【ヘンダーソン】慢性腎不全 生活習慣の改善が課題(0009)10.自分の感情、欲求、恐怖あるいは気分を表現して他者とコミュニケーションを持つ

ヘンダーソン

事例の要約

1月25日に高血圧による腎機能障害で緊急入院となった65歳男性の製造業事務職A氏に対して、入院2日目の1月27日より、生活習慣の改善と透析予防に向けて看護介入を行う事例。

10.自分の感情、欲求、恐怖あるいは気分を表現して他者とコミュニケーションを持つ

A氏の性格は几帳面で真面目であり、医療者とのコミュニケーションは良好で、自身の症状や気持ちを適切に表現できている。入院後は「少し楽になってきた気がします」と自覚症状の改善を自ら表現し、また「これまで体調の変化を甘く見ていました」と自己の健康管理に対する振り返りも行えている。体調管理については楽観的な面があるものの、入院を機に生活習慣改善への意欲を示している。

家族関係については、63歳の妻がキーパーソンであり、主な支援者となっている。妻は「この入院を機に、夫の生活が変わってくれることを願っています」と期待を寄せており、特に食事管理について「退院後は塩分制限に気をつけた食事を作りたい」と具体的な支援の意向を示している。隣市に住む38歳の長女も週末に様子を見に来ており、家族による精神的・実践的なサポート体制が整っている

言語障害の記載はなく、視力は矯正なしで日常生活に支障はない。聴力も正常で会話に問題はないため、メガネや補聴器の使用は必要としていない。65歳という年齢を考慮しても、コミュニケーションに影響を及ぼす感覚機能の低下は認められない。

認知機能は良好で、医療者の説明を理解し、適切な反応を示すことができている。長年の生活習慣を変更することへの不安を表出できており、感情表現も適切である。また、治療や生活改善の必要性についても理解を示している。

面会に関しては、長女が週末に定期的に来訪しており、妻も面会に訪れている。ただし、具体的な面会頻度や時間帯については記載がないため、詳細な情報収集が必要である。また、その他の家族や友人などの面会者の有無についても確認が必要である。

以上を踏まえ、以下の看護介入が必要である。

まず、生活習慣の改善に対する不安や戸惑いについて、傾聴の機会を定期的に設ける。特に、長年の習慣を変更することへの心理的負担に配慮し、段階的な目標設定を支援する。また、禁煙開始に伴うストレスについても、定期的な声かけと支援を行う。

家族の支援意欲を活かし、特に妻との協力体制を強化する。退院後の食事管理や服薬管理について、具体的な方法を家族とともに検討し、実践的な指導を行う。長女の来訪時には、現状の理解と支援方法について情報共有を行う。

継続的な観察が必要な点として、生活習慣改善に対する意欲の維持、ストレス状態の変化、家族との関係性の変化が挙げられる。また、退院後の外来受診に向けて、医療者との良好な関係性を維持・発展させることも重要である。

感情表現とコミュニケーションに関するニーズの充足状況としては、現時点では充足されている。これは、認知機能が保たれており、適切な感情表現とコミュニケーションが可能であること、また家族のサポート体制が整っていることが主な要因である。ただし、生活習慣の改善に伴うストレスや不安に対して、継続的な支援が必要である。

看護問題の明確化

なし

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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