく摂取していた。嚥下状態に問題はなく、喫煙歴はなし。飲酒は週に2〜3回、ビールを1〜2缶程度であった。現在は化学療法後の口内炎と吐き気により食事摂取量が減少している。嚥下機能は問題ないが、痛みによる摂食困難があり、高カロリー輸液による栄養補給を併用している。軟食を少量ずつ摂取している状態である。

排泄

入院前の排泄は1日1回の規則的な排便習慣があった。現在は化学療法の副作用と活動量低下により便秘傾向にある。最終排便は2日前で、現在は酸化マグネシウムを1日3回食後に内服している。排尿は自立しており回数や量に問題はない。

睡眠

入院前の睡眠は23時就寝、6時起床の規則正しいリズムであった。現在は治療への不安や病棟環境への適応により入眠困難を訴えることがあり、医師の指示でデパス0.5mgを頓用で使用することがある。使用頻度は週に2〜3回程度である。

視力・聴力・知覚・コミュニケーション・信仰

視力・聴力・知覚に問題はなく、コミュニケーションは良好である。特定の宗教的信仰はないが、家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強い。

動作状況

動作状況として、入院前はジョギングを趣味とするなど活動的な生活を送っていた。現在は化学療法による全身倦怠感と骨髄抑制期の感染予防のため安静度が制限されている。病室内の歩行と移乗は自立しているが、易疲労性があり、長時間の活動後には休息を要する。排尿・排泄は自立。入浴は感染予防のためシャワー浴に変更しており、看護師の見守りの下で週に2回実施している。衣類の着脱は自立しているが、動作がやや緩慢である。転倒歴はない。

内服中の薬
  • ロイナーゼ(L-アスパラギナーゼ)5000U/日 点滴静注
  • G-CSF(グラニュロサイトコロニー刺激因子)75μg/日 皮下注射 骨髄抑制回復促進のため
  • アロプリノール 300mg 1日1回 朝食後
  • アシクロビル 200mg 1日3回 食後 ウイルス感染予防
  • スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 1錠 1日2回 月・水・金 ニューモシスチス肺炎予防
  • 酸化マグネシウム 330mg 1日3回 食後 便秘予防
  • デパス 0.5mg 頓用 不眠時
  • 制吐剤(オンダンセトロン)4mg 1日3回 食前 化学療法による悪心・嘔吐対策

服薬状況は、感染リスクと薬剤の確実な投与のため全て看護師管理となっている。内服薬は看護師が配薬し、確実に内服できているか確認している。A氏は薬の作用と副作用について理解しており、服薬の重要性を認識している。

検査データ
検査項目入院時最近(治療後10日目)基準値
白血球数28,500/μL900/μL4,000-9,000/μL
好中球数2,000/μL200/μL1,800-6,500/μL
赤血球数2.68×10^6/μL2.45×10^6/μL4.2-5.6×10^6/μL
ヘモグロビン8.2g/dL7.9g/dL13.5-17.0g/dL
ヘマトクリット25.6%24.3%40-52%
血小板数65,000/μL22,000/μL150,000-350,000/μL
芽球45%検出されず0%
CRP3.8mg/dL0.8mg/dL0-0.3mg/dL
AST25U/L32U/L10-40U/L
ALT28U/L52U/L5-45U/L
LDH650U/L520U/L120-240U/L
BUN15mg/dL18mg/dL8-20mg/dL
Cre0.8mg/dL0.9mg/dL0.6-1.2mg/dL
Na138mEq/L140mEq/L135-145mEq/L
K4.0mEq/L3.8mEq/L3.5-5.0mEq/L
Cl102mEq/L104mEq/L98-108mEq/L
体温38.2℃37.1℃36.0-37.0℃
今後の治療方針と医師の指示

現在、A氏は第一寛解導入療法の骨髄抑制期にあり、骨髄機能の回復を待っている段階である。医師からは、今後骨髄検査を実施し、寛解が得られているか評価する予定と説明されている。寛解が得られた場合は、地固め療法として高用量シタラビン療法を3〜4コース実施する方針である。寛解が得られない場合は、サルベージ療法として他の化学療法レジメンを検討する。医師からは、厳重な感染予防対策の継続と、発熱時の迅速な報告が指示されている。また、輸血サポートとして、血小板数が20,000/μL以下、ヘモグロビン値が7.0g/dL以下になった場合は、それぞれ血小板輸血、赤血球輸血を行うよう指示が出ている。栄養状態の改善と副作用管理のため、栄養サポートチーム(NST)の介入も依頼されている。

本人と家族の想いと言動

妻は毎日面会に訪れ、A氏の精神的支えとなっている。「子どもたちのためにも必ず治してほしい」と医療者に訴えており、A氏の前では明るく振る舞うよう努めているが、看護師に対しては「夫の状態が悪くなるのではないかと眠れない日がある」と不安を打ち明けている。子どもたちには白血病という診断名は伝えているが、詳しい説明はしていないとのことである。家族全体として、A氏の回復を第一に考え、治療に協力的な姿勢を示している。


アセスメント

疾患の簡単な説明

A氏は急性骨髄性白血病(AML)M2型と診断された43歳の男性である。急性骨髄性白血病は骨髄内の造血幹細胞に異常が生じ、未熟な白血球(芽球)が増殖する血液悪性腫瘍であり、正常な血球産生が抑制される疾患である。M2型はFAB分類における分類で、骨髄芽球の分化傾向がある型とされている。

健康状態

入院前は健康な生活を送っていたが、2週間前から倦怠感、発熱、皮下出血が出現し急速に健康状態が悪化した。現在は寛解導入療法としてキロサイド(シタラビン)とダウノルビシンによる化学療法を開始し、治療後10日目で骨髄抑制期にある。白血球数は著しく低下しており(900/μL、基準値:4,000-9,000/μL)、好中球数も200/μLと著明に減少(基準値:1,800-6,500/μL)している。このため感染リスクが非常に高い状態である。また貧血(ヘモグロビン7.9g/dL、基準値:13.5-17.0g/dL)と血小板減少(22,000/μL、基準値:150,000-350,000/μL)も認められ、出血傾向もあることから全身状態は不良である。

受診行動、疾患や治療への理解、服薬状況

持続する倦怠感と発熱、皮下出血という急性白血病に特徴的な症状を自覚し、早期に医療機関を受診している。このことから、体調の変化に対する感度が高く、適切な判断ができる人物であることが推察される。疾患や治療への理解については、几帳面で責任感が強い性格であることから、医師からの説明を理解し、治療に対する認識を持っていると考えられる。しかし、急性白血病という生命を脅かす疾患の診断を受け、今後の治療経過や予後への不安を抱えていることも想定される。家族、特に子どもたちには詳細な説明をしていないことから、病気の受容過程にある可能性がある。

服薬状況は、感染リスクと薬剤の確実な投与のため全て看護師管理となっており、薬の作用と副作用について理解し、服薬の重要性を認識している。ロイナーゼ、G-CSF、アロプリノール、アシクロビル、ST合剤、酸化マグネシウム、デパス(頓用)、制吐剤を内服中である。特に抗生物質と抗ウイルス薬は感染予防に、G-CSFは骨髄抑制からの回復促進に、制吐剤は悪心・嘔吐対策として重要である。

身長、体重、BMI、運動習慣

身長172cm、体重63kgであり、BMIは21.3kg/m²と標準体重範囲内である。43歳という年齢を考慮すると、現時点では加齢による著しい影響は少ないと考えられる。運動習慣については、入院前はジョギングを趣味とするなど活動的な生活を送っていたことから、健康維持への意識が高かったことが窺える。現在は化学療法による全身倦怠感と骨髄抑制期の感染予防のため安静度が制限されており、易疲労性がある。

呼吸に関するアレルギー、飲酒、喫煙の有無

呼吸に関するアレルギーの情報はないが、花粉症のアレルギーがあることから、気道過敏性の可能性も考慮する必要がある。飲酒は週に2~3回、ビールを1~2缶程度と適度な量であった。喫煙歴はなく、呼吸器系への直接的な悪影響は少ないと考えられる。

既往歴

35歳時の虫垂炎で手術を受けた以外は特記すべき疾患はなかった。日常的な健康管理が適切に行われていたことが推測される。

健康管理上の課題と看護介入

第一に感染予防対策の徹底が挙げられる。好中球数が著しく低下しているため、厳重な感染予防策を講じる必要がある。具体的には、手指衛生の徹底、環境整備、面会制限、食事の管理(加熱食の提供)などが重要である。発熱や感染徴候の早期発見のためのバイタルサインの定期的な観察や、A氏自身による自己観察の教育も重要である。

第二に、出血予防と早期発見が課題である。血小板数が22,000/μLと低値であり、皮下出血のリスクがあるため、転倒予防や皮膚の保護、出血徴候の観察が必要である。血小板数が20,000/μL以下になった場合は医師の指示に従い、血小板輸血の準備を行う。

第三に、口腔内粘膜障害の管理が課題である。化学療法の影響で口内炎が出現しており、軽度の疼痛を訴えているため、口腔ケアの方法指導や疼痛管理、食事形態の工夫が必要である。栄養状態の改善と副作用管理のため、栄養サポートチーム(NST)と連携した介入が望ましい。

