本事例の要約
自宅玄関での転倒により右大腿骨頸部骨折を受傷し、人工骨頭置換術を施行した78歳女性の介入14日目の事例である。
11.自分の信仰に従って礼拝する
A氏はキリスト教を信仰しており、入院前は地域の高齢者サークルの世話役を務めるなど、社会的な活動を積極的に行っていた。しかし、現在の信仰生活の具体的な様子、例えば礼拝への参加状況や聖書の読み聞かせなどの宗教的な実践についての情報は不足している。また、信仰が日常生活や価値観にどのように影響しているかについても、より詳細な情報収集が必要である。
A氏の生活における信仰の意味づけとして、几帳面で規則正しい生活を心がけている背景には、キリスト教的な価値観や生活規律が影響している可能性がある。また、現在の入院生活において、「夫に迷惑をかけて申し訳ない」という発言からは、家族関係における道徳観や倫理観が表れている。
食事に関して、入院前は夫と共に1日3食を規則正しく摂取していたが、宗教的な食事制限の有無については情報が不足している。キリスト教の宗派によっては、特定の時期における断食や食事制限がある可能性があり、これらについての確認が必要である。現在の入院食に対する宗教的な配慮の必要性についても、情報収集が求められる。
治療に関して、人工骨頭置換術や薬物療法について宗教的な制限や懸念は表明されていない。しかし、輸血や延命治療に関する本人の意向など、今後の治療選択に影響を与える可能性のある宗教的な価値観については、詳細な確認が必要である。
必要な看護介入として、以下の対応が求められる: 入院中の信仰生活の支援として、希望する場合は礼拝への参加や聖職者との面会の調整を検討する。また、信仰に基づく日課や習慣がある場合は、可能な範囲でそれらを継続できるよう配慮する。食事に関しては、宗教的な制限の有無を確認し、必要に応じて栄養科と連携して対応する。
今後の治療方針の決定に際しては、本人の宗教的な価値観を尊重し、医療者と家族間での共通理解を図る必要がある。特に、退院後の生活における信仰活動の継続について、本人の希望や家族の支援体制を含めた具体的な計画の立案が重要である。
観察を継続すべき点として、入院生活におけるストレスや不安に対して、信仰がどのように影響しているかを注意深く観察する必要がある。また、宗教的な実践が困難になることによる精神的な影響についても、定期的な評価が重要である。
現時点でのニーズの充足状況について、信仰に関するニーズの充足状況を判断するための情報が不足している。具体的な信仰生活の様子や、入院生活における宗教的なニーズについて、より詳細な情報収集と評価が必要である。ただし、現時点で宗教的な理由による治療上の問題は生じていない。
看護問題の明確化
なし
事例の目次
【ヘンダーソン】大腿骨頸部骨折 骨粗鬆症(0011)| 今回の情報
1.正常に呼吸する
2.適切に飲食する
3.あらゆる排泄経路から排泄する
4.身体の位置を動かし、また良い姿勢を保持する
5.睡眠と休息をとる
6.適切な衣類を選び、着脱する
7.体温を生理的範囲内に維持する
8.身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9.環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10.自分の感情、欲求、恐怖あるいは気分を表現して他者とコミュニケーションを持つ
11.自分の信仰に従って礼拝する
12.達成感をもたらすような仕事をする
13.遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる
看護計画
この記事の執筆者

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり
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