【ゴードン】誤嚥性肺炎 入院5日目(0006)| 11.価値-信念

ゴードン

本事例の要約

78歳男性A氏の誤嚥性肺炎による入院で、発熱と呼吸困難を主訴に救急搬送され、入院後に重度の嚥下機能低下を認め経鼻経管栄養を開始した。今後はリハビリテーションをしながら経口摂取を進めていく予定。

11.価値-信念

A氏は特定の信仰は持っていないものの、40年間の製造ライン管理職としての経験から形成された価値観や生活信条を持っていると考えられる。几帳面で社交的でありながら自己主張を控えめにする性格特性は、長年の職業生活を通じて培われた価値観の表れと推測される。

意思決定における価値観として、「息子たちは忙しいから、あまり頼りたくない」という発言から、家族に負担をかけたくないという思いと自立性を重視する傾向が読み取れる。また、入院時の「管を入れるのは嫌だが、早く良くなりたい」という発言からは、治療に対する抵抗感と回復への意欲が混在する中で、最終的に治療を受け入れる判断をしている。この意思決定過程からは、理性的に状況を判断する傾向が伺える。

生活における目標や価値観について、具体的な情報は不足している。特に、現在の入院生活や今後の療養に関する本人の考えや希望、生きがいとなっているものについての情報収集が必要である。また、これまでの人生における重要な価値観や、生活信条となっているものについても把握する必要がある。

必要な看護介入として、まず患者の価値観や信念を理解し、尊重した関わりが重要である。特に、自立性を重視する価値観を踏まえ、可能な限り患者の自己決定を支援する必要がある。

継続的な観察が必要な項目として、治療や看護ケアに対する受け入れ状況、意思決定の過程、家族との関係性における価値観の表れなどが挙げられる。特に、せん妄状態による判断力の変動がある中で、患者の本来の価値観や願いを見失わないよう注意深い観察が必要である。

さらなる情報収集が必要な項目として、人生における重要な出来事とその意味づけ、生きがいとなっている活動や関係性、将来の生活に対する希望や不安、終末期医療に対する考えなどが挙げられる。これらの情報は、その人らしい療養生活を支援する上で重要である。

また、長男との予定されている家族カンファレンスでは、患者の価値観や生活信条についても共有し、今後の療養生活における意思決定支援の方針について話し合う必要がある。このとき、患者の自立性を重視する価値観と、必要なケアの提供のバランスについて、家族と共に検討することが重要である。

看護問題の明確化

なし

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

看護の攻略部屋wiki

看護学生をお助け | 看護過程の見本 | 完全無料でコピー&ペースト(コピペ)OK


コメント

タイトルとURLをコピーしました