第四に、心理的サポートが重要である。A氏は家族思いな性格であり、子どもたちのことを心配していると考えられる。また、急性白血病という診断を受け、予後への不安を抱えている可能性が高い。定期的な声かけや傾聴を行い、不安や心配事を表出できる環境を整える必要がある。また、妻も不安を抱えているため、家族を含めた心理的サポートも重要である。

観察を続けるべき点としては、骨髄抑制からの回復状況(血液検査値の変化)、感染徴候(発熱、炎症反応の上昇など)、出血傾向(皮下出血、粘膜出血など)、薬剤の副作用(肝機能障害、腎機能障害など)、栄養状態(食事摂取量、体重変化など)、精神状態(不安、抑うつ症状など)が挙げられる。また、今後の地固め療法に向けて、A氏と家族の理解度や受け入れ状況も継続的に評価する必要がある。

情報収集が必要な点としては、A氏の病気に対する認識や受容の程度、家族(特に子どもたち)との関係性や病気に関する説明の希望、職場との調整状況、経済的な問題の有無などが挙げられる。これらの情報を基に、より個別性の高い看護計画を立案することが求められる。

食事と水分の摂取量と摂取方法

A氏は入院前は1日3食、規則正しく食事を摂取していた。現在は寛解導入療法後の骨髄抑制期にあり、化学療法の副作用による口内炎と吐き気のため食事摂取量が減少している。食事は軟食を少量ずつ摂取している状態であり、栄養状態の低下が懸念される。栄養補給は経口摂取に加えて高カロリー輸液による補助が行われている。水分摂取量に関する詳細な情報はないため、経口からの水分摂取量や輸液による水分補給量についての情報収集が必要である。

好きな食べ物/食事に関するアレルギー

好きな食べ物に関する情報は得られていないが、食事に関するアレルギーは記載されていない。ただし、花粉症のアレルギーがあることから、交差反応による食物アレルギーの可能性も考慮する必要がある。好みの食事や嗜好に関する情報を収集し、少量でも摂取可能な食事の提供について検討する必要がある。

身長・体重・BMI・必要栄養量・身体活動レベル

身長172cm、体重63kgであり、BMIは21.3kg/m²と標準体重範囲内である。必要栄養量については、基礎代謝量(BMR)を Harris-Benedict の式を用いて算出すると約1,500kcal/日となる。A氏は43歳の男性であり、入院前は活動的な生活を送っていたことから、通常時の必要エネルギー量は約2,200-2,500kcal/日と推定される。しかし現在は化学療法後の骨髄抑制期にあり、安静度が制限されているため、活動量は低下している。一方で、急性骨髄性白血病や化学療法による代謝亢進の可能性もあるため、現状では1,800-2,000kcal/日程度のエネルギー摂取が必要と考えられる。タンパク質については、組織修復や免疫機能の維持のために1.2-1.5g/kg/日(約75-95g/日)が望ましい。

食欲・嚥下機能・口腔内の状態

食欲は化学療法後の口内炎と吐き気により低下している。嚥下機能自体に問題はないが、口内炎による痛みが摂食を困難にしている。口腔内の状態としては、化学療法の副作用として口内炎が出現しており、軽度の疼痛を訴えている。口腔粘膜障害の程度や範囲、口腔内の乾燥の有無などの詳細な情報収集が必要である。

嘔吐・吐気

化学療法の副作用として吐き気があり、制吐剤(オンダンセトロン)4mgを1日3回食前に内服している。嘔吐の有無や頻度、程度に関する詳細な情報は記載されていないため、これらの情報収集が必要である。吐き気は経口摂取量の減少に直接関連する重要な症状であるため、詳細な評価と適切な対応が求められる。

皮膚の状態、褥創の有無

皮膚の状態に関しては、入院時に皮下出血が認められていたが、現在の皮膚状態に関する詳細な情報は不足している。血小板数が22,000/μLと低値であり、出血傾向があるため、皮下出血や粘膜出血の有無について注意深く観察する必要がある。また、化学療法による皮膚障害(皮膚乾燥、発疹など)の有無も確認が必要である。褥創については情報がないが、活動量が低下していることから、褥創リスクの評価が必要である。

血液データ(Alb、TP、RBC、Ht、Hb、Na.K、TG、TC、HbA1C、BS)

提供されている血液データは限られており、赤血球数2.45×10^6/μL(基準値:4.2-5.6×10^6/μL)、ヘモグロビン7.9g/dL(基準値:13.5-17.0g/dL)、ヘマトクリット24.3%(基準値:40-52%)と貧血の状態にある。Na 140mEq/L(基準値:135-145mEq/L)、K 3.8mEq/L(基準値:3.5-5.0mEq/L)、Cl 104mEq/L(基準値:98-108mEq/L)と電解質は正常範囲内である。Alb、TP、TG、TC、HbA1C、BSについての情報は不足しているため、栄養状態の詳細な評価のためにこれらの検査値の確認が必要である。特にAlbは栄養状態の指標として重要であり、化学療法による消耗状態や食事摂取量の減少により低下している可能性がある。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、口内炎による疼痛管理と経口摂取の促進である。口腔内の定期的な観察とアセスメント、適切な口腔ケア方法の指導が重要である。疼痛が強い場合は、医師と相談の上で局所麻酔薬含有の含嗽液や鎮痛剤の使用を検討する。食事は痛みを増強させない軟らかい食形態を選択し、熱すぎず冷たすぎない温度のものを小分けにして提供することが望ましい。

第二の課題は、化学療法に伴う悪心・嘔吐の管理である。制吐剤の効果を評価し、必要に応じて医師と相談の上で投与時間や薬剤の調整を行う。食事は少量頻回に分けて提供し、匂いの強い食品や刺激物を避けるなどの工夫が必要である。

第三の課題は、栄養状態の維持・改善である。高カロリー輸液による栄養補給を継続しながら、経口摂取を徐々に増やしていくための支援が必要である。栄養サポートチーム(NST)と連携し、A氏の嗜好や希望を考慮した食事内容の検討、必要に応じて栄養補助食品の活用も考慮する。また、体重や食事摂取量の定期的なモニタリング、血液検査値(特にAlb、TP)の確認を行い、栄養状態の変化を評価する必要がある。

第四の課題は、貧血と出血傾向への対応である。医師の指示に従い、ヘモグロビン値が7.0g/dL以下になった場合は赤血球輸血を実施し、血小板数が20,000/μL以下になった場合は血小板輸血を行う。また、出血徴候(皮下出血、口腔内出血、消化管出血など)の早期発見のための注意深い観察が必要である。

観察を続けるべき点としては、口腔内の状態(口内炎の程度と範囲、疼痛の変化)、消化器症状(悪心・嘔吐の頻度と程度)、食事・水分摂取量体重変化皮膚の状態(出血傾向、皮膚障害)、血液検査値の推移(特に貧血の進行と栄養状態に関わる値)が挙げられる。また、骨髄抑制からの回復に伴い、食欲や全身状態の改善が期待されるため、その変化も注意深く観察する必要がある。

情報収集が必要な点としては、詳細な栄養摂取状況(食事内容、摂取量、水分摂取量)、A氏の食事に対する嗜好や希望、口内炎や吐き気に対する対処法の効果、栄養状態を反映する血液データ(Alb、TP)などが挙げられる。これらの情報を基に、より個別的な栄養サポート計画を立案することが求められる。

排便と排尿の回数と量と性状

A氏は入院前は1日1回の規則的な排便習慣があった。現在は化学療法の副作用と活動量低下により便秘傾向にあり、最終排便は2日前である。排便の性状や量に関する詳細な情報は不足しているため、追加の情報収集が必要である。排尿に関しては、自立しており回数や量に問題はないと記載されている。ただし、尿の色調や性状についての具体的な情報が不足しているため、血球減少に伴う血尿の有無や、化学療法による尿の色調変化などについても確認が必要である。

下剤使用の有無

現在は便秘傾向に対して酸化マグネシウム330mgを1日3回食後に内服している。下剤の効果についての情報は記載されていないため、酸化マグネシウム内服後の排便状況や便性状の変化について情報収集が必要である。また、必要に応じて緩下剤の種類や用量の調整を検討すべきである。

in-outバランス

in-outバランスに関する具体的な情報は記載されていない。現在は高カロリー輸液による栄養補給を行っているとの記載があるが、輸液の種類や量、経口摂取量、尿量などの詳細な情報収集が必要である。A氏は化学療法後の骨髄抑制期にあり、感染予防のため十分な水分摂取が重要である一方、腎臓への負担や電解質バランスにも注意が必要である。また、悪心・嘔吐がある場合は脱水のリスクも考慮すべきである。

排泄に関連した食事・水分摂取状況

食事に関しては、化学療法後の口内炎と吐き気により摂取量が減少している。軟食を少量ずつ摂取している状態であり、高カロリー輸液による栄養補給を併用している。水分摂取量に関する具体的な情報は不足しているが、口内炎による疼痛や悪心・嘔吐のため十分な水分摂取ができていない可能性がある。食物繊維の摂取状況なども含め、便秘改善に向けた食事内容の検討が必要である。

