【ヘンダーソン】関節リウマチ 入院4日目(0017)| 1.正常に呼吸する

ヘンダーソン

事例の要約

これは関節リウマチと診断され、疼痛コントロール目的で入院となった60代女性の入院4日目の事例です。入院後、疼痛管理と関節機能の評価が行われている段階であり、今後の治療方針の確立と退院に向けた準備が進められている状況である。11月15日介入。

1.正常に呼吸する

A氏は65歳の女性で、関節リウマチと診断され入院中である。関節リウマチは自己免疫疾患であり、主に関節の滑膜に炎症を引き起こす疾患である。関節リウマチの薬物療法としてメトトレキサートとプレドニゾロンを使用しているが、これらの薬剤は免疫抑制作用があるため、感染症のリスクが高まる可能性がある。また、長期的なステロイド使用は間質性肺炎などの肺合併症を引き起こす可能性もあるため、呼吸状態の観察は重要である。

A氏の入院時の呼吸数は18回/分であり、現在は16回/分と安定している。これは成人の正常範囲内(12~20回/分)である。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は入院時98%(室内気)、現在99%(室内気)と良好な値を維持している。肺雑音については情報がないため、聴診による評価が必要である。また、呼吸機能検査や胸部レントゲン検査の結果についても情報がないため、これらの検査が実施されているか確認し、データを収集する必要がある。関節リウマチ患者では肺病変(間質性肺炎、胸膜炎など)を合併することがあるため、これらの検査結果の確認は重要である。特にメトトレキサートは間質性肺炎などの肺障害を引き起こす可能性があるため、定期的な評価が必要である。

現在の情報では、A氏が呼吸苦、息切れ、咳、痰などの呼吸器症状を訴えている記載はない。しかし、これらの症状の有無について明確な記載がないため、詳細な情報収集が必要である。関節リウマチの肺合併症や薬剤による副作用が出現する可能性があるため、定期的な症状の確認と観察が重要である。また、A氏は高齢であり、加齢に伴う呼吸機能の低下(肺活量の減少、換気予備力の低下など)も考慮する必要がある。

提供された情報によると、A氏は喫煙歴がないことが明記されている。喫煙は呼吸器疾患のリスク因子であるため、非喫煙者であることはA氏の呼吸機能にとって好ましい因子である。

A氏はペニシリン系抗生物質でじんましんの既往があるが、呼吸に関連したアレルギー(気管支喘息など)についての記載はない。ただし、薬剤アレルギーがある患者は他のアレルギーを持つ可能性も考慮し、詳細な問診が必要である。特に関節リウマチ治療薬による薬剤性肺障害のリスクがあるため、アレルギー歴の詳細な把握は重要である。

A氏は入院前、自宅で夫と二人暮らしをしており、退職前は小学校教師として勤務していた。現在は関節痛により動作がやや緩慢になっているものの、病棟内は独歩で移動可能である。日常生活動作の制限は主に関節症状によるものであり、呼吸機能に由来する活動制限の記載はない。しかし、関節症状による活動制限が二次的に呼吸機能に影響を与える可能性も考慮する必要がある。特に、高齢者では活動量の低下による呼吸筋の弱化や肺胞換気量の減少が起こりやすいため、継続的な観察が必要である。

関節リウマチは関節外症状として呼吸器系に影響を及ぼすことがある。具体的には間質性肺炎、胸膜炎、リウマトイド結節などが挙げられる。A氏の場合、現時点では明らかな呼吸器症状の記載はないが、疾患の進行に伴い呼吸器系合併症が発症する可能性があるため注意深い観察が必要である。また、メトトレキサートやプレドニゾロンといった治療薬による肺障害(薬剤性肺障害)のリスクもあるため、定期的な評価が重要である。

A氏は65歳であり、加齢に伴う呼吸機能の変化が生じている可能性がある。高齢者では肺の弾性収縮力の低下、胸郭コンプライアンスの低下、呼吸筋力の低下などにより、換気能力が減少する傾向がある。また、肺胞数の減少により拡散能も低下し、動脈血酸素分圧が若干低下することが一般的である。しかし、A氏のSpO2値は99%と良好であり、現時点では加齢による呼吸機能低下の顕著な影響は認められていないと考えられる。ただし、今後の経過観察は必要である。

現時点でA氏の呼吸状態は安定しているが、関節リウマチの肺合併症や治療薬の副作用に注意した定期的な観察が必要である。具体的な看護介入として、バイタルサイン(特に呼吸数、SpO2)の定期的な測定と記録、呼吸音の聴診による評価、呼吸器症状(呼吸苦、息切れ、咳、痰など)の有無と性状の観察、関節症状による活動制限が呼吸機能に与える影響の評価、薬剤性肺障害の早期発見のための観察(乾性咳嗽、発熱、呼吸困難など)、必要に応じた呼吸機能検査や胸部レントゲン検査の結果確認、関節リウマチの治療経過とともに変化する可能性のある呼吸状態の継続的な評価が考えられる。

A氏の呼吸に関するニーズは現時点では充足していると考えられる。呼吸数は正常範囲内であり、SpO2も良好な値を維持している。呼吸苦や息切れの訴えもなく、日常生活動作における呼吸機能由来の制限は認められていない。しかし、関節リウマチの肺合併症や治療薬による副作用のリスクがあるため、継続的な観察と評価が必要である。また、肺雑音、呼吸機能検査、胸部レントゲン検査などの情報が不足しているため、これらの情報収集を行い、より詳細な評価を行う必要がある。

看護問題の明確化

なし

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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