【ヘンダーソン】関節リウマチ 入院4日目(0017)| 看護計画

ヘンダーソン

事例の要約

これは関節リウマチと診断され、疼痛コントロール目的で入院となった60代女性の入院4日目の事例です。入院後、疼痛管理と関節機能の評価が行われている段階であり、今後の治療方針の確立と退院に向けた準備が進められている状況である。11月15日介入。

看護計画#1

看護問題

#関節リウマチに伴う関節痛と朝のこわばりに関連した活動性の低下

長期目標

退院までに関節痛とこわばりが軽減し、安全に日常生活動作が自立して行える

短期目標

1週間以内に朝のこわばりの時間が短縮し、朝の身の回りのケアが安全に行える

≪O-P≫観察計画

・疼痛の程度(安静時・動作時のNRSスコア)と部位を観察する
・朝のこわばりの継続時間と程度を観察する
・こわばりや疼痛が強い時間帯と軽減する時間帯を観察する
・睡眠状態(入眠時間、中途覚醒の有無、睡眠の質)を観察する
・日常生活動作(起き上がり、食事、整容、更衣、トイレ動作)の自立度を観察する
・移動能力(歩行状態、階段昇降、バランス)を観察する
・手指の細かい動作(ボタン操作、箸の使用)の状況を観察する
・関節の腫脹、発赤、熱感の有無と部位を観察する
・日中の活動量と疲労度を観察する
・薬物療法(メトトレキサート、プレドニゾロン、鎮痛薬)の効果と副作用を観察する
・転倒リスク(特に朝方や夜間のトイレ移動時)を観察する
・精神状態(不安、焦り、意欲)を観察する

≪T-P≫援助計画

・朝の更衣や整容の時間に余裕をもって声掛けし、こわばりが軽減するまで無理な動作を避けるよう促す
・朝のこわばりが強い時間帯は更衣や身支度の見守りや必要時介助を行う
・痛みが強い関節部位に負担がかからないよう、動作方法を工夫して支援する
・手指の負担を軽減するため、食事時はスプーンなど持ちやすい食器を準備する
・入浴時は安全に行えるよう洗体動作を見守り、必要時介助する
・就寝前に温罨法を実施し、入眠を促進する
・夜間の睡眠薬内服後はベッド柵を確認し、ナースコールを手の届く位置に置く
・転倒予防のため、ベッド周囲の環境整備と足元灯の設置を行う
・疼痛増強時は指示された鎮痛薬を速やかに投与し、効果を評価する
・リハビリテーション科と連携し、関節可動域訓練の継続を支援する
・関節保護のため、長時間同じ姿勢を避け、定期的な体位変換を促す
・日常生活の中で適度な休息時間を確保できるよう調整する

≪E-P≫教育・指導計画

・関節リウマチの病態と治療方針について説明する
・関節保護の原則(関節に負担をかけない動作方法)を指導する
・朝のこわばり軽減のためのストレッチ方法を指導する
・自宅でも継続できるリウマチ体操の方法を指導する
・薬物療法(特にメトトレキサートと葉酸の服用タイミング)について説明する
・疼痛増強時の対処方法(温罨法、休息、薬物使用のタイミング)を指導する
・自宅環境での転倒予防策(手すりの設置場所、滑り止めマットの活用)について家族と共に検討する
・日常生活での動作の工夫(着脱しやすい衣類の選択、自助具の活用)を説明する
・睡眠環境の整備と良質な睡眠のための工夫を指導する
・退院後の外来受診スケジュールと症状悪化時の対応について説明する

看護計画#2

看護問題

#関節リウマチに伴う関節痛・朝のこわばりと睡眠薬使用に関連した転倒転落リスク状態

長期目標

退院までに転倒転落なく安全に日常生活を送ることができる

短期目標

1週間以内に転倒リスク要因を理解し、予防策を実践できる

≪O-P≫観察計画

・朝のこわばりの程度と継続時間を観察する
・関節痛の部位と程度(NRSスコア)を観察する
・睡眠薬服用後の覚醒状態と判断力を観察する
・夜間のトイレ移動時の歩行状態とふらつきの有無を観察する
・起床時の動作(起き上がり、立ち上がり)の状況を観察する
・移動動作時のバランス保持能力を観察する
・転倒予防のための指示理解度と行動の一致を観察する
・環境認識力と危険予知能力を観察する
・日内変動による身体機能の変化を観察する
・下肢筋力と関節可動域の状態を観察する
・疲労度と活動量のバランスを観察する
・夜間の中途覚醒の頻度と原因を観察する

≪T-P≫援助計画

・ベッド周囲の環境整備(不要な物品の撤去、コード類の整理)を行う
・夜間の足元灯を設置し、明るさを適切に調整する
・睡眠薬服用後はベッド柵を上げ、ナースコールを手の届く位置に設置する
・トイレまでの動線に障害物がないか確認し、必要に応じて環境調整を行う
・浴室内に滑り止めマットを敷き、シャワー浴時の見守りを継続する
・手すりや支持物が適切に配置されているか確認する
・朝のこわばりが強い時間帯は起床時の見守りを強化する
・疼痛時は速やかに鎮痛薬を提供し、効果を評価する
・夜間のトイレ移動時は必要に応じて付き添い、安全確保を行う
・行動範囲内に障害物や危険因子がないか定期的に確認する
・転倒リスクが高い動作(階段昇降、入浴動作)時は必ず見守る
・睡眠環境を整え、夜間の中途覚醒を減少させる工夫をする

≪E-P≫教育・指導計画

・関節リウマチと転倒リスクの関連性について説明する
・睡眠薬の効果と副作用(ふらつき、判断力低下)について説明する
・朝のこわばりが強い時間帯の安全な動作方法を指導する
・無理をせずにナースコールを使用するタイミングを説明する
・手すりや支持物を効果的に使用する方法を指導する
・転倒予防のための安全な移動方法(ゆっくり動く、立ちくらみ時は動かない)を説明する
・環境整備の重要性と具体的な方法を本人・家族に指導する
・退院後の自宅環境での転倒予防策について家族と共に検討する
・自分の身体状態を適切に評価し、無理をしない判断力を養う指導をする
・適切な履物(滑りにくく、脱げにくい靴)の選択について説明する

看護計画#3

看護問題

#疾患に伴う関節痛と環境変化に関連した睡眠障害

長期目標

退院までに規則正しい睡眠パターンを確立し、睡眠薬に頼らずに良質な睡眠がとれる

短期目標

1週間以内に夜間の疼痛が軽減し、中途覚醒の回数が減少する

≪O-P≫観察計画

・夜間の疼痛部位と程度(NRSスコア)を観察する
・入眠時間と入眠までの時間を観察する
・中途覚醒の回数と時間帯、原因を観察する
・睡眠の質(熟睡感、疲労回復感)を観察する
・睡眠薬の効果と持続時間を観察する
・日中の活動量と疲労度を観察する
・体位変換の頻度と疼痛との関連を観察する
・朝の目覚め時の状態と疲労感を観察する
・不安や心配事の表出と睡眠への影響を観察する
・日中の睡眠(居眠りなど)の有無と時間を観察する
・睡眠環境(音、光、温度、寝具)に対する反応を観察する
・日内のバイタルサインと疼痛との関連を観察する

≪T-P≫援助計画

・就寝前に手指や関節部位に温罨法を実施する
・睡眠前のリラクゼーション(深呼吸、軽いストレッチ)を促す
・就寝前に疼痛評価を行い、必要時鎮痛薬を提供する
・就寝前のケアをまとめて行い、睡眠の中断を最小限にする
・夜間の環境調整(室温、照明、音)を行い、快適な睡眠環境を整える
・睡眠を妨げる刺激(不必要な物音、光)を最小限にする
・体位変換しやすいよう寝具を整え、必要時介助する
・個室管理が可能であれば検討し、静かな環境を提供する
・睡眠薬服用後は安全確保のため環境整備とベッド柵の確認を行う
・日中の適度な活動と休息のバランスを調整する
・疲労が蓄積しないよう、日中の活動と休息のタイミングを調整する
・就寝前の水分摂取を適切に管理し、夜間排尿による覚醒を減らす

≪E-P≫教育・指導計画

・関節リウマチの疼痛と睡眠の関連性について説明する
・良質な睡眠のための環境調整方法を指導する
・就寝前のリラクゼーション方法を指導する
・睡眠薬の効果と副作用、適切な使用方法について説明する
・早朝の疼痛対策(就寝前の鎮痛薬服用タイミング、寝具の工夫)を指導する
・日中の活動と休息のバランスについて説明する
・疼痛時のセルフケア方法(温罨法、姿勢の工夫)を指導する
・規則正しい生活リズムの重要性について説明する
・退院後の睡眠環境の整え方について家族と共に検討する
・気分転換やストレス管理の方法を指導する

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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