安静度・バルーンカテーテルの有無

安静度は、化学療法による全身倦怠感と骨髄抑制期の感染予防のため制限されている。病室内の歩行と移乗は自立しているが、易疲労性があり、長時間の活動後には休息を要する状態である。バルーンカテーテルの使用に関する情報は記載されていないが、排尿は自立しているとの記載から、バルーンカテーテルは使用していないと推測される。活動制限による排便困難のリスクはあるが、トイレでの排泄は可能な状態と考えられる。

腹部膨満・腸蠕動音

腹部膨満や腸蠕動音に関する情報は記載されていない。便秘傾向にあることから、腹部膨満感や腸蠕動音の減弱が生じている可能性があるため、これらの情報収集が必要である。また、化学療法による消化管粘膜障害のリスクもあるため、腹痛の有無や程度についても確認すべきである。

血液データ(BUN、Cr、GFR)

提供されている血液データによると、BUNは18mg/dL(基準値:8-20mg/dL)、Crは0.9mg/dL(基準値:0.6-1.2mg/dL)であり、いずれも正常範囲内である。GFRに関する情報は記載されていないが、Crが正常範囲内であることから現時点での腎機能低下は顕著ではないと推測される。ただし、化学療法による腎毒性のリスクや、骨髄抑制期の感染症併発による腎機能への影響も考慮し、腎機能の定期的な評価が必要である。また、電解質バランスについては、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 104mEq/Lといずれも正常範囲内である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、便秘の改善と予防である。化学療法の副作用と活動量の低下により便秘傾向にあるため、適切な排便コントロールが必要である。現在使用している酸化マグネシウムの効果を評価し、必要に応じて用量調整や他の緩下剤の併用を医師と相談する。また、可能な範囲での活動量の確保、腹部マッサージや温罨法の実施、排便習慣の確立(毎日同じ時間にトイレに座るなど)も効果的である。食事面では、水分摂取の促進と可能であれば食物繊維の摂取増加を図る。

第二の課題は、適切な水分バランスの維持である。化学療法による悪心・嘔吐や口内炎による疼痛のため経口摂取が制限されている状況で、脱水と過剰輸液のリスクのバランスを取る必要がある。輸液量と尿量のバランス、体重変化、浮腫の有無、電解質バランスなどを定期的に評価し、適切な水分管理を行う。また、経口摂取可能な範囲で水分摂取を促進する工夫も必要である。

第三の課題は、腎機能の保護である。現時点では腎機能は保たれているが、化学療法による腎毒性のリスクや感染症併発時の腎機能悪化のリスクがある。定期的な腎機能検査(BUN、Cr)の実施と結果の評価、尿量や尿性状の観察、適切な水分バランスの維持が重要である。また、腎毒性のある薬剤の併用には注意が必要である。

観察を続けるべき点としては、排便状況(頻度、量、性状)、排尿状況(回数、量、色調、混濁の有無)、腹部状態(膨満感、腸蠕動音、腹痛の有無)、水分バランス(摂取量、排泄量、体重変化、浮腫の有無)、血液検査値(BUN、Cr、電解質)の推移が挙げられる。また、化学療法の進行に伴う消化器症状の変化や、骨髄抑制期の感染症リスクなども注意深く観察する必要がある。

情報収集が必要な点としては、より詳細な排便・排尿の状況(性状、量、回数の変化)、腹部の状態(膨満感、蠕動音、不快感の有無)、水分摂取量と尿量のバランス、下剤使用後の効果、食事摂取状況(特に水分と食物繊維)などが挙げられる。これらの情報を基に、より個別的な排泄ケア計画を立案することが求められる。

ADLの状況、運動機能、運動歴、安静度、移動/移乗方法

A氏は入院前は日常生活動作(ADL)が自立しており、ジョギングを趣味とするなど活動的な生活を送っていた。このことから、運動機能に問題はなく、体力維持のための運動習慣が確立されていたことがわかる。しかし現在は、急性骨髄性白血病に対する寛解導入療法後10日目であり、骨髄抑制期にあるため安静度が制限されている。病室内の歩行と移乗は自立しているが、易疲労性があり、長時間の活動後には休息を要する状態である。排泄は自立しており、衣類の着脱も自立しているが、動作がやや緩慢である。入浴は感染予防のためシャワー浴に変更しており、看護師の見守りの下で週に2回実施している。転倒歴はない。化学療法による全身倦怠感と骨髄抑制に伴う感染予防のための活動制限により、以前のような活動レベルを維持することが困難な状況にある。

バイタルサイン、呼吸機能

来院時のバイタルサインは、体温38.2℃、脈拍96回/分、血圧118/72mmHg、呼吸数20回/分、SpO2 97%(室内気)であった。これは白血病による発熱と考えられ、軽度の頻脈と頻呼吸が認められていた。現在のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍84回/分、血圧110/65mmHg、呼吸数18回/分、SpO2 98%(室内気)であり、治療の効果により体温が正常化し、脈拍や呼吸数も改善している。呼吸機能に関する詳細な情報は不足しているが、SpO2値が良好であり、呼吸数も正常範囲内であることから、現時点での呼吸機能障害は顕著ではないと推測される。ただし、骨髄抑制期における呼吸器感染症のリスクは高く、呼吸状態の注意深い観察が必要である。

職業、住居環境

A氏は大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていた。システムエンジニアは主にデスクワークが中心であり、身体的負荷は少ないが、精神的ストレスや長時間労働のリスクがある職業である。住居環境については詳細な情報が不足しているが、妻と高校生の息子、中学生の娘の4人家族で暮らしていることから、家族のサポートが得られる環境であると推測される。自宅の構造や設備、退院後の生活環境に関する情報収集が必要である。特に、退院後の感染予防や体力回復のための環境調整について検討する必要がある。

血液データ(RBC、Hb、Ht、CRP)

現在(治療後10日目)の血液データは、赤血球数(RBC)2.45×10^6/μL(基準値:4.2-5.6×10^6/μL)、ヘモグロビン(Hb)7.9g/dL(基準値:13.5-17.0g/dL)、ヘマトクリット(Ht)24.3%(基準値:40-52%)であり、中等度の貧血状態にある。これは白血病自体の影響と化学療法による骨髄抑制の結果であり、身体活動時の易疲労性や息切れの原因となっている。CRPは0.8mg/dL(基準値:0-0.3mg/dL)とやや上昇しており、軽度の炎症反応が持続していることを示している。入院時と比較すると、RBCは2.68×10^6/μLから2.45×10^6/μLへ、Hbは8.2g/dLから7.9g/dLへ、Htは25.6%から24.3%へと貧血が進行している。一方、CRPは3.8mg/dLから0.8mg/dLへと改善している。貧血の進行により活動耐性の低下が懸念されるため、医師の指示に従い、ヘモグロビン値が7.0g/dL以下になった場合は赤血球輸血を検討する必要がある。

転倒転落のリスク

A氏は現在、以下の転倒リスク要因を有している。第一に、化学療法による全身倦怠感と易疲労性があり、これにより筋力や平衡感覚が低下している可能性がある。第二に、貧血によるめまいや立ちくらみのリスクがある。第三に、内服薬としてデパス0.5mgを頓用で使用しており、これによる眠気や注意力低下の可能性がある。入院環境への不慣れや夜間のトイレ移動なども転倒リスクを高める要因である。ただし、43歳と比較的若年であり、認知機能に問題はなく、転倒歴もないことから、適切な対策を講じることで転倒リスクは管理可能であると考えられる。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、骨髄抑制期における活動と安静のバランスである。感染予防のための活動制限が必要である一方、過度の安静は筋力低下や血栓リスクの増加をもたらす。そのため、感染リスクを最小限に抑えながら、適切な範囲での活動を促進することが重要である。具体的には、病室内での簡単な運動(ストレッチ、関節可動域訓練など)を指導し、A氏の体力や疲労度に合わせた活動計画を立案する。活動後の疲労度を評価し、必要に応じて休息を取り入れることも重要である。

第二の課題は、貧血による活動耐性低下への対応である。貧血に伴うめまいや倦怠感、息切れなどの症状に注意し、活動強度を調整する必要がある。また、医師と連携し、ヘモグロビン値のモニタリングと必要に応じた輸血療法の実施を検討する。酸素需要を増加させる過度の活動は避け、効率的なエネルギー消費方法や省エネルギーでのADL動作の指導も有効である。

第三の課題は、転倒予防対策である。環境整備(ベッド周囲の整理整頓、適切な照明、滑り止め対策など)、適切な履物の使用、夜間のトイレ誘導、コールベルの活用などの対策を講じる。また、A氏自身にも転倒リスクとその予防法について説明し、無理な動作を避けるよう指導する。易疲労性があるため、活動と休息のバランスを取りながら、安全な移動方法を確保することが重要である。

第四の課題は、退院後の生活に向けた準備である。現在の治療計画では、寛解が得られた場合は地固め療法として高用量シタラビン療法を3~4コース実施する方針であり、長期的な治療が予想される。そのため、職場復帰の見通しや自宅での生活環境調整についても早期から検討を始める必要がある。A氏がシステムエンジニアとして働いていたことを考慮し、在宅勤務の可能性なども含めた職場との調整支援も重要である。

