【ヘンダーソン】慢性腎不全 生活習慣の改善が課題(0009)14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる

ヘンダーソン

事例の要約

1月25日に高血圧による腎機能障害で緊急入院となった65歳男性の製造業事務職A氏に対して、入院2日目の1月27日より、生活習慣の改善と透析予防に向けて看護介入を行う事例。

14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる

A氏は65歳であり、エリクソンの発達段階では統合対絶望の段階にある。この時期は、人生を振り返り、これまでの経験や選択を受容し、意味づけを行う重要な時期である。現在の健康危機は、これまでの生活習慣を見直し、新たな生活様式を確立する転換点となる可能性がある。

疾患理解については、医師から透析導入のリスクについて説明を受け、生活習慣の改善の必要性を強く認識している状態である。「これまで体調の変化を甘く見ていた」という発言からは、過去の健康管理における自己の課題を客観的に認識できている。また、「今回の入院を機に生活習慣を改善したい」という前向きな発言からは、学習への意欲が示されている。

高血圧性腎症による慢性腎臓病の病態や治療に関する理解度については、さらなる評価が必要である。特に、20年来の高血圧症に対する自己管理が不十分であったことから、疾病管理に関する知識や理解度の詳細な確認が求められる。現在実施されている治療内容(降圧剤の内服、塩分制限食6g/日、水分制限1500ml/日)についての理解度も継続的に評価する必要がある。

認知機能については、医療者とのコミュニケーションは良好で、説明内容を適切に理解し、自身の状態を表現できている。また、65歳という年齢を考慮しても、新しい情報の受容や理解に支障はないと判断される。

学習機会への家族の参加については、妻がキーパーソンとして積極的に支援する姿勢を示している。特に食事管理について「退院後は塩分制限に気をつけた食事を作りたい」という具体的な支援意向を表明している。また、週末に面会に来る長女も生活改善の支援に協力的である。この家族の支援体制は、新しい生活習慣の確立において重要な資源となる。

加齢による影響としては、65歳という年齢を考慮すると、新しい生活習慣の習得にやや時間を要する可能性がある。特に、45年間継続していた喫煙習慣の中止や、長年の食習慣の変更には、より丁寧な支援と段階的なアプローチが必要である。

必要な看護介入として、以下の点に注目する必要がある。慢性腎臓病の病態と治療に関する理解度の評価と、必要に応じた追加の説明を行う。塩分制限や水分制限の意義について、具体的な数値や実践方法を含めた指導を実施する。血圧測定の手技指導や記録方法の確認を行い、自己管理能力の向上を支援する。また、妻や長女を含めた家族への指導機会を設け、退院後の生活支援体制を強化する。

継続的な観察が必要な点として、学習内容の理解度と実践状況の確認がある。特に、塩分制限食や水分制限の遵守状況、服薬管理の状況、血圧測定値の記録状況などを定期的に評価する必要がある。また、禁煙の継続状況と、それに伴うストレスの有無についても観察を続ける必要がある。

ニーズの充足状況については、学習意欲は高く、家族の支援体制も整っているが、実践的な知識や技術の習得はまだ十分とは言えない状態である。しかし、本人の意欲と家族の支援、医療者による適切な指導により、徐々に充足されていく可能性が高い。

看護問題の明確化

#慢性腎臓病による生活習慣の変更必要性に関連した健康管理の学習ニーズ

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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