本事例の要約
自宅玄関での転倒により右大腿骨頸部骨折を受傷し、人工骨頭置換術を施行した78歳女性の介入14日目の事例である。
看護計画#1
看護問題
#重度骨粗鬆症及び活動制限に関連した転倒・再骨折のハイリスク状態
長期目標
退院までに安全な移動動作が確立され、転倒することなく基本的な日常生活動作が行える
短期目標
1週間以内に歩行器を使用して病棟内の10mの移動が見守りで安全に行える
≪O-P≫観察計画
・歩行時のふらつきや姿勢の安定性を観察する
・疼痛の程度と部位、性質、出現時期を観察する
・歩行器使用時の操作方法と安全性を観察する
・移乗動作時の筋力発揮の状態と動作の安定性を観察する
・環境変化や活動による血圧・脈拍の変動を観察する
・疲労の程度と回復状況を観察する
・夜間の睡眠状態と覚醒時の状態を観察する
・認知機能の状態(見当識、理解力、判断力)を観察する
・転倒に対する不安感や恐怖心の程度を観察する
・住環境(段差、手すりの位置、照明)の状況を観察する
・骨粗鬆症治療薬の服薬状況と副作用の有無を観察する
・日中の活動量と活動意欲を観察する
≪T-P≫援助計画
・ベッド周囲の環境整備(床の整理、必要物品の配置)を行う
・移動時は必ず付き添い、適切な介助方法で支援する
・夜間のトイレ誘導時は十分な照明を確保する
・移動の際は必要に応じて休憩を設ける
・活動前後の血圧測定を実施する
・疼痛時は規定の鎮痛薬を使用する
・適切な靴の選択と着用を確認する
・ベッドの高さを適切に調整する
・手すりの位置を確認し、必要時は位置を調整する
・転倒予防のための環境調整(滑り止めマットの設置など)を行う
・移動時の適切な支持基底面の確保を支援する
・車椅子のブレーキ確認と施錠を徹底する
≪E-P≫教育・指導計画
・骨粗鬆症の重症度と転倒予防の重要性について説明する
・安全な移動方法(歩行器の使用方法を含む)を指導する
・疲労や疼痛を感じた際の休息の取り方を指導する
・夜間トイレに行く際の注意点を説明する
・転倒のリスクが高い動作や場面について具体的に説明する
・自宅環境の改善点について家族を含めて指導する
・骨粗鬆症治療薬の重要性と服用方法について説明する
・段階的な活動範囲の拡大方法について説明する
看護計画#2
看護問題
#手術侵襲及び活動量低下に関連した栄養摂取不足
長期目標
退院までに必要栄養量(1,650-1,700kcal/日)が確保され、体重が入院前の水準(48kg)に回復する
短期目標
1週間以内に1日の食事摂取量が8割以上となり、水分摂取量が1,000ml/日以上確保できる
≪O-P≫観察計画
・食事摂取量(主食・主菜・副菜別)を毎食確認する
・水分摂取量を1日3回確認し記録する
・食事中の姿勢保持の状態を観察する
・疼痛の有無と食事への影響を観察する
・食欲の程度と変化を観察する
・口腔内の状態(乾燥、義歯の適合)を観察する
・嘔気や嘔吐の有無を確認する
・排便状況(回数、性状)を観察する
・体重の変化を週1回測定する
・疲労度と活動量との関係を観察する
・食事に対する意欲や嗜好の変化を観察する
・血液検査データ(総蛋白、アルブミン、ヘモグロビン)の推移を確認する
≪T-P≫援助計画
・食事時は適切な姿勢を保持できるよう介助する
・食事前に痛みの確認と適切な鎮痛剤の使用を行う
・食事時は十分な時間を確保する
・食事の温度を適切に保つ
・必要に応じて食事の形態を調整する
・水分はこまめに提供し、手の届く位置に設置する
・食事前後の口腔ケアを実施する
・必要に応じて栄養補助食品を提供する
・食事環境を整え、リラックスできる雰囲気を作る
・食事摂取量が少ない場合は間食を提供する
・リハビリテーション前後の補食を適切なタイミングで提供する
・栄養サポートチームと連携し、栄養状態を評価する
≪E-P≫教育・指導計画
・必要栄養量と現在の摂取量について説明する
・栄養バランスの良い食事の重要性を説明する
・効果的な水分摂取方法について指導する
・食事と投薬のタイミングについて説明する
・リハビリテーションと栄養摂取の関係について説明する
・体重減少がリハビリテーションに与える影響を説明する
・退院後の食事管理について家族を含めて指導する
・高齢者に必要な栄養素について説明する
事例の目次
【ヘンダーソン】大腿骨頸部骨折 骨粗鬆症(0011)| 今回の情報
1.正常に呼吸する
2.適切に飲食する
3.あらゆる排泄経路から排泄する
4.身体の位置を動かし、また良い姿勢を保持する
5.睡眠と休息をとる
6.適切な衣類を選び、着脱する
7.体温を生理的範囲内に維持する
8.身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9.環境のさまざまな危険因子を避け、また他人を傷害しないようにする
10.自分の感情、欲求、恐怖あるいは気分を表現して他者とコミュニケーションを持つ
11.自分の信仰に従って礼拝する
12.達成感をもたらすような仕事をする
13.遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
14.正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる
看護計画
この記事の執筆者

・看護師と保健師免許を保有
・現場での経験-約15年
・プリセプター、看護学生指導、看護研究の経験あり
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