観察を続けるべき点としては、活動量と疲労度のバランスバイタルサインの変化(特に発熱や頻脈、頻呼吸などの感染徴候)、貧血の進行(ヘモグロビン値の推移、自覚症状の変化)、筋力や平衡感覚の変化精神状態(不安やうつ症状の有無)が挙げられる。また、治療の進行に伴う全身状態の変化や、骨髄機能の回復に伴う活動耐性の改善についても継続的に評価する必要がある。

情報収集が必要な点としては、より詳細な住居環境(階段の有無、バリアフリー状況など)、退院後の生活スタイルの希望、職場復帰の見通しや条件、家族の支援体制などが挙げられる。また、A氏自身の活動に対する価値観や、病前の生活リズム、ストレス対処法なども把握することで、より個別性の高い活動・運動支援計画を立案することができる。

睡眠時間、熟眠感、睡眠導入剤使用の有無

A氏は入院前、23時就寝、6時起床の規則正しい睡眠リズムを保持していた。一日の睡眠時間は約7時間であり、成人の平均睡眠時間(6~8時間)を確保できていたと考えられる。入院前の熟眠感については情報が不足しているが、規則正しい睡眠習慣から判断すると、比較的良好な睡眠の質が保たれていたと推測される。しかし、現在は治療への不安や病棟環境への適応により入眠困難を訴えることがある。熟眠感についての詳細な情報は記載されていないため、睡眠の質や中途覚醒の有無、早朝覚醒の有無などについての情報収集が必要である。

睡眠導入剤については、医師の指示でデパス0.5mgを頓用で使用することがあり、使用頻度は週に2~3回程度である。デパスはベンゾジアゼピン系抗不安薬であり、抗不安作用に加えて軽度の鎮静作用を有する。使用頻度が週に2~3回程度であることから、常時の睡眠障害ではなく、状況に応じた一時的な入眠困難が生じていると考えられる。デパス使用後の睡眠状況(入眠までの時間、睡眠の持続性、翌朝の眠気など)についても評価が必要である。

日中/休日の過ごし方

日中や休日の過ごし方に関する具体的な情報は不足している。入院前はジョギングを趣味とするなど活動的な生活を送っていたことから、余暇活動を楽しむ習慣があったと推測される。現在は化学療法による全身倦怠感と骨髄抑制期の感染予防のため安静度が制限されており、易疲労性があることから、活動と休息のバランスを取りながら日中を過ごしていると考えられる。病室内での過ごし方、趣味活動の継続状況、家族との面会時の様子、テレビ視聴や読書などの余暇活動の状況、日中の仮眠の有無と時間などについての情報収集が必要である。

A氏は大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていたことから、論理的思考や問題解決能力に長けていると推測される。このような特性を活かした精神活動(パズル、読書、仕事関連の情報収集など)が日中の気分転換や生活の質の維持に寄与する可能性がある。また、妻や子どもたちとの関わりが精神的支えとなっていることから、面会時間の過ごし方も重要な情報である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、入院環境における良質な睡眠の確保である。治療への不安や病棟環境の変化により入眠困難が生じていることから、睡眠環境の調整と不安軽減のための介入が必要である。具体的には、就寝前のリラクゼーション方法(深呼吸、筋弛緩法など)の指導、睡眠環境の整備(適切な室温、照明、音環境の調整)、就寝前のルーティン確立(温かい飲み物の摂取、軽いストレッチなど)が有効である。また、A氏の不安や心配事を傾聴し、必要に応じて医療チームからの情報提供や説明を行うことで、心理的安定を図ることも重要である。

第二の課題は、デパスの適切な使用と効果評価である。現在、入眠困難時にデパス0.5mgを頓用で使用しているが、その効果や副作用(日中の眠気、ふらつきなど)についての評価が必要である。使用時の効果を確認し、必要に応じて医師と相談の上で用量や用法の調整を検討する。また、薬物依存のリスクを考慮し、非薬物的アプローチとの併用を図ることが望ましい。

第三の課題は、日中の活動と休息のバランス調整である。骨髄抑制期の安静度制限と易疲労性を考慮しながら、適切な日中活動を促進することが睡眠の質向上につながる。日中の過度の臥床や仮眠は夜間の睡眠障害を助長する可能性があるため、A氏の体力や疲労度に合わせた活動計画の立案と実施が必要である。趣味活動や精神活動を取り入れることで日中の活動性を高め、生活リズムの安定を図ることも重要である。

第四の課題は、治療経過に伴う睡眠パターンの変化への対応である。化学療法の副作用(口内炎による疼痛、吐き気など)や骨髄抑制からの回復過程、今後予定されている地固め療法などによって睡眠状況は変化する可能性がある。そのため、治療経過に合わせた睡眠評価と介入の調整が必要である。特に疼痛管理や症状コントロールは睡眠の質に直接影響するため、多職種連携による包括的なアプローチが求められる。

観察を続けるべき点としては、睡眠パターンの変化(入眠時間、睡眠時間、中途覚醒の有無、早朝覚醒の有無)、睡眠の質(熟眠感、疲労感の残存)、デパス使用の頻度と効果日中の活動と疲労度のバランス治療の副作用と睡眠への影響(疼痛、吐き気などの症状と睡眠障害の関連)が挙げられる。これらの観察を通じて、A氏の睡眠状況を継続的に評価し、介入方法を適宜調整することが重要である。

情報収集が必要な点としては、より詳細な睡眠状況(就寝前の習慣、睡眠中の様子、覚醒時の状態など)、入院前の睡眠に関する問題の有無、睡眠に対する本人の価値観や期待、日中の具体的な過ごし方と活動内容、家族との面会時の様子などが挙げられる。また、A氏自身が感じている睡眠の問題点や改善希望についても把握することで、より個別性の高い睡眠サポート計画を立案することができる。

意識レベル、認知機能

A氏の意識レベルは清明であり、見当識障害や意識混濁は認められない。認知機能に問題はなく、意思疎通は良好である。43歳という年齢を考慮すると、認知機能の加齢変化による影響は少ないと考えられる。また、大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていたことから、論理的思考能力や問題解決能力に長けていると推測される。現在の治療状況や病状についての理解度は、情報不足のため詳細な評価が必要であるが、薬の作用と副作用について理解しており、服薬の重要性を認識していることから、疾患や治療に関する基本的な理解はあると考えられる。几帳面で責任感が強い性格特性も、情報処理や治療への理解・協力に良い影響を与えていると推測される。

聴力、視力

視力・聴力に問題はないと記載されている。視力や聴力の具体的な状態(矯正の有無、程度など)については情報が不足しているため、コミュニケーションや日常生活に支障がないかどうかの確認が必要である。特に入院環境では、病室の照明条件や環境音などが視聴覚機能に影響を与える可能性があるため、環境調整の必要性についても評価が必要である。視聴覚機能は情報収集や医療者とのコミュニケーション、安全な日常生活活動に不可欠であるため、継続的な観察が重要である。

認知機能

認知機能に問題はないと記載されているが、具体的な認識力、記憶力、判断力、計算力などの詳細な評価については情報が不足している。急性白血病という重篤な疾患の診断による心理的ストレスや、化学療法による副作用(倦怠感、貧血など)が一時的に認知機能に影響を与える可能性も考慮する必要がある。特に、治療に関する説明内容の理解と記憶、治療に対する意思決定能力などの評価が重要である。また、入院が長期化することで環境の変化によるストレスや、感覚刺激の単調さによる認知機能への影響も考慮すべきである。

不安の有無、表情

A氏の現在の表情や不安の状態についての直接的な記載はないが、治療への不安があり、入眠困難を訴えることがあると記載されている。これは急性白血病という生命を脅かす疾患の診断を受け、長期的な治療が必要となることへの不安や、予後に対する懸念によるものと推測される。また、妻が「夫の状態が悪くなるのではないかと眠れない日がある」と看護師に打ち明けていることから、A氏自身も同様の不安を抱えている可能性が高い。家族思いな性格であることから、子どもたちに心配をかけたくないという思いや、家族の生活への影響を心配していることも考えられる。不安の程度や内容、対処方法については詳細な情報収集が必要である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、疾患と治療に関する理解の促進と不安の軽減である。A氏は認知機能に問題はなく、意思疎通も良好であるため、疾患や治療に関する適切な情報提供を行うことで理解を深め、不安を軽減することが可能である。具体的には、治療の目的や経過、予測される副作用とその対処法、今後の治療スケジュールなどについて、A氏の理解度に合わせた説明を行う。また、質問や不安を表出できる機会を定期的に設け、傾聴することで心理的サポートを提供する。

第二の課題は、化学療法による認知機能への影響への対応である。化学療法に伴う倦怠感、貧血、口内炎などの身体症状や、治療関連のストレスが一時的に注意力や集中力、記憶力に影響を与える可能性(ケモブレインとも呼ばれる)がある。これに対しては、症状管理(疼痛コントロール、倦怠感対策など)を適切に行い、認知機能を維持するための活動(読書、パズル、会話など)を取り入れることが有効である。また、重要な情報は書面で提供し、必要に応じて繰り返し説明することも重要である。

第三の課題は、長期入院に伴う感覚刺激の単調さへの対応である。骨髄抑制期の感染予防のための活動制限や環境の変化が、感覚刺激の低下や単調さをもたらし、認知機能や心理状態に影響を与える可能性がある。これに対しては、A氏の興味や趣味に合わせた感覚刺激(音楽鑑賞、視覚的な刺激、触覚的な活動など)を提供し、可能な範囲で選択肢と自己決定の機会を確保することが重要である。また、家族との交流を通じて社会的刺激を維持することも効果的である。

