【ヘンダーソン】高血圧 入院7日目(0013)| 5.睡眠と休息をとる

ヘンダーソン

事例の要約

58歳男性のA氏は、大手IT企業の管理職として過重労働が続く中、職場健康診断で収縮期血圧210mmHg、拡張期血圧118mmHgと著明な上昇を指摘され、高血圧緊急症の診断で即日入院となった。入院後、降圧治療により血圧は徐々に安定し、生活習慣の改善に向けた指導を受けている事例。介入日は1月28日(入院7日目)である。

5.睡眠と休息をとる

A氏の睡眠状況について、入院前は仕事の影響により平均5-6時間の睡眠時間であり、睡眠不足の状態が継続していた。IT企業の管理職として30名の部下を統括する立場にあり、仕事による精神的なストレスや、不規則な生活リズムが睡眠に影響を与えていたと考えられる。また、数ヶ月前から時々頭痛や肩こりを自覚していたことも、睡眠の質に影響を及ぼしていた可能性がある。

現在の入院中の睡眠状況については、眠剤を使用せずに7-8時間の睡眠が確保できている。これは、仕事によるストレスからの一時的な解放と、規則正しい病院生活により、睡眠リズムが改善されたためと考えられる。ただし、夜間の睡眠の質や中途覚醒の有無、入眠時間、起床時間などの具体的な情報が不足しているため、これらの評価が必要である。

疼痛に関しては、入院前に自覚していた頭痛や肩こりについて、現在の状況を確認する必要がある。特に高血圧緊急症による頭痛の有無や程度について、定期的な評価が重要である。また、掻痒感の有無についての記載はないため、情報収集が必要である。

安静度については、現在は病棟内歩行が許可されており、1日3回、各15分程度の歩行を実施している。活動と休息のバランスは保たれているものの、入院による運動不足を気にしている様子が見られる。

疲労の状態については、入院前は仕事の多忙さにより慢性的な疲労状態であったことが推測される。現在の疲労度や、日中の活動による疲労の程度、休息による回復状況などについて、詳細な評価が必要である。

療養環境への適応状況として、入院当初は翌日の重要な会議への出席を強く希望するなど、入院による業務中断へのストレスが強く見られた。現在は治療の必要性を理解し協力的であるものの、「早く仕事に戻りたい」「部下たちが心配している」「できるだけ早く退院したい」という発言が続いており、仕事に関する心理的なストレスが持続している状態である。

看護介入として、以下の対応が必要である。まず、睡眠・休息状況の詳細な観察と記録を行う。特に、入眠時間、睡眠の質、中途覚醒の有無、起床時の疲労感などについて評価する。また、日中の活動と休息のバランスを整えるため、適切な運動量の設定と休息時間の確保を支援する。さらに、仕事に関するストレスの軽減に向けて、傾聴と支持的な関わりを継続する。

退院後の生活を見据えた指導も重要である。具体的には、睡眠衛生に関する教育として、就寝前のスマートフォン使用の制限、適切な室温や照明の調整、就寝前のリラクゼーション法などについて指導を行う。また、仕事と休息のバランスをとるための具体的な方策について、A氏の生活状況に合わせた提案を行う。

ニーズの充足状況については、現時点では必要な睡眠時間は確保できており、基本的なニーズは充足されている。しかし、仕事に関する心理的なストレスが持続していることから、質の高い睡眠と休息の確保という観点では、継続的な支援が必要な状態である。

看護問題の明確化

#仕事に関するストレスに関連した睡眠・休息パターンの変調リスク状態

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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