【ヘンダーソン】高血圧 入院7日目(0013)| 14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる

ヘンダーソン

事例の要約

58歳男性のA氏は、大手IT企業の管理職として過重労働が続く中、職場健康診断で収縮期血圧210mmHg、拡張期血圧118mmHgと著明な上昇を指摘され、高血圧緊急症の診断で即日入院となった。入院後、降圧治療により血圧は徐々に安定し、生活習慣の改善に向けた指導を受けている事例。介入日は1月28日(入院7日目)である。

14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる

A氏は58歳で、エリクソンの発達段階では成人後期に位置している。この時期の発達課題は生殖性対停滞であり、次世代の育成や社会への貢献が重要となる。A氏は大手IT企業の管理職として30名の部下を統括しており、職場での指導的役割を通じて発達課題に取り組んでいる状態である。

疾患と治療方法の理解については、認知機能に問題はなく、医療者との意思疎通も良好である。入院当初は翌日の会議出席を希望するなど仕事優先の姿勢が見られたが、主治医による説明で安静の必要性を理解し、受容することができている。このことから、病状や治療に関する理解力は良好であり、説明内容を適切に受け止める能力を有していると判断される。

健康管理に関する学習の必要性については、これまで自身の健康管理を後回しにする傾向があり、服薬も不規則で自己中断することが多かった。また、塩分の多い食事を好み、喫煙や飲酒習慣も定着していた。しかし、今回の高血圧緊急症による入院を契機として、生活習慣の改善に向けた学習への動機づけが高まっている状態にある。

入院5日目からは理学療法士による運動指導と管理栄養士による食事指導を開始しており、これらの指導に対して積極的に取り組む姿勢が見られる。特に、血圧管理の重要性や生活習慣の改善について、具体的な知識を得ようとする意欲が認められる。

家族の学習への参加については、妻が毎日面会に来ており、「今回の入院を機に、夫の生活習慣を改善させたい」という強い意向を示している。妻自身も「これまで夫の健康管理に無関心だった」という反省から、積極的に学習に参加する姿勢を示している。このような妻の協力的な態度は、A氏の学習支援において重要な資源となる。

今後の看護介入としては、以下の点に注意が必要である。血圧管理と生活習慣改善に関する教育を、本人の理解度と生活背景に合わせて段階的に実施する。特に、仕事との両立を考慮した実践的な健康管理方法について、具体的な指導を行う必要がある。

また、妻を含めた教育の機会を設定し、夫婦で協力して取り組める健康管理方法について指導する。退院後の生活を見据え、服薬管理、食事管理、運動習慣の確立など、具体的な行動計画の立案を支援する。定期的な評価と振り返りの機会を設け、必要に応じて計画の修正を行う。

さらに、外来での継続的なフォローアップ体制について説明し、長期的な健康管理への意欲を維持できるよう支援する。必要に応じて、患者会や健康教室などの社会資源についても情報提供を行う。

ニーズの充足状況については、疾患や治療に関する基本的な理解は得られており、学習への意欲も認められることから、学習のニーズは概ね充足されつつある。しかし、実践的な健康管理方法の習得と、それを継続していくための具体的なスキルについては、さらなる学習支援が必要である。

看護問題の明確化

#生活習慣の改善に関連した健康管理に関する知識不足

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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