第四の課題は、家族を含めた心理的サポートである。A氏は家族思いな性格であり、妻や子どもたちの心配や負担を懸念していると思われる。また、妻自身も不安を抱えている状況である。これに対しては、家族も含めた情報共有と心理的サポートを行い、家族間のコミュニケーションを促進することが重要である。特に子どもたちには白血病という診断名は伝えているが詳しい説明はしていないとのことであり、家族の希望に沿って、子どもたちへの説明方法や対応についても支援する必要がある。

観察を続けるべき点としては、治療経過に伴う認知・心理状態の変化(不安の程度、気分の変動、注意力や集中力の変化など)、副作用による認知機能への影響(倦怠感や貧血が認知機能に与える影響)、治療への理解度と参加度家族との関係性や支援状況が挙げられる。また、治療が長期化する中での心理的変化や適応状況も継続的に評価する必要がある。

情報収集が必要な点としては、A氏自身が捉えている疾患や治療に対する理解の程度、不安の内容や程度、対処方法、家族(特に子どもたち)との関係性や心配事、趣味や興味のある活動などが挙げられる。また、入院前の生活習慣や価値観、ストレス対処法などの情報も、個別性の高い認知・知覚サポート計画を立案する上で重要である。

性格

A氏は几帳面で責任感が強く、家族思いな性格である。大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていたことから、論理的思考能力や問題解決能力に長けていると推測される。几帳面さは、治療や服薬管理に対して真摯に取り組む姿勢につながり、責任感の強さは家族や医療者との関係構築にも良い影響を与えていると考えられる。家族思いな面は、妻と高校生の息子、中学生の娘との関係性に表れており、家族の支えが治療意欲の維持に重要な役割を果たしていると推測される。一方で、家族思いであるがゆえに、自身の病気による家族への影響や負担を過度に心配している可能性もある。特に子どもたちに対しては白血病という診断名は伝えているものの詳細な説明はしていないことから、子どもたちに不安を与えたくないという配慮が窺える。

ボディイメージ

A氏のボディイメージに関する直接的な情報は不足しているが、急性骨髄性白血病の診断と化学療法による身体的変化(倦怠感、皮下出血、口内炎など)が、自己の身体に対する認識や感覚に影響を与えている可能性がある。特に、ジョギングを趣味とするなど入院前は活動的な生活を送っていたことから、現在の易疲労性や活動制限が自己像の変化をもたらしていることが推測される。また、化学療法に伴う副作用(脱毛や皮膚の変化など)が外見の変化をもたらし、ボディイメージに影響を与える可能性も考慮する必要がある。これらのボディイメージの変化が自尊心や気分にどのような影響を与えているかについての情報収集が必要である。

疾患に対する認識

A氏の疾患に対する認識については、薬の作用と副作用について理解しており、服薬の重要性を認識していることから、疾患や治療に関する基本的な理解はあると考えられる。しかし、急性骨髄性白血病という生命を脅かす疾患の診断を受け、今後の治療経過や予後に関する認識や心理的受容の程度については詳細な情報が不足している。医師からは今後骨髄検査を実施し、寛解が得られているか評価する予定と説明されており、地固め療法として高用量シタラビン療法を3~4コース実施する方針であることも伝えられている。これらの治療計画に対するA氏の理解度や捉え方、不安や期待についての情報収集が必要である。なお、妻は「子どもたちのためにも必ず治してほしい」と医療者に訴えており、A氏も同様の思いを持っている可能性がある。

自尊感情

A氏の自尊感情に関する直接的な情報は不足しているが、大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていたことから、職業的アイデンティティや社会的役割が自己価値感の重要な要素となっていたと推測される。現在の病気による職業的役割の一時的な喪失や、家族内での役割変化が自尊感情に影響を与えている可能性がある。また、家族思いな性格から、家族を支える役割が自己認識の重要な部分を占めていると考えられ、病気によりその役割を十分に果たせないことへの葛藤が生じている可能性もある。自尊感情の状態やその変化、対処方法についての詳細な情報収集が必要である。

育った文化や周囲の期待

A氏が育った文化的背景や価値観、周囲からの期待に関する情報は不足している。43歳の男性であり、家族を持ち、責任ある職業に就いていることから、家族を養い支える役割への期待や、健康を維持して職業的責任を果たすことへの社会的期待を感じている可能性がある。また、日本の文化的背景から、病気や治療に対する捉え方、医療者との関係構築の様式、感情表現の方法などにも影響を受けていると考えられる。特定の宗教的信仰はないが、家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強いとの記載から、生命や健康に対する独自の価値観を持っていることが窺える。これらの文化的背景や価値観、周囲の期待に関する詳細な情報収集が必要である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、疾患の受容と対処能力の強化である。急性骨髄性白血病という重篤な疾患の診断を受け、長期的な治療に向き合うA氏の心理的適応を支援する必要がある。具体的には、A氏の疾患に対する認識や心理的受容の程度を評価し、段階に応じた情報提供と心理的サポートを行う。また、A氏の対処能力や強みを評価し、それを活かした対処戦略の構築を支援することも重要である。特に、几帳面で責任感が強いという性格特性を治療への主体的な参加につなげるような関わりが有効である。

第二の課題は、ボディイメージの変化への適応支援である。化学療法による身体的変化(倦怠感、皮下出血、口内炎など)や、今後予想される変化(脱毛など)に対する心理的適応を支援する必要がある。具体的には、これらの変化が一時的なものであることの理解促進、変化に伴う感情表出の機会提供、対処方法の提案などが有効である。また、可能な範囲での自己ケア能力の維持・向上を図ることで、身体に対するコントロール感を高めることも重要である。

第三の課題は、家族関係の維持と調整である。A氏は家族思いな性格であり、家族の支えが治療意欲の維持に重要である一方、家族への負担を心配する気持ちも強いと考えられる。特に子どもたちに対しては、年齢や理解度に応じた説明と関わりが求められる。家族全体のコミュニケーションを促進し、相互サポート体制を強化するための支援が必要である。具体的には、家族面談の機会を設けて思いの共有を図る、家族それぞれの役割や貢献を認める、家族の不安や疑問に対応するなどの介入が有効である。

第四の課題は、社会的役割と自己価値感の維持である。職業的役割の一時的な喪失や家族内での役割変化が自尊感情に影響を与える可能性があるため、その影響を最小限に抑え、自己価値感を維持するための支援が必要である。具体的には、現在の状況でも可能な社会的交流や活動の維持、自己表現の機会提供、これまでの経験や知識を活かせる活動の提案などが有効である。また、病気体験を通しての自己成長や新たな価値観の発見を促すような関わりも重要である。

観察を続けるべき点としては、疾患に対する認識や心理的受容の変化(否認、怒り、取引、抑うつ、受容などの段階)、ボディイメージの変化とそれに対する反応(外見の変化、機能の変化、それらの受容度)、家族との関係性の変化(コミュニケーションパターン、役割変化、相互サポートの状況)、自尊感情の変動(自己価値感の表現、自己評価の変化)が挙げられる。また、治療の進行に伴う心理状態の変化や、長期的な見通しに対する認識の変化も注意深く観察する必要がある。

情報収集が必要な点としては、A氏自身が抱く病気や治療に対する認識と期待、ボディイメージの変化に対する受けとめ方、家族(特に子どもたち)との関係性や病気に関する話し合いの状況、職場との関係や復職への見通し、自己価値感を維持・向上させる要因などが挙げられる。また、A氏の文化的背景や価値観、信念体系についても理解を深めることで、より個別性の高い自己知覚・自己概念に関するサポート計画を立案することができる。

職業、社会役割

A氏は43歳の男性で、大手IT企業のシステムエンジニアとして勤務していた。システムエンジニアとしての職業は、論理的思考や問題解決能力、高度な専門知識を必要とする職業であり、A氏の几帳面で責任感が強い性格はこの職業と適合していると考えられる。発症前は仕事に対する取り組み姿勢や職場での人間関係、仕事への満足度などに関する具体的な情報はないため、これらについての情報収集が必要である。また、急性骨髄性白血病と診断され、長期の治療が必要となる状況で、職場での役割遂行が困難となっている現状について、A氏がどのように受け止めているか、職場との連絡や調整がどのように行われているかについても情報が不足しているため、詳細な情報収集が必要である。

社会的役割については、A氏は妻と高校生の息子、中学生の娘の4人家族であり、家庭における夫・父親としての役割を担っている。家族思いな性格であることから、家族に対して強い責任感と愛情を持っていることが推測される。また、43歳という年齢から、職場においても中堅社員としての役割や、若手社員の指導・育成などの役割を担っていた可能性もある。地域社会における役割(町内会活動、子どもの学校関連の活動、趣味のサークルなど)については情報がないため、これらの情報収集も必要である。

