【ヘンダーソン】慢性腎不全 生活習慣の改善が課題(0009)6.適切な衣類を選び、着脱する

ヘンダーソン

事例の要約

1月25日に高血圧による腎機能障害で緊急入院となった65歳男性の製造業事務職A氏に対して、入院2日目の1月27日より、生活習慣の改善と透析予防に向けて看護介入を行う事例。

6.適切な衣類を選び、着脱する

日常生活動作(ADL)の観点から、A氏は基本的な動作の自立度は保たれており、衣類の着脱は自立している。ただし、両下腿の浮腫が残存しているため、ズボンの着脱に時間を要する状況にある。運動機能については、病棟内の短距離歩行が可能であり、上肢の可動域制限や筋力低下を示唆する記載はない。認知機能は良好で、医療者とのコミュニケーションも適切に行えており、着脱に影響を及ぼす認知機能の低下は認められない。麻痺の記載はなく、感覚障害も報告されていない。

活動意欲に関しては、入院を契機とした生活改善への意欲が見られ、これは着替えなどの基本的な自己管理活動にも良い影響を与えていると考えられる。現在は点滴を使用しており、移動時には点滴スタンドを使用しているが、ふらつきはなく安定している。点滴ラインがある状態での衣服の着脱には注意が必要であるが、現時点で支障は生じていない

身体状態として、体温は36.8℃と発熱は認められず、吐気の記載もない。しかし、倦怠感は残存しており、これは着替えなどの日常生活動作に影響を与える可能性がある。特に朝の更衣時には、夜間の睡眠が不安定であることも影響して、疲労が強く現れる可能性がある。

65歳という年齢を考慮すると、加齢に伴う筋力低下や関節の柔軟性の低下が潜在的に存在する可能性があり、特に下肢の浮腫と併せて、ズボンの着脱時の動作に影響を与えている可能性がある。

以上を踏まえ、以下の看護介入が必要である。

まず、下腿浮腫に対する管理を継続し、浮腫の改善を図ることで、ズボンの着脱がより容易になるよう支援する。また、点滴ラインの管理について、着替え時の注意点を具体的に説明し、安全な着脱方法を指導する。

倦怠感に配慮し、特に朝の更衣時には十分な時間的余裕を持って行えるよう配慮する。必要に応じて、着替えやすい病衣の選択や、座位での着替えの方法など、効率的な着脱方法を提案する。

退院後の生活を見据え、浮腫がある状態での効果的な着替え方法や、疲労時の対処方法について具体的な指導を行う必要がある。また、自宅での更衣に適した環境調整(手すりの設置など)について、必要性を評価し提案することも考慮する。

継続的な観察が必要な点として、浮腫の程度と着脱動作への影響、倦怠感の程度とその日内変動、点滴ラインの自己管理状況が挙げられる。また、退院に向けて、自宅での更衣に関する具体的なニーズの確認も必要である。

衣類の選択と着脱に関するニーズの充足状況としては、現時点では概ね充足されている。これは、認知機能が保たれており、基本的な着脱動作が自立していることが主な要因である。ただし、浮腫による着脱時間の延長や倦怠感の影響があることから、より効率的で負担の少ない方法の確立に向けて、継続的な支援が必要である。

看護問題の明確化

#疾患に伴う下腿浮腫に関連した衣服の着脱における不安定性

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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