【ゴードン】統合失調症 入院21日目 (0010)| 5.睡眠-休息

ゴードン

本事例の要約

大手IT企業に勤務するシステムエンジニアが、重要なプロジェクトをきっかけに不眠と被害妄想が出現し、その後幻聴も伴うようになった。自宅での興奮行動がみられたため医療保護入院となり、薬物療法により徐々に症状が改善している統合失調症の事例。介入日は2月3日。

5.睡眠-休息

睡眠-休息の状況について、入院前は仕事が忙しい時期には夜遅くまで仕事をしており、睡眠時間は平均4-5時間程度と不規則であった。特に入院2ヶ月前からは重要なプロジェクトを任されたことをきっかけに不眠が続いていた。完璧主義的な性格から仕事への責任感が強く、適切な休息が取れない状況が持続していたと考えられる。休日の過ごし方については、友人と時々飲酒する程度の情報しか得られていない。

入院後は、強い興奮状態と幻聴・被害妄想により睡眠が障害される可能性があったため、不眠対策としてブロチゾラム2.5mg/日が開始された。現在は薬剤の効果により6-7時間の睡眠時間が確保できている。しかし、睡眠の質や熟眠感についての具体的な情報は得られていない。また、日中の過ごし方については、デイルームで過ごすことができ、他患者との簡単な会話も可能となっているが、活動内容の詳細や休息の取り方については情報が不足している。

薬物療法の面では、リスペリドン4mg/日が朝食後2mg、夕食後2mgで投与されており、抗精神病薬の副作用として日中の傾眠が出現する可能性がある。また、ビペリデン2mg/日も服用しており、これらの薬剤の相互作用による睡眠への影響についても注意が必要である。

以上のアセスメントから、以下の看護介入が必要である。まず、睡眠時間だけでなく、睡眠の質や熟眠感、中途覚醒の有無などについて詳細な観察と記録を行う必要がある。睡眠導入剤の効果と副作用についても継続的な評価が重要である。

日中の活動については、デイルームでの過ごし方に加えて、作業療法への参加など、適度な活動と休息のバランスを整えていく必要がある。特に、入院前の不規則な生活リズムが症状悪化の一因となった可能性があるため、規則正しい生活リズムの確立が重要である。

また、向精神薬による日中の傾眠について観察を行い、必要に応じて投薬時間の調整を検討する必要がある。夜間の睡眠が十分に確保できている場合は、睡眠導入剤の減量も視野に入れた評価が必要である。

退院後の生活を見据えて、適切な睡眠-覚醒リズムの確立と維持について、本人への教育的支援も重要である。特に、システムエンジニアとしての復職を考慮すると、仕事と休息のバランスをとる方法について具体的な指導が必要である。

不足している情報として、現在の睡眠の質(入眠までの時間、中途覚醒の有無、熟眠感など)、日中の活動内容と休息の取り方の詳細、睡眠に対する本人の認識や希望、入院前の休日の過ごし方などについて、追加の情報収集が必要である。また、家族から入院前の睡眠習慣や生活リズムについても、より詳細な情報を得る必要がある。

看護問題の明確化

#精神症状と向精神薬に関連した睡眠パターンの混乱

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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