看護問題

# 大腿骨転子部骨折術後の活動制限・筋力低下・両側変形性膝関節症・夜間の軽度頻尿に関連した転倒リスク状態

長期目標

転倒することなく、歩行器を使用して安全に病棟内を移動できる

短期目標

夜間のポータブルトイレ移動時に転倒することなく、手すりを使用して安全に移乗できる

≪O-P≫観察計画

・歩行時のふらつきや膝折れの有無を観察する
・下肢の筋力低下や疲労感の程度を確認する
・変形性膝関節症による疼痛の程度と部位を確認する
・手すりやポータブルトイレの使用状況を確認する
・夜間の排尿回数とタイミングを確認する
・睡眠状態や夜間の覚醒状況を把握する
・住環境（照明、床の状態、障害物）の状況を確認する
・転倒への不安感や恐怖心の程度を確認する
・移動時の補助具（歩行器、手すり）の使用方法を確認する
・疲労度に応じた休憩の取り方を確認する
・バイタルサインの変動を確認する
・めまいや低血圧症状の有無を確認する
・眠剤の使用状況
・採血データ（Hb）

≪T-P≫援助計画

・夜間のポータブルトイレ周辺に足元灯を設置する
・ベッドサイドの環境整備を実施し、障害物を除去する
・必要物品を手の届く範囲に配置する
・夜間トイレ誘導時は必ず付き添う
・移動時は歩行器や手すりの位置を適切に調整する
・疲労時は休憩を促し、無理な移動を控えるよう支援する
・移乗動作時は患者の動作に合わせて見守る
・転倒リスクの高い動作では必要に応じて介助を行う
・履物の適切な選択と装着を確認する
・ベッドの高さを適切に調整する
・転倒予防のための環境整備を定期的に実施する
・疲労度に応じて車椅子での移動を検討する
・ナースコールをすぐ押せる位置に設置する。

≪E-P≫教育・指導計画

・安全な移動方法（歩行器、手すりの使用方法）について説明する
・夜間のポータブルトイレ使用時の注意点を説明する
・転倒リスクの高い動作や場面について具体的に説明する
・転倒リスクを感じたときはいつでも看護師を呼んでよいことを説明する
・疲労時の休息の取り方について指導する
・適切な履物の選択方法について説明する
・家族に対して転倒予防に必要な環境調整方法を説明する
・退院後の住環境整備について具体的に説明する
・服薬管理（降圧薬による低血圧予防や眠剤内服時の注意点）について説明する

看護問題

# 大腿骨転子部骨折伴う生活の変化に関連した退院後のセルフケア不足

長期目標

退院後の生活に必要なセルフケア能力を獲得し、必要に応じて家族やサービスを活用しながら安全に自宅での生活を送ることができる

短期目標

日常生活に必要な基本的動作（更衣・整容・トイレ動作）を安全に行うための方法を理解し、実施できる

≪O-P≫観察計画

・基本的な日常生活動作の自立度を確認する
・更衣動作時の疼痛や困難さの程度を観察する
・整容動作における姿勢保持の状況を確認する
・疲労度や活動耐久性の程度を観察する
・移動時の安全性と自立度を確認する
・服薬管理能力（理解度・手技）を確認する
・家族の介護力と支援可能な範囲を把握する
・退院後の生活環境（住環境・サポート体制）を確認する
・意欲や生活への取り組み姿勢を観察する
・生活リズムの確立状況を確認する
・活動と休息のバランスを観察する
・自己管理に対する理解度を確認する

≪T-P≫援助計画

・日常生活動作の際は安全に配慮しながら見守る
・必要物品を使いやすい位置に配置する
・更衣しやすい環境を整える
・疲労度に応じて休憩を促す
・段階的な活動範囲の拡大を支援する
・服薬管理に必要な道具を準備する
・生活リズムを整えるための環境を調整する
・自宅環境に近い状況での動作練習を支援する
・家族と協力して介助方法を確認する
・必要な福祉用具の選定を支援する
・退院後の生活を想定した動作確認を行う
・多職種カンファレンスで情報共有を行う

≪E-P≫教育・指導計画

・安全な更衣動作の方法について指導する
・整容動作時の姿勢保持方法を説明する
・服薬管理の具体的な方法を説明する
・生活リズムの調整方法について指導する
・必要な福祉用具の使用方法を説明する
・家族に対して介助方法を指導する
・退院後の生活における注意点を説明する
・利用可能な社会資源について情報提供する

この記事の執筆者

なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり