【ヘンダーソン】心不全 入院3日目(0005)| 12.達成感をもたらすような仕事をする

ヘンダーソン

事例の要約

慢性心不全の急性増悪により緊急入院となった72歳男性の事例である。入院3日目において、薬物療法と水分・塩分制限により症状の改善を認めており、今後は再発予防に向けた生活指導と退院支援を要する事例である。

12.達成感をもたらすような仕事をする

職業歴として、電気工事士として40年間勤務し、5年前に退職している。長年の職業経験は専門的な技術と知識を有していることを示しており、これまでの人生における重要な達成感の源泉であったと考えられる。ただし、退職後の生活における役割や生きがいについての具体的な情報が不足しており、追加の情報収集が必要である。

家庭内での役割については、妻との二人暮らしであり、近所に長男家族が在住している。家族関係は良好で、特に妻は療養支援に積極的であり、食事の管理や服薬管理を担当している。ただし、心不全の症状により、これまで家庭内で担っていた役割に制限が生じている可能性があり、この点についての詳細な情報収集が必要である。

現在の入院による影響として、日常生活動作に一定の制限がある。病棟内の歩行は見守りが必要で、入浴も制限されている状態である。このような活動制限は、自己効力感や達成感に影響を与える可能性がある。特に、これまで自立して行えていた活動が制限されることによる心理的影響について、注意深い観察が必要である。

心不全という疾患が役割に与える影響として、活動耐性の低下が挙げられる。呼吸困難感により連続歩行距離が50m程度に制限されており、これは社会活動や家庭内での役割遂行に影響を与える可能性がある。また、水分制限や塩分制限などの自己管理が必要となることで、社会活動や対人関係にも影響が及ぶ可能性がある。

加齢による影響として、72歳という年齢では一般的に社会的役割の変化が生じる時期である。退職後の新たな役割の確立や、身体機能の変化に応じた役割の調整が必要となる。特に、心不全という慢性疾患を抱えながら、いかに満足できる役割を見出していくかが重要となる。

看護介入として必要な点は、以下の通りである。まず、入院前の日常生活における役割や活動内容について詳細に把握する。特に、本人が重要と考える役割や、達成感を得ていた活動について理解を深める。その上で、心不全の症状管理と両立可能な活動レベルを検討し、段階的な活動拡大を支援する。

継続的な観察が必要な点として、活動制限に対する受け入れ状況、気分の変化、達成感や自己効力感の程度が挙げられる。また、家族との関係性の変化や、新たな役割の模索についても注意を払う必要がある。

将来的な自宅療養に向けては、心不全の自己管理と両立可能な役割の再構築が重要となる。特に、症状管理を適切に行いながら、生きがいを持って生活できるような具体的な活動方法を本人とともに検討する必要がある。また、家族の支援を得ながら、無理のない範囲で役割を維持・調整していく方法を考える必要がある。

地域資源の活用も考慮する必要がある。地域包括支援センターとの連携が予定されており、これを通じて地域での新たな役割や活動の機会を見出すことも可能かもしれない。

ニーズの充足状況については、現時点では心不全症状により活動が制限され、従来の役割遂行に支障をきたしている状態である。退職後の新たな役割や生きがいに関する情報も不足しており、この面でのニーズ充足状況の評価には追加の情報収集が必要である。ただし、家族による支援体制は整っており、この支援を活用しながら新たな役割の確立を目指すことが可能な状態である。

看護問題の明確化

#心不全症状に伴う活動耐性低下に関連した役割遂行障害

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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