【ヘンダーソン】高血圧 入院7日目(0013)| 2.適切に飲食する

ヘンダーソン

事例の要約

58歳男性のA氏は、大手IT企業の管理職として過重労働が続く中、職場健康診断で収縮期血圧210mmHg、拡張期血圧118mmHgと著明な上昇を指摘され、高血圧緊急症の診断で即日入院となった。入院後、降圧治療により血圧は徐々に安定し、生活習慣の改善に向けた指導を受けている事例。介入日は1月28日(入院7日目)である。

2.適切に飲食する

A氏の身体状況として、身長172cm、体重82kgから算出されるBMIは27.7kg/m²であり、肥満度1度に該当する。この体格状況に加えて、高血圧緊急症や脂質異常症を併発していることから、適切な栄養管理と体重管理が重要である。

食事摂取状況については、入院前は1日3食を確保していたものの、昼食は弁当、夕食は外食中心という特徴があった。特に塩分の多い食事を好む傾向があり、これは高血圧症の増悪因子となっていた可能性が高い。水分摂取量は約1000ml/日でコーヒーの摂取が多く、カフェインの過剰摂取が血圧上昇に関与していた可能性がある。また、ビール500mlを毎日摂取していた飲酒習慣も、栄養バランスや血圧管理に悪影響を及ぼしていたと考えられる。

現在の入院中の食事摂取状況は良好で、病院食を全量摂取できている。医師からは減塩食(6g/日)が指示されており、これは高血圧症の治療において適切な指示である。嚥下機能に問題はなく、食事摂取に支障をきたす要因は認められていない。ただし、口腔内の状態や残歯状況についての具体的な情報がないため、これらの評価が必要である。また、嘔吐や吐気の有無についても情報収集が必要である。

血液データからは、以下の栄養状態に関する所見が得られている。中性脂肪(TG)が265mg/dLから245mg/dLと高値が持続しており、LDLコレステロールも182mg/dLから162mg/dLと基準値を上回っている。これらの値は、これまでの食生活や運動不足が影響していると考えられる。ヘモグロビン(Hb)は14.8g/dLから14.5g/dLと基準値内を維持しており、貧血は認められない。総タンパク(TP)やアルブミン(Alb)の値についての記載はないため、タンパク質栄養状態の評価のために、これらの検査値の確認が必要である。

身体活動レベルについては、現在は病棟内歩行を1日3回、各15分程度実施している状況である。これは入院による活動制限のため、入院前と比較して活動量が減少していると考えられる。必要栄養量については、肥満度や現在の活動量を考慮した算出が必要である。

食事に関するアレルギーについては、記載されている情報から食物アレルギーはないことが確認されている。

看護介入として、以下の対応が必要である。まず、減塩食を中心とした食事療法の継続と、その重要性についての教育的介入を行う。具体的には、減塩調理の方法や外食時の食事選択の仕方について、実践的な指導を行う。また、適切な水分摂取量の確保と、カフェイン摂取の制限について指導する。禁酒の継続についても支援が必要である。さらに、管理栄養士と連携しながら、退院後の具体的な食事計画の立案を支援する。

毎日面会に来ている妻への教育も重要である。妻は専業主婦であり、A氏の食事管理に積極的に関わる意向を示していることから、家庭での減塩食の調理方法や、食事記録の付け方などについて具体的な指導を行う。

ニーズの充足状況については、現時点では病院食を全量摂取できており、基本的な栄養摂取は確保できているものの、高血圧症や脂質異常症の管理という観点からは、さらなる改善が必要な状態である。退院後の食生活改善に向けた具体的な計画と実行力の獲得が課題となっている。

看護問題の明確化

#不適切な食生活習慣に関連した効果的な健康管理の不足

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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