【ヘンダーソン】脳梗塞 左片麻痺(0003)| 11.自分の信仰に従って礼拝する

ヘンダーソン

事例の要約

85歳の男性A氏は、突然の左半身麻痺と言語障害により発症から2時間以内にrt-PA療法を実施し、その後リハビリテーションを行っている右中大脳動脈領域の脳梗塞の事例。介入は入院7日目である。

11.自分の信仰に従って礼拝する

A氏は仏教を信仰しており、自宅では仏壇があり、毎朝神棚に向かって拝むことを日課としていた。入院中も枕元に小さな仏像を置き、心の安寧を得ている状況である。入院前は地域の将棋サークルや学習支援ボランティアに参加するなど、社会貢献の精神も持ち合わせている。

現在は左半身麻痺により身体機能が制限され、これまでのような礼拝の姿勢を保つことが困難な状態にあると推測される。また、環境の変化による不眠や不穏も時折見られることから、精神的な安定を図るために、信仰による心の支えが不安軽減の一つの方法と考えられる。

必要な看護介入として、まず可能な範囲での礼拝行為の継続支援が重要である。具体的には、ベッド上での安全な礼拝姿勢の工夫や、仏像の配置を本人の希望に沿って調整することが挙げられる。また、左半身麻痺のリハビリテーションの進行に合わせて、段階的に礼拝動作の自立度を高めていく支援も必要である。

精神的な安定を図るため、本人の信仰心を尊重し、不安や悩みを傾聴する姿勢で関わることも重要である。特に夜間の不眠や不穏時には、仏像を通じた心の安寧が得られるよう配慮する必要がある。

退院後の生活を見据え、自宅での仏壇参りや礼拝が安全に行えるよう、家族を含めた環境調整の検討も必要である。特に、仏壇や神棚の前での起立・着座動作の安全性確保について、理学療法士や作業療法士と連携しながら評価していく必要がある。

継続的な観察が必要な項目として、礼拝時の姿勢や安全性、精神状態の変化、信仰を通じた心の安定度が挙げられる。また、家族との関係性の中で、信仰に関する支援の必要性についても確認を続ける必要がある。

以上のことから、信仰に関するニーズは、枕元への仏像の配置により最低限の精神的安寧は得られているものの、身体機能の制限により従来のような礼拝行為が十分に行えない状態である。そのため、現時点ではニーズの完全な充足には至っていないと判断される。また、退院後の信仰生活の継続に向けて、具体的な環境調整と支援方法の検討が必要な状況である。

看護問題の明確化

# 脳梗塞に伴う左半身麻痺による身体機能低下に関連した礼拝行為の制限

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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