本事例の要約
78歳男性A氏の誤嚥性肺炎による入院で、発熱と呼吸困難を主訴に救急搬送され、入院後に重度の嚥下機能低下を認め経鼻経管栄養を開始した。今後はリハビリテーションをしながら経口摂取を進めていく予定。
看護計画 #1
看護問題
#嚥下機能低下に関連した誤嚥性肺炎悪化のリスクがある
長期目標
誤嚥性肺炎の再発なく、安全に経口摂取ができる
短期目標
肺炎の症状が改善し、発熱や呼吸困難感が消失する
嚥下機能が改善し、経管栄養から経口摂取への移行が開始できる
≪O-P≫観察計画
・体温、脈拍、血圧、呼吸数、経皮的動脈血酸素飽和度の変化を観察する
・咳嗽の有無と性状、痰の量と性状を観察する
・呼吸音の左右差や異常音の有無を観察する
・嚥下反射の強さと咽頭反射の有無を観察する
・口腔内の乾燥状態や残渣の有無を観察する
・むせこみや咳込みの頻度と程度を観察する
・経鼻経管栄養中の嘔気・嘔吐の有無を観察する
・腹部膨満感や腹痛の有無を観察する
・意識レベルとせん妄症状の変化を観察する
・栄養状態と体重の推移を観察する
・血液検査値(炎症反応)の推移を確認する
・疲労度や活動耐性の程度を観察する
≪T-P≫援助計画
・経鼻経管栄養チューブの位置を確認し、固定状態を整える
・経管栄養剤注入前に胃内容物の残渣を確認する
・経管栄養剤注入時は30~45度の半坐位を保持する
・経管栄養剤注入後30分間は半坐位を維持する
・1日3回の口腔ケアを実施する
・含嗽困難時は口腔内の清拭を丁寧に行う
・義歯の洗浄と保管を適切に行う
・言語聴覚士と協働して嚥下訓練を実施する
・理学療法士と協働して呼吸リハビリテーションを実施する
・日中の覚醒を促し、活動と休息のバランスを整える
・転倒予防のための環境整備を行う
・不穏時は安全を確保しながら付き添う
≪E-P≫教育・指導計画
・嚥下機能低下の早期発見方法について説明する
・誤嚥予防のための姿勢や食事方法について説明する
・口腔ケアの重要性と具体的な方法を説明する
・体調変化時の早期受診の必要性について説明する
・禁煙継続の重要性について説明する
・退院後の生活における注意点を家族と共に確認する
・家族の支援を受け入れることの重要性を説明する
・自宅での運動継続の必要性と方法について説明する
看護計画 #2
看護問題
#嚥下機能低下に関連した誤嚥性肺炎悪化のリスクがある
長期目標
転倒・転落することなく、安全に日常生活動作が自立できる
短期目標
せん妄症状が改善し、見当識が回復する
看護師の見守りのもと、安全に病棟内の歩行ができる
≪O-P≫観察計画
・意識レベルとせん妄症状の程度を観察する
・見当識の状態を観察する
・活動時の血圧、脈拍、呼吸数、酸素飽和度の変化を観察する
・めまいや立ちくらみの有無を観察する
・疲労度と活動耐性の程度を観察する
・筋力の左右差と筋力低下の程度を観察する
・バランス機能と姿勢保持の状態を観察する
・移動時の歩行状態や不安定さを観察する
・医療機器のルート類による行動制限の程度を観察する
・夜間の睡眠状態と不穏の有無を観察する
・ナースコールの使用状況を観察する
・危険行動の有無と種類を観察する
≪T-P≫援助計画
・危険度に合わせてベッド柵を設置し、必要時はセンサーマットを使用する
・必要物品は手の届く範囲に配置する
・医療機器のルート類は整理し、移動の妨げにならないよう固定する
・夜間は足元が確認できる程度の照明を確保する
・移動時は必ず看護師が付き添い、安全を確保する
・ポータブルトイレは適切な高さに調整し、手すりを設置する
・履物は滑りにくい、踵のある物を使用する
・日中は活動を促し、生活リズムを整える
・必要な休息を確保しながら、段階的に活動範囲を拡大する
・理学療法士と協働し、筋力維持のための運動を実施する
・トイレ誘導は排泄パターンを把握して行う
・移動時は十分な酸素化を確保する
≪E-P≫教育・指導計画
・ナースコールの使用方法と必要性について説明する
・安全な移動方法と注意点について説明する
・医療機器のルート類の取り扱いについて説明する
・めまいや疲労を感じた時の対処方法を説明する
・休息の必要性と適切な活動量について説明する
・家族に対し、付き添い時の注意点を説明する
・家族に対し、自宅環境の整備について説明する
・無理のない範囲での運動方法について説明する
事例の目次
【ゴードン】誤嚥性肺炎 入院5日目(0006)| 今回の情報
1.健康知覚-健康管理
2.栄養-代謝
3.排泄
4.活動-運動
5.睡眠-休息
6.認知-知覚
7.自己知覚-自己概念
8.役割-関係
9.性-生殖
10.コーピング-ストレス耐性
11.価値-信念
看護計画
この記事の執筆者

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり
看護の攻略部屋wiki
看護学生をお助け | 看護過程の見本 | 完全無料でコピー&ペースト(コピペ)OK
コメント