【ゴードン】Ⅱ型糖尿病 教育入院(0002)| 11.価値-信念

ゴードン

本事例の要約

この事例は、不適切な食事習慣と運動不足により肥満(BMI 29.4)を呈し、血糖コントロール不良となった45歳男性のⅡ型糖尿病患者の教育入院における看護介入事例である。IT企業の中間管理職として働くA氏は、多忙な業務により不規則な生活を送っており、特に食事の量や時間が不規則で、運動習慣がない生活を続けていた。今回、定期健康診断での著しい血糖値の上昇を契機に、生活習慣の改善と糖尿病自己管理能力の獲得を目的として教育入院となった。入院3日目の時点での看護展開を行う。

11.価値-信念

A氏の価値観の中心は仕事に置かれており、中間管理職としての責任感と仕事への熱心さが顕著である。この仕事優先の価値観は、自身の健康管理よりも業務遂行を重視する行動として表れており、結果として不規則な生活習慣や治療の遅れにつながっている。特に「仕事が忙しくて、食事の時間も不規則になってしまう」という発言からは、仕事と健康管理の優先順位において、仕事を上位に位置付けている価値判断が読み取れると考える。

宗教や信仰については特にないことが確認されているが、生活における信念や目標に関する具体的な情報は不足している。特に、家族との関係性における価値観や、自身の健康に対する考え方、将来の生活設計に関する目標など、より詳細な情報収集が必要である。

現在の健康状態に対しては「このまま放っておくと重症化するのではないか」という不安を抱えているものの、その認識が具体的な行動変容につながっていない状況である。この背景には、健康管理に対する価値観が明確に形成されていない可能性や、仕事との両立に対する具体的なビジョンの欠如が考えられる。

看護介入としては、まずA氏の価値観や信念について、より深い理解を得るための対話を継続することが重要である。特に、仕事を重視する背景にある考え方や、家族との関係性に対する思い、将来の生活に対する展望などについて、丁寧に聞き取りを行う必要がある。

その上で、仕事と健康管理の両立が可能であることを具体的な例を挙げながら説明し、新たな価値観の形成を支援することが必要である。特に、健康管理を仕事のパフォーマンス向上につながる投資として捉え直すことや、家族との時間を確保することの重要性について理解を促すことが望ましい。

また、具体的な目標設定を支援し、段階的な達成を通じて自己効力感を高めていく必要がある。目標設定においては、仕事との両立が可能な現実的な内容とし、成功体験を積み重ねられるよう配慮することが重要である。

看護問題の明確化

なし

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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