【ヘンダーソン】高血圧 入院7日目(0013)| 9.環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする

ヘンダーソン

事例の要約

58歳男性のA氏は、大手IT企業の管理職として過重労働が続く中、職場健康診断で収縮期血圧210mmHg、拡張期血圧118mmHgと著明な上昇を指摘され、高血圧緊急症の診断で即日入院となった。入院後、降圧治療により血圧は徐々に安定し、生活習慣の改善に向けた指導を受けている事例。介入日は1月28日(入院7日目)である。

9.環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする

A氏は58歳の男性で、認知機能に問題はなく、医療者との意思疎通も良好である。環境における危険因子の理解力は十分であり、病棟内の移動や生活動作は自立している。入院7日目の現在、1日3回の病棟内歩行を実施しており、歩行状態は安定している。しかし、高血圧緊急症による入院であり、血圧値の変動に伴う転倒リスクについては継続的な観察が必要である。

身体機能面では、視力・聴力ともに問題なく、知覚障害も認められない。これまでの転倒歴はないが、体重が82kgと標準より多いことから、急な体動による重心移動時のバランス崩れに注意が必要である。また、入院による環境の変化や活動制限によるストレスから、夜間のトイレ移動時などの事故リスクについても考慮する必要がある。

せん妄の発症リスクについては、年齢や突然の入院による環境変化、睡眠パターンの変化などが要因として考えられる。しかし、現在は眠剤を使用せずに7-8時間の睡眠が確保できており、見当識障害や異常行動は認められていない。今後も継続的な観察を行い、早期発見に努める必要がある。

皮膚の状態については、現時点での損傷は認められていない。しかし、長時間の臥床や活動制限による褥瘡発生のリスクについて観察が必要である。特に、体重が多いことから、背部や臀部などの圧迫部位の観察を定期的に実施する必要がある。

感染予防に関しては、手洗いの重要性について理解できており、実施できている。入院前の生活では仕事中心であったことから、感染予防に対する意識を高める必要がある。血液データでは、白血球数が9,200/μLと軽度上昇しているが、感染を示唆する明らかな臨床症状は認められていない。CRPの測定値に関する情報は得られていないため、必要に応じて追加の検査を検討する。

今後の看護介入としては、以下の点に注意が必要である。血圧値の変動に応じた活動制限の調整と、移動時の安全確認を継続する。夜間のトイレ移動時には、必要に応じてナースコールの使用を促す。褥瘡予防のため、体位変換や除圧の必要性について説明し、実施を促す。また、退院後の自宅環境における危険因子の確認と、予防策について妻を含めた指導を行う必要がある。

感染予防対策としては、手洗いの継続的な励行と、面会者に対する感染予防策の指導を行う。特に、毎日面会に来ている妻に対しても、適切な感染予防行動の実施について説明する必要がある。

ニーズの充足状況については、現時点での危険認識や感染予防に関する基本的な対策は実施できており、概ね充足していると判断される。しかし、退院後の生活における安全確保や感染予防の継続については、さらなる指導と支援が必要である。

看護問題の明確化

#高血圧緊急症に関連した転倒リスク状態
#活動制限に関連した褥瘡発生のリスク状態

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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