【ヘンダーソン】大腸癌 入院3日目(0015)| 6.適切な衣類を選び、着脱する

ヘンダーソン

事例の要約

横行結腸癌に対して腹腔鏡下結腸切除術を施行後、術後補助化学療法としてカペシタビン+オキサリプラチン(XELOX)療法1コース目を実施中の患者。化学療法開始3日目より、悪心・嘔吐、末梢神経障害、倦怠感などの副作用症状が出現し、日常生活動作に支障をきたしている60歳代の事例。介入日は10月15日。

6.適切な衣類を選び、着脱する

A氏は入院前まで日常生活動作はすべて自立しており、更衣動作も問題なく行えていた。しかし、化学療法開始後は全身倦怠感の出現により、特にしゃがんで靴下を履く動作に疲労を伴うようになり、介助を要する場面が出現している。基本的な上衣や下衣の着脱は自立しているものの、動作に時間を要する様子が観察されている。

運動機能については、麻痺や関節可動域制限は認められていない。55歳時の腰椎椎間板ヘルニアの手術歴があるが、現在は症状なく経過している。しかし、65歳という年齢を考慮すると、加齢による筋力低下や柔軟性の低下が更衣動作に影響を与える可能性がある。認知機能は正常で、見当識障害や記憶障害は認められず、適切な衣類の選択や着脱の手順理解に問題はない。

治療に関連する身体的制限として、化学療法に伴う点滴ラインが挿入されており、ソルデム3A 500mlが9-17時まで投与されている。点滴ライン使用中の更衣では、ラインの取り回しや衣類の選択に配慮が必要である。手術創は治癒しており、ドレーン類の留置はない。

全身状態として、体温は37.2℃とやや上昇しており、発汗による不快感や衣類の汚染に注意が必要である。悪心・嘔吐が持続しており、特に体動時に症状が増強する傾向があるため、更衣動作時の負担軽減への配慮が重要である。倦怠感により活動意欲が低下しており、病室でベッド上で過ごす時間が増加している状況である。

活動意欲については、A氏は治療に対して積極的な姿勢を持っているものの、予想以上の副作用症状により戸惑いを感じている状態である。自立心は保たれているが、体調不良により介助を必要とする場面では、遠慮がちな様子も観察されている。

必要な看護介入として、以下の対応が重要である。更衣動作時の疲労度の観察、点滴ラインの管理と衣類選択への助言、動作時の安全確保、必要に応じた介助の提供、体調に応じた更衣のタイミングの調整である。特に、更衣による過度の疲労を防ぐため、動作の優先順位を考慮した介助の提供が必要である。また、発熱や発汗の状況に応じて、適切な衣類の選択や交換のタイミングについても支援が必要である。

衣類の選択と着脱に関するニーズについて、現時点では基本的な更衣動作の能力は維持されているものの、化学療法の副作用による全身症状により、一部の動作に介助を要する状態となっている。更衣に関する認知機能や判断力は保たれているが、身体的な負担により動作の遂行に支障をきたしている。したがって、このニーズは部分的に充足されていない状態であり、継続的な観察と支援が必要である。特に、体調の変化に応じた柔軟な介助の提供と、自立性を尊重した支援の提供が重要である。

看護問題の明確化

#化学療法による倦怠感と悪心に関連したセルフケア不足(更衣)

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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