家族の面会状況、キーパーソン

キーパーソンは妻であることが明記されている。妻は毎日面会に訪れており、A氏の精神的支えとなっている。面会時の様子や具体的なコミュニケーション内容については詳細な情報はないが、妻はA氏の前では明るく振る舞うよう努めている一方で、看護師に対しては「夫の状態が悪くなるのではないかと眠れない日がある」と不安を打ち明けている。このことから、妻自身も強いストレスや不安を抱えながら、A氏を支える役割を担っていることが窺える。

子どもたちの面会状況については具体的な情報はない。白血病という診断名は伝えているが詳しい説明はしていないとのことであり、子どもたちへの情報共有と心理的サポートの状況についても詳細な情報収集が必要である。特に、高校生の息子と中学生の娘は思春期・青年期にあたり、親の重篤な病気に対する理解や受け止め方、心理的影響について注意深く評価する必要がある。

経済状況

A氏の経済状況に関する直接的な情報は提供されていない。大手IT企業のシステムエンジニアという職業から、一定の収入があったと推測されるが、現在の休職状態における収入保障(傷病手当金など)の状況や、治療費の負担状況、医療保険の加入状況などについての情報収集が必要である。急性骨髄性白血病の治療は長期にわたり、高額な医療費が発生する可能性があるため、経済的な負担が家族に与える影響についても評価する必要がある。また、妻の就労状況や家計における主な収入源、家族の生活費や子どもの教育費などの支出状況についても情報が必要である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、家族内の役割変化への適応支援である。A氏は家族思いな性格であり、家族における役割を重要視していると考えられるが、入院治療により家族との物理的・時間的な距離が生じている。また、これまで家族を支える役割を担ってきた可能性があるが、現在は自身が支援を受ける立場となっている。この役割変化に対するA氏自身の受け止め方や適応状況を評価し、必要に応じて心理的サポートを提供することが重要である。具体的には、A氏が現在の状況でも果たせる家族内の役割(意思決定への参加、子どもへの精神的サポートなど)を見出し、それを強化することで自己効力感を維持する支援が有効である。

第二の課題は、家族全体へのサポート体制の強化である。妻はA氏の状態悪化への不安から睡眠障害を訴えており、強いストレス状態にあることが窺える。また、子どもたちも親の病気に対する不安や心配を抱えている可能性がある。家族全体の心理的負担を軽減し、相互支援体制を強化するために、家族面談の機会を設けて思いの共有を促進する、家族カウンセリングや家族支援グループの紹介を検討する、医療ソーシャルワーカーと連携して利用可能なサポート資源の情報提供を行うなどの介入が重要である。特に、子どもたちの年齢や発達段階に応じた説明と心理的サポートについて、両親と一緒に検討することが必要である。

第三の課題は、職場との関係維持と復職に向けた準備である。システムエンジニアとしての職業アイデンティティはA氏にとって重要な要素であると考えられ、長期治療による職場からの離脱がもたらす心理的影響は大きい。職場との連絡状況や復職に関する見通し、在宅勤務などの柔軟な勤務形態の可能性などについて情報収集し、必要に応じて医療ソーシャルワーカーや産業医との連携を図ることが重要である。また、治療経過に合わせた段階的な復職計画の検討や、必要なリハビリテーションの提案なども、長期的な視点での支援として有効である。

第四の課題は、経済的側面への対応である。長期治療による収入減少や医療費負担が家族の経済状況に与える影響を評価し、必要に応じて利用可能な社会資源(高額医療費制度、傷病手当金、障害年金、民間医療保険など)の情報提供と申請支援を行うことが重要である。医療ソーシャルワーカーと連携し、A氏と家族の経済的不安を軽減するための具体的な支援策を検討する必要がある。

観察を続けるべき点としては、家族の面会状況と相互作用の様子(コミュニケーションパターン、情緒的交流、役割調整の状況など)、A氏の心理的状態の変化(特に家族や職場に関する発言や表情、行動)、妻や子どもたちの心理的適応状況(不安や疲労の徴候、サポートニーズの変化など)、治療経過に伴う役割や関係性の変化が挙げられる。また、経済状況の変化やそれに対する家族の対応についても注意深く観察する必要がある。

情報収集が必要な点としては、A氏の職場での具体的な役割や人間関係、復職に関する見通しや希望、家族内での日常的な役割分担の状況、子どもたちとの関係性や子どもたちの受け止め方、拡大家族(両親、兄弟姉妹など)からのサポート状況、経済状況の詳細(収入源、医療保険の加入状況、貯蓄状況など)、利用可能な社会資源の状況などが挙げられる。これらの情報を基に、より個別性の高い役割・関係サポート計画を立案することが求められる。

年齢、家族構成、更年期症状の有無

A氏は43歳の男性である。家族構成は妻と高校生の息子、中学生の娘の4人家族であり、キーパーソンは妻である。更年期症状については男性であるため女性の更年期とは異なるが、男性の更年期障害(加齢男性性腺機能低下症候群:LOH症候群)に関する情報は記載されていない。43歳という年齢は一般的に男性ホルモン(テストステロン)の緩やかな低下が始まる時期であるが、個人差が大きく、すべての男性に症状が現れるわけではない。A氏における男性ホルモンの変化に関連する症状(倦怠感、気力低下、抑うつ気分など)の有無についての情報収集が必要である。ただし、現在はこれらの症状があったとしても、急性骨髄性白血病やその治療による症状と重複するため、区別が困難である可能性がある。

性生活や性的機能に関する情報は記載されていない。A氏は43歳で妻との関係性も良好であることが推測されるが、入院により夫婦の物理的な距離が生じている状況である。また、急性骨髄性白血病の治療(化学療法)が性機能や性的欲求に与える影響、血小板減少に伴う出血リスクが性生活に与える制限などについての情報や、A氏と妻のこれらの問題に対する認識や対処法についての情報収集も必要である。

白血病の治療、特に化学療法や放射線療法は生殖機能に影響を与える可能性がある。特に若年成人の場合、将来の生殖能力に関する懸念が重要な問題となることがある。A氏は既に子どもがいるが、今後の生殖能力に対する懸念や、精子保存などの選択肢についての検討状況に関する情報収集も必要である。

疾患と治療が夫婦関係や親子関係に与える影響も重要な側面である。A氏は家族思いな性格であり、家族との関係を大切にしていることが窺えるが、病気や入院による家族役割の変化が家族関係に与える影響についても評価が必要である。特に、病気の告知や治療経過の共有、将来の見通しなどについての夫婦間の対話や意思決定プロセスについての情報も重要である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、疾患と治療が性機能に与える影響への対応である。急性骨髄性白血病自体や化学療法による身体的・心理的影響(倦怠感、不安、ボディイメージの変化など)が性機能や性的欲求に影響を与える可能性がある。また、骨髄抑制期の血小板減少(22,000/μL)による出血リスクも性生活における制約となりうる。これらの問題に対しては、適切な時期にA氏と妻に対して情報提供を行い、必要に応じて専門家(泌尿器科医、性機能障害の専門家など)との連携を図ることが重要である。また、性の問題について話し合いやすい環境を整え、個別のプライバシーに配慮した対応を心がける必要がある。

第二の課題は、治療が生殖機能に与える影響に関する懸念への対応である。化学療法が将来の生殖能力に与える可能性のある影響について、A氏と妻が懸念を抱いている場合には、正確な情報提供と必要に応じた選択肢(精子保存など)の提示が重要である。既に子どもがいる状況ではあるが、これらの問題に対する個人的な価値観や考え方は多様であるため、A氏夫婦の意向を尊重した対応が求められる。また、生殖医療の専門家との連携も検討すべきである。

第三の課題は、夫婦関係の維持と強化である。長期入院や重篤な疾患は夫婦関係にストレスをもたらす可能性があり、コミュニケーションの変化や役割の変化に伴う葛藤が生じることがある。妻は毎日面会に訪れ、A氏の精神的支えとなっているが、同時に「夫の状態が悪くなるのではないかと眠れない日がある」と不安を抱えている。このような状況下での夫婦関係を支援するためには、感情表出の機会提供、コミュニケーション促進、相互理解と支援の強化などの介入が有効である。特に、病気や治療に関する情報共有や意思決定プロセスにおける夫婦の協力関係を促進することが重要である。

第四の課題は、親子関係の維持と調整である。A氏と子どもたち(高校生の息子、中学生の娘)との関係性は、病気や入院によって変化している可能性がある。子どもたちには白血病という診断名は伝えているが詳しい説明はしていないという状況から、病気に関する情報共有の程度や子どもたちの理解度、心理的影響などを評価する必要がある。特に思春期・青年期にある子どもたちに対しては、年齢や発達段階に応じた説明と心理的サポートが重要である。家族カウンセリングや家族療法の導入も検討すべきである。

観察を続けるべき点としては、A氏の心理的状態の変化(特に家族関係や性の問題に関する発言や表情、行動)、妻の面会時の様子(夫婦間のコミュニケーションパターン、親密さの表現など)、治療経過に伴う体調や心理状態の変化が性や生殖に関する考え方に与える影響などが挙げられる。また、治療の長期化に伴う夫婦関係や親子関係の変化についても注意深く観察する必要がある。

