【ヘンダーソン】大腸癌 入院3日目(0015)| 13.遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する

ヘンダーソン

事例の要約

横行結腸癌に対して腹腔鏡下結腸切除術を施行後、術後補助化学療法としてカペシタビン+オキサリプラチン(XELOX)療法1コース目を実施中の患者。化学療法開始3日目より、悪心・嘔吐、末梢神経障害、倦怠感などの副作用症状が出現し、日常生活動作に支障をきたしている60歳代の事例。介入日は10月15日。

13.遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する

患者は65歳の男性で、入院前は毎朝30分程度の散歩を日課とし、規則正しい生活を送っていた。しかし、現在の趣味や休日の過ごし方に関する具体的な情報は不足しており、追加の情報収集が必要である。特に退職後の日常生活における楽しみや気分転換の方法について、詳細な把握が求められる。

認知機能は正常で、見当識障害や記憶障害は認められていない。コミュニケーションも良好で、医療者との意思疎通に問題はない。視力については近方視力の低下があり老眼鏡を使用しているが、眼鏡使用により新聞や書類の文字を不自由なく読むことができる状態である。

運動機能については、55歳時に腰椎椎間板ヘルニアの手術歴があるものの、現在は症状なく経過している。入院前はすべての日常生活動作が自立しており、転倒歴もなかった。しかし、現在は化学療法による副作用症状として悪心・嘔吐と全身倦怠感が出現しており、活動に消極的になっている状況がある。

入院後は化学療法開始前までは病棟内を自力歩行し、シャワー浴も自立して行えていた。しかし、化学療法開始3日目の現在は、体調不良により活動量が低下し、病室でベッド上で過ごす時間が増加している。歩行は自立しているものの、ふらつきがみられることがあり、トイレ歩行時は安全確保のためナースコールで看護師に知らせてもらうよう指導している。

入院中の気分転換方法としては、妻が毎日面会に訪れており、良好なコミュニケーションが保たれている。また、医療者の説明をメモに取る習慣があり、治療に関する情報収集に意欲的である。しかし、悪心・嘔吐による不快感や倦怠感により、積極的な余暇活動への参加は制限されている状態である。

必要な看護介入として、以下の対応が重要である。まず、化学療法による副作用症状の緩和を図り、患者の体調に応じた活動を支援する。特に悪心・嘔吐のコントロールを適切に行い、少しでも快適に過ごせる時間を確保する。

また、病室内でも実施可能な軽い運動や気分転換の方法を提案する。例えば、座位でのストレッチや深呼吸、病室での足踏み運動など、体調に応じた活動を紹介する。患者の興味や希望を確認しながら、読書や音楽鑑賞など、ベッド上でも楽しめる活動を検討する。

面会時間を活用し、妻との交流が気分転換となるよう配慮する。また、他の患者との交流の機会があれば、患者の意向を確認しながら支援する。化学療法の副作用が軽減する時期を見計らい、病棟内での散歩や活動範囲の拡大を段階的に進める。

退院後の生活を見据え、患者の趣味や関心事について情報収集を行い、治療中でも継続可能な活動を共に検討する。特に化学療法が6ヶ月間(8コース)継続される予定であることから、長期的な視点での余暇活動の調整と支援が必要である

ニーズの充足状況としては、認知機能や基本的な身体機能は保たれているものの、化学療法による副作用症状により活動が制限され、十分な気分転換や余暇活動が行えていない状態である。そのため、レクリエーションに関するニーズは現時点では充足されていないと判断される。今後の治療経過に応じて、患者の体調と活動のバランスを考慮しながら、段階的な支援を行っていく必要がある。

看護問題の明確化

#化学療法による副作用症状(悪心・嘔吐、倦怠感)に関連したレクリエーション活動不足

事例の目次

この記事の執筆者

なっちゃん
なっちゃん

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり

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