【ゴードン】心筋梗塞 入院2日目 (0014)| 4.活動-運動

ゴードン

本事例の要約

右胸部痛を主訴に救急搬送され、急性心筋梗塞と診断された65歳男性に対し、緊急カテーテル検査の結果、右冠動脈#2に99%狭窄を認め、経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行。術後、CCUでの管理を経て、一般病棟へ転棟となった入院2日目の事例。介入日は3月15日である。

4.活動-運動

A氏の活動状況について、入院前は会社経営者として勤務しており、日常生活動作はすべて自立していた。しかし、定期的な運動習慣はなく、デスクワーク中心の生活を送っていた。現在は入院2日目であり、主治医の指示により安静度はベッド上での体位変換と食事のみ許可されている状態である。

現在の日常生活動作について、体位変換は自力で可能で、上半身を45度まで挙上できている。食事は自力摂取が可能である。排尿は尿器を使用しており、看護師の見守りのもと自己にて実施できている。更衣に関しては、上着の着脱は自立しているが、下衣の着脱は看護師の介助を要する。清潔ケアは現在、看護師による清拭のみ実施している。

バイタルサインは、血圧132/78mmHg、脈拍68回/分・整、体温36.6℃、呼吸数16回/分、経皮的動脈血酸素飽和度99%(室内気)で安定している。血圧は4時間ごとの測定で収縮期血圧120-140mmHg、拡張期血圧70-85mmHgで推移している。呼吸機能は良好で、呼吸困難感の訴えはない。

血液データについて、赤血球数4.6×10⁶/μL、ヘモグロビン値13.8g/dL、ヘマトクリット値41.2%と貧血は認めていない。炎症反応を示すCRPは高値であるが、心筋梗塞による急性期反応として矛盾のない状態である。

転倒転落のリスクについて、現在は65歳という年齢や、入院による環境の変化、安静度制限による筋力低下の可能性を考慮する必要がある。また、夜間に2-3回程度の中途覚醒があることも転倒リスクの要因となる。しかし、認知機能は正常で、指示の理解は良好である。視力は両眼とも裸眼で0.7であり、必要時に老眼鏡を使用している。聴力は正常で、コミュニケーションに支障はない。

職業は会社経営者であり、仕事への早期復帰への意欲が強い。住居環境に関する具体的な情報は得られていないため、退院に向けて自宅環境の確認と必要な環境整備の検討が必要である。

今後の活動に関して、明日からは病棟内歩行が許可され、理学療法士による心臓リハビリテーションが開始となる予定である。段階的な活動範囲の拡大に際しては、以下の点に注意が必要である。まず、活動による心負荷の評価として、運動前後のバイタルサインの変化や自覚症状の確認を慎重に行う。特に、胸部症状や呼吸困難感の出現に注意を払う。また、運動強度は心臓リハビリテーションプログラムに従って段階的に上げていく必要がある。

必要な看護介入として、まず安全な離床に向けた支援が重要である。具体的には、初回離床時の血圧変動や起立性低血圧の有無を確認し、必要に応じて段階的な離床を進める。また、病棟内歩行開始後は、転倒予防のため環境整備を行い、必要時はナースコールの使用を指導する。

継続的な観察項目として、活動に伴うバイタルサインの変化、自覚症状の有無、疲労度、活動耐容能の変化などを注意深く観察する。また、65歳という年齢を考慮し、加齢による筋力低下や平衡機能の低下にも注意を払う必要がある。さらに、活動範囲拡大に伴う心負荷の増大について、心電図モニターの変化や胸部症状の出現にも留意する。

退院後の生活を見据えて、仕事復帰に向けた段階的な活動拡大計画を、本人の希望を考慮しながら多職種で検討する必要がある。また、自宅での運動方法や活動量の調整について、具体的な指導を行うことも重要である。

看護問題の明確化

#疾患に伴う心機能低下に関連した活動耐性低下
#疾患に伴う安静度制限に関連した転倒・転落のリスク状態
#疾患に伴う活動制限による筋力低下のリスク状態

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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