情報収集が必要な点としては、A氏の性や生殖に関する考え方や価値観、夫婦間でのこれらの問題に関するコミュニケーションの状況、治療が性機能や性的欲求に与えている影響の自覚、将来の生殖能力に関する懸念の有無、子どもたちとの関係性や病気に関する対話の状況などが挙げられる。これらの情報を基に、より個別性の高い性・生殖に関するサポート計画を立案することが求められる。特に、性や生殖に関する話題はプライバシーに関わる繊細な問題であるため、A氏の心理的準備状態や話し合う意思を尊重し、適切なタイミングと方法で情報収集を行うことが重要である。

入院環境

A氏は急性骨髄性白血病(AML)M2型の治療のため入院しており、現在は寛解導入療法後10日目で骨髄抑制期にある。入院環境に関する具体的な情報(個室か大部屋か、設備の状況、病棟の雰囲気など)は記載されていないが、化学療法後の骨髄抑制期であることから、感染予防のための環境調整が行われていると推測される。現在の入院環境への適応状況としては、「治療への不安や病棟環境への適応により入眠困難を訴えることがある」との記載があり、環境の変化に伴うストレスを経験していることが窺える。また、感染予防のために安静度が制限されており、活動範囲が限られていることもストレス要因となりうる。A氏にとって馴染みのない医療環境や治療に伴う不確実性、日常生活の制限などが、入院環境における主なストレス源であると考えられる。入院環境に対するA氏の具体的な受け止め方や、環境調整のニーズについての詳細な情報収集が必要である。

仕事や生活でのストレス状況、ストレス発散方法

A氏は大手IT企業のシステムエンジニアとして働いていたことから、発症前は職場でのストレス(締め切り、責任の重さ、長時間労働など)を経験していた可能性がある。しかし、仕事におけるストレスの具体的な状況や、それに対する対処法についての情報は記載されていない。現在は急性白血病の診断と治療という大きなストレス状況にあり、「治療への不安」があることが記載されている。また、「家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強い」との記載から、自身の健康状態と家族への影響を強く心配していることが窺える。

ストレス発散方法としては、入院前はジョギングを趣味としていたことが分かっており、身体活動を通じてストレス発散を図っていた可能性がある。しかし、現在は化学療法による全身倦怠感と骨髄抑制期の感染予防のため安静度が制限されており、従来のストレス発散方法を用いることが困難な状況にある。その他のストレス対処法(趣味活動、リラクセーション法、社会的交流など)については情報が不足しているため、詳細な情報収集が必要である。特に、入院中に活用できるストレス対処法の有無や、新たなコーピング方法の開発ニーズについての評価が重要である。

家族のサポート状況、生活の支えとなるもの

A氏のキーパーソンは妻であり、妻は毎日面会に訪れ、A氏の精神的支えとなっている。妻はA氏の前では明るく振る舞うよう努めているが、看護師に対しては「夫の状態が悪くなるのではないかと眠れない日がある」と不安を打ち明けている。このことから、妻自身も強いストレスを抱えながらA氏をサポートしていることが分かる。子どもたち(高校生の息子、中学生の娘)との関係性や面会状況、サポート状況については具体的な情報が不足している。家族全体として、A氏の回復を第一に考え、治療に協力的な姿勢を示しているとの記載がある。

生活の支えとなるものについては、家族との関係が主要な精神的支柱となっていることが推測される。特に、家族思いな性格であることから、家族との絆がA氏の重要な支えとなっていると考えられる。また、「特定の宗教的信仰はないが、家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強い」との記載から、家族の健康と自身の回復への希望が精神的支えとなっていることが窺える。その他の支えとなるもの(友人関係、職場の同僚、趣味のコミュニティなど)については情報が不足しているため、詳細な情報収集が必要である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、急性骨髄性白血病という重篤な疾患に直面することによる心理的ストレスへの対応である。生命を脅かす疾患の診断と、不確実な予後、侵襲的な治療などが大きなストレス源となっている。これに対しては、A氏の疾患と治療に対する理解を促進し、不確実性を軽減するための情報提供が重要である。また、A氏の感情表出を促し、共感的な傾聴を通じて心理的サポートを提供することも効果的である。認知行動療法的アプローチを用いて、状況に対する認識の修正や適応的な対処法の開発を支援することも検討すべきである。

第二の課題は、入院環境と活動制限によるストレスへの対応である。感染予防のための環境調整や活動制限、慣れない病棟環境などが日常生活に大きな変化をもたらしている。これに対しては、可能な範囲での環境調整(音や光、温度などの快適性向上)を行い、A氏の好みや習慣を考慮した日課の確立を支援することが重要である。また、制限された状況下でも実践可能なストレス発散方法(軽い運動、リラクセーション法、創造的活動など)の導入を図ることも有効である。特に、これまでジョギングを通じて身体活動によるストレス発散を行っていたA氏に対しては、現在の体調と安静度に合わせた代替的な身体活動や、他のストレス発散法の提案が必要である。

第三の課題は、家族関係のストレスと家族全体への支援である。A氏は家族思いな性格であり、自身の病気が家族に与える影響を心配していると考えられる。また、妻自身も強い不安を抱えている状況である。これに対しては、家族カウンセリングや家族面談の機会を設け、相互理解と情緒的サポートを促進することが重要である。特に妻のストレスと睡眠障害に対するサポートも必要であり、必要に応じて妻自身の休息や自己ケアの機会を確保することを提案する。また、子どもたちへの心理的サポートについても、年齢や発達段階に応じた介入を検討する必要がある。

第四の課題は、長期的な治療に向けたコーピング能力の強化である。A氏は寛解が得られた場合、地固め療法として高用量シタラビン療法を3~4コース実施する方針であり、長期間にわたる治療が予想される。このような長期治療に対応するためには、A氏の内的資源(強み、対処能力、レジリエンスなど)を評価し、それらを強化することが重要である。具体的には、A氏の几帳面で責任感が強いという性格特性を治療への主体的な参加に活かすアプローチや、小さな進歩や改善を認識し肯定的な自己評価を促す関わりが有効である。また、A氏にとって意味のある目標や価値を見出し、それに向けた取り組みを支援することも重要である。

観察を続けるべき点としては、ストレス反応の徴候(不安、抑うつ、いらいら、集中力低下など)、睡眠パターンの変化家族との相互作用の様子コーピング方法の効果と変化治療の各段階における心理的適応状況が挙げられる。特に、骨髄抑制期から回復期、そして地固め療法へと移行する過程での心理的変化に注意を払う必要がある。

情報収集が必要な点としては、A氏の過去のストレス対処法とその効果、現在活用できるコーピング資源、ストレス認知の特徴、家族外のサポートネットワーク(友人、同僚など)の状況、病前の生活習慣や価値観などが挙げられる。また、A氏自身が感じているストレスや不安の内容を詳細に把握し、それに対する個別的な支援計画を立案することが重要である。

信仰、意思決定を決める価値観/信念、目標

A氏は「特定の宗教的信仰はないが、家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強い」と記載されている。このことから、特定の宗教的な実践や儀式は行っていないものの、家族の健康と自身の回復という価値観を重視していることが窺える。宗教的な背景がなくても、危機的状況においては健康や回復への祈りや願いが精神的な支えとなることがあり、A氏にとっても家族の健康と自分の回復を願う気持ちが心の拠り所となっていると考えられる。

意思決定を決める価値観や信念については、直接的な記載はないが、A氏の基本情報から推測される要素がいくつかある。A氏は几帳面で責任感が強く、家族思いな性格であることから、責任の遂行や家族への配慮が重要な価値観となっている可能性が高い。システムエンジニアという職業柄、論理的な思考や問題解決能力を重視している可能性もある。また、入院前はジョギングを趣味とするなど活動的な生活を送っていたことから、健康維持や身体活動に価値を置いていたと推測される。

家族に関しては、子どもたちには白血病という診断名は伝えているが詳しい説明はしていないことから、子どもたちへの情報提供において保護的な姿勢をとっている。これは子どもたちに不必要な不安や心配をかけたくないという配慮の表れと考えられる。一方、妻はキーパーソンとして医療情報を共有し、毎日面会に訪れるなど密接な関係を維持している。このことから、家族内での役割や情報共有に関する価値観として、配偶者とは情報を共有し支え合う関係を重視し、子どもに対しては保護的な姿勢をとるという傾向が見受けられる。

目標については明示的な情報はないが、「家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強い」という記述から、当面の目標として疾患からの回復と家族生活への復帰を重視していることが推測される。また、妻が「子どもたちのためにも必ず治してほしい」と医療者に訴えていることから、A氏自身も子どもたちの成長を見守り、家族の一員としての役割を果たすことを重要な目標としている可能性がある。

A氏は43歳の中年期にあたり、この時期は一般的に家族への責任感が強まり、親として子どもの成長を支え、職業人としてのキャリアを確立する時期である。急性骨髄性白血病という生命を脅かす疾患の診断は、このようなライフステージにおける目標や価値観に大きな影響を与える可能性がある。病気の経験を通して、価値観や人生の優先順位の再評価が行われることも多く、A氏においても疾患と治療の過程で価値観や目標の変化が生じる可能性がある。

以上の情報から、A氏の価値観や信念、目標に関しては、家族を大切にする姿勢、責任感の強さ、健康や回復への願いなどの要素が見受けられるが、具体的な精神的価値観や人生哲学、治療に対する考え方などについての詳細な情報は不足している。これらの情報を補完するためには、A氏自身の言葉で表現される価値観や信念、目標についての聞き取りが必要である。

健康管理上の課題と看護介入

第一の課題は、価値観や信念を尊重した治療環境の整備である。A氏の価値観や信念を理解し、それに沿った看護ケアを提供することは、A氏の心理的安寧と治療への前向きな姿勢を促進する上で重要である。具体的には、A氏にとって重要な家族との時間を確保し、面会や連絡の機会を最大限に保障することが挙げられる。また、A氏が大切にしている価値観(例えば、責任感や家族への配慮など)を治療過程においても発揮できるよう支援することも重要である。例えば、治療に関する情報提供や意思決定の場面で、A氏の価値観に基づいた判断ができるよう配慮する、A氏が家族に対して果たしたい役割をサポートするなどの介入が考えられる。

第二の課題は、疾患と治療による価値観や目標の変化への対応である。急性骨髄性白血病という重篤な疾患の診断と治療経験は、A氏の価値観や人生の目標に大きな影響を与える可能性がある。これに対しては、A氏が自身の価値観や目標について再考し、表現する機会を提供することが重要である。定期的な対話を通じて、A氏の価値観や目標の変化を捉え、それに応じたケア計画の調整を行うことが必要である。また、病気の意味づけや、危機的状況における成長の可能性についても共に考える姿勢が求められる。

第三の課題は、家族全体の価値観や信念の尊重と調和である。家族は互いに影響し合うシステムであり、A氏だけでなく家族全体の価値観や信念を理解し、尊重することが重要である。特に、子どもたちへの情報提供の程度や方法については、A氏夫婦の価値観や教育方針を尊重しながら、子どもたちの発達段階に応じた適切なサポートを提供することが求められる。家族面談などの機会を通じて、家族間の価値観の共有や相互理解を促進し、家族全体としての対処能力を高める介入が有効である。

第四の課題は、スピリチュアルな側面を含めた全人的ケアの提供である。A氏の記載からは特定の宗教的信仰はないとされているが、「家族の健康と自分の回復を祈る気持ちが強い」との記述から、スピリチュアルな側面での支援ニーズがあることが窺える。これに対しては、A氏の祈りや願いを尊重し、それを表現し実践できる環境を整えることが重要である。必要に応じて、スピリチュアルケアの専門家(チャプレンなど)との連携も検討すべきである。また、生命の意味や目的、苦難の中での希望など、スピリチュアルな問いについて対話する機会を提供することも有益である。

観察を続けるべき点としては、価値観や信念の表現(発言や行動に現れる重要な価値観)、治療経過に伴う価値観や目標の変化家族との関わり方に現れる価値観スピリチュアルな側面での表現や関心(祈りや瞑想への関心、生死に関する発言など)が挙げられる。また、治療の各段階での意思決定プロセスにおいて、どのような価値観が重視されているかを注意深く観察することも重要である。

情報収集が必要な点としては、A氏自身の言葉で表現される価値観や信念、人生の目標や優先順位、意思決定の際に重視する要素、病気の経験に対する意味づけ、スピリチュアルな関心や実践の有無、家族内での価値観の共有状況などが挙げられる。これらの情報を基に、より個別性の高い価値・信念に関するサポート計画を立案することが求められる。

看護計画

看護問題

急性骨髄性白血病の治療に伴う骨髄抑制に関連した感染リスク増大

長期目標

退院までに感染症の発症なく、骨髄機能が回復する

短期目標

1週間以内に発熱や感染徴候を認めず、白血球数が上昇傾向を示す

≪O-P≫観察計画

・体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度の変動を1日4回測定する
・白血球数、好中球数、CRP値の変化を確認する
・発熱、悪寒、戦慄の有無を観察する
・咳嗽、痰、呼吸音、呼吸困難の有無を確認する
・口腔内の状態(粘膜障害、潰瘍、白苔)を観察する
・皮膚の発赤、熱感、腫脹、疼痛の有無を確認する
・排尿時痛、頻尿、尿混濁の有無を観察する
・下痢、腹痛、腹部膨満感の有無を確認する
・中心静脈カテーテル挿入部の発赤、疼痛、滲出液の有無を観察する
・疲労感、倦怠感の程度と変化を観察する

≪T-P≫援助計画

・訪室時や処置前後の手指衛生を徹底する
・病室内の環境整備と清掃を1日2回実施する
・面会者の制限と面会前の手指消毒を徹底する
・加熱食の提供と生ものの持ち込み制限を行う
・口腔ケアを食前食後に実施し、粘膜保護を促進する
・シャワー浴は看護師の見守りのもと週2回実施する
・リネン交換は週2回以上実施し、清潔を保持する
・排泄後の会陰部の清潔ケアを指導し必要時介助する
・中心静脈カテーテルの管理を無菌的に行う
・感染予防のため不要な外出や人混みへの外出を制限する

≪E-P≫教育・指導計画

・手指衛生の重要性と正しい手洗い方法を説明する
・感染徴候(発熱、悪寒、局所の発赤・腫脹・疼痛など)と早期報告の必要性を説明する
・口腔ケアの重要性と方法を説明する
・環境の清潔維持方法と換気の重要性を説明する
・面会者の制限の必要性と理由を家族に説明する
・食事制限(生もの禁止など)の理由と安全な食品選択について説明する

看護問題

化学療法に関連した粘膜障害(口内炎)に関連した栄養摂取不足

長期目標

治療終了までに口内炎が改善し、必要な栄養素を経口摂取できるようになる

短期目標

1週間以内に口内炎の疼痛が軽減し、1日の必要カロリーの60%以上を経口摂取できる

≪O-P≫観察計画

・口腔内の状態(発赤、潰瘍、白苔、出血)を毎日観察する
・口内炎による疼痛の程度を痛みスケールで評価する
・食事摂取量(摂取カロリー、タンパク質量)を毎食記録する
・嚥下時の痛みの有無と程度を確認する
・悪心・嘔吐の頻度と程度を観察する
・体重変化を3日に1回測定する
・輸液の種類と投与量、副作用の有無を確認する
・水分摂取量と排泄量のバランスを確認する
・血液検査値(アルブミン、総タンパク、電解質)の変化を確認する
・倦怠感、脱力感の程度と日内変動を観察する

≪T-P≫援助計画

・口腔内の保清を食前食後に実施する
・刺激の少ない含嗽剤(生理食塩水など)での含嗽を促す
・医師の指示に従い疼痛緩和のための口腔内局所麻酔薬を使用する
・食事は刺激の少ない軟食を提供する
・食事の温度は熱すぎず冷たすぎないように調整する
・必要に応じて高カロリー輸液による栄養補給を行う
・少量頻回の食事摂取を促す
・摂取しやすい食品の好みを確認し、可能な範囲で対応する
・栄養サポートチーム(NST)と連携し、栄養状態を評価・改善する
・食事環境を整え、リラックスした状態で食事ができるよう配慮する

≪E-P≫教育・指導計画

・口腔ケアの重要性と適切な方法を説明する
・疼痛緩和のための局所麻酔薬の使用方法を説明する
・口内炎に適した食品選択(刺激の少ない食品、軟らかい食品)について説明する
・少量頻回の食事摂取の重要性を説明する
・口内炎は一時的なものであり、治療終了後には改善することを説明する
・栄養補助食品の活用方法について説明する

看護問題

急性骨髄性白血病の診断と長期治療に関連した不安と家族役割の変化

長期目標

治療終了までに病気や治療に対する適応機制が確立し、家族内の新たな役割バランスが構築される

短期目標

1週間以内に不安が軽減し、治療に対する前向きな姿勢が見られ、家族とのコミュニケーションが円滑になる

≪O-P≫観察計画

・不安や恐怖の表出内容と程度を観察する
・睡眠状態(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒)を確認する
・デパスの使用頻度と効果を評価する
・表情や言動から心理状態の変化を観察する
・家族との面会時の様子や会話内容を観察する
・妻の不安や心配事の表出内容を確認する
・子どもたちとの関係性や情報共有の状況を確認する
・疾患や治療に対する理解度と受容段階を評価する
・職場や社会的役割に関する発言内容を確認する
・将来に対する希望や目標に関する発言を観察する

≪T-P≫援助計画

・プライバシーに配慮した環境で不安や心配事を表出できる機会を提供する
・傾聴と共感的態度で接し、感情表出を促進する
・家族との面会時間を十分に確保し、家族の交流を支援する
・子どもたちへの適切な情報提供について夫婦で話し合う機会を設ける
・医師や他の医療スタッフとの情報共有を定期的に行う
・睡眠環境を整え、睡眠を促進する
・リラクセーション法(深呼吸、筋弛緩法など)を指導する
・可能な範囲で日常生活における自己決定の機会を増やす
・気分転換のための活動(読書、音楽鑑賞など)を提案し支援する
・家族カウンセリングの機会を必要に応じて設ける

≪E-P≫教育・指導計画

・急性骨髄性白血病と治療経過について分かりやすく説明する
・治療に伴う副作用とその対処法について説明する
・子どもたちへの病気の説明方法についてアドバイスを提供する
・ストレス対処法(呼吸法、イメージ法など)を指導する
・利用可能なサポート資源(医療ソーシャルワーカー、患者会など)について情報提供する
・家族間のコミュニケーション促進のための方法を提案する

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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