【ヘンダーソン】脳梗塞 左片麻痺(0003)| 7.体温を生理的範囲内に維持する

ヘンダーソン

事例の要約

85歳の男性A氏は、突然の左半身麻痺と言語障害により発症から2時間以内にrt-PA療法を実施し、その後リハビリテーションを行っている右中大脳動脈領域の脳梗塞の事例。介入は入院7日目である。

7.体温を生理的範囲内に維持する

A氏の体温管理について、入院時のバイタルサインは体温36.8℃、血圧178/98mmHg、脈拍88回/分、経皮的酸素飽和度96%であり、入院7日目では体温36.7℃、血圧142/82mmHg、脈拍72回/分、経皮的酸素飽和度97%と安定している。炎症反応を示す血液データでは、白血球数が入院時9,800/μLから7,200/μLへ、CRPが2.8mg/dLから0.8mg/dLへと改善傾向にあり、急性期の炎症は沈静化しつつある状態である。

しかし、嚥下機能の低下(水飲みテスト3点)と左半身麻痺による活動制限は、誤嚥性肺炎のリスクを高めている。85歳という高齢により、体温調節機能の低下や感染への抵抗力の減弱が予測され、また発熱時の体温上昇が緩やかになる可能性がある。さらに、夜間の不眠や活動制限による体温リズムの乱れも懸念される。

必要な看護介入として、まず定期的なバイタルサイン測定と観察が重要である。医師の指示により、38℃以上の発熱時にはカロナール(200)1錠の使用が可能となっているが、嚥下機能低下がある患者であるため、発熱時は誤嚥性肺炎を疑い、早期に医師への報告を行う。また、誤嚥性肺炎予防のため、食事時の体位保持や口腔ケアの徹底が必要である。環境調整として、適切な室温管理や換気、必要に応じた衣類の調整も重要である。

追加で収集が必要な情報として、病室の具体的な温度・湿度の記録、体温の日内変動パターン、発汗の状況、皮膚の状態、室内の換気状況などが挙げられる。また、本人の温度感覚や温度に対する好みについても、より詳細な情報収集が必要である。

ニーズの充足状況としては、現時点で体温は生理的範囲内に維持されており、炎症反応も改善傾向にある。しかし、嚥下機能低下や活動制限、高齢による体温調節機能の低下などのリスク要因が存在するため、体温管理に関するニーズは部分的な充足に留まっていると判断される。継続的な観察と予防的介入が必要な状態である。

看護問題の明確化

